国際交流基金 京都支部講演会「中世日本の繍仏(しゅうぶつ)における女性の存在」

刺繍大日如来像の画像
刺繍大日如来像
(所蔵・画像提供:細見美術館)

講師:キャロリン・ワグーラ 氏
Ms. WARGULA, Carolyn
(米国 / 国際交流基金日本研究フェロー)

繍仏(しゅうぶつ)とは刺繍で表した仏像のこと。古代から女性特有の作善であり、有名な作品としては聖徳太子の死後に妃の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が制作した天寿国繍帳や北条政子が源頼朝の菩提を願うために制作した繍法華曼荼羅などがある。鎌倉時代に入ると繍仏の制作が飛踊に増え、大半が阿弥陀三尊来迎図などであるところから浄土信仰に関わりを持っている作品だと思われている。繍仏は追善や供養などに使用された礼拝像が多く、亡き人への思いがこめられた作品としても興味深い。(キャロリン・ワグーラ)

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