CGP×朝日地球会議2021特別共催セッション 開催報告

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国際交流基金日米センターは、オンラインで開催された、「朝日地球会議2021『希望と行動が世界を変える』」(主催:朝日新聞社)において、特別共催として2つの対談・パネルディスカッションを実施しました。
下記より、アーカイブ動画が視聴できますので、是非ご覧ください。

第1部の画像
第1部 ポストコロナ時代の人類と社会~いま考える「新しい知」(約60分)
第2部の画像
第2部 教育とケアから考える「利他」(約60分)

また、ハフポスト日本版にも記事が掲載(2021年11月18日付)されましたので、こちらもあわせてご覧ください。

「いばるな、人間」 私たちはコウモリから学ぶべき?
朝日地球会議2021×国際交流基金日米センターの共催セッションから見えてきた、ポストコロナの生き方

日米センターは1991年の設立以来、さまざまな分野で日米共同によるグローバルな課題解決に向けた対話や交流に取り組んできました。この30年を通じて、日米両国が政治・経済・文化の各分野で良好な関係を築く一方、国際社会では、地球温暖化の進展に伴う環境問題の悪化や自然災害の拡大、紛争の勃発、社会的分断の深刻化といった課題が山積しています。特に、昨年来の新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックによって、感染症対策そのものの重要性に加えて、社会の分断や格差の拡大などの社会的な問題が日米のみならず世界各地で一層明らかになってきています。

日米センターでは、変わりゆく国際情勢や、ポストコロナ時代の望ましい社会のありかたを見据えて、これから新たに取り組む3つの事業テーマとして「レジリエントな社会の構築」、「社会的包摂の実現」、「科学技術で豊かな社会の創造」を選びました。これらのテーマの下、より豊かな社会の実現に向けて取り組む多様な人々の対話や交流を促し、また、そうした取り組みを支える人材を育成していきたいと考えています。

2021年の朝日地球会議は「希望と行動が世界を変える」をメインテーマに掲げ、すべての人が暮らしやすい持続可能な地球と社会について考える場として開催されました。日米センターがこれから取り組む新しい方向性とも通ずる重要なテーマであり、特別共催セッションでは、「この困難な時代において私たちは何を学び、どのように生きていくのか」といった根源的な問いへの考察を深めるため、第1部では、アメリカの政治哲学者マイケル・サンデル教授と生物学者の福岡伸一教授の対談により、より大きな視点で「新しい知」について議論しました。第2部では、福岡教授に東京工業大学未来の人類研究センター長の伊藤亜紗教授と新公益連盟の白井智子代表理事が加わり、「多様な社会における他者との向き合い方、関わり合い方」をより身近な意識で議論しました。視聴者の方から多くのご質問やご感想をいただきましたこと、誠にありがとうございました。

CGP×朝日地球会議2021 特別共催セッション 開催概要

日時
第1部:ポストコロナ時代の人類と社会~いま考える「新しい知」
2021年10月17日(日曜日)14時10分~15時10分
<再配信>2021年10月18日(月曜日)18時40分~19時40分
登壇者:
  • 福岡 伸一(生物学者、青山学院大学教授、米国ロックフェラー大学客員研究者)
  • マイケル・サンデル(ハーバード大学教授、政治哲学者)
コーディネーター:
  • 長野 智子(キャスター、ジャーナリスト)
第1部の模様および特別共催者あいさつは、こちらからご覧いただけます。
特別共催者あいさつ 梅本和義 国際交流基金理事長
2021年10月17日(日曜日)15時10分~15時15分
第2部:教育とケアから考える「利他」
2021年10月17日(日曜日)15時30分~16時30分
登壇者:
  • 伊藤 亜紗(東京工業大学 未来の人類研究センター長)
  • 白井 智子(特定非営利活動法人 新公益連盟代表理事)
  • 福岡 伸一(生物学者、青山学院大学教授、米国ロックフェラー大学客員研究者)
コーディネーター:
  • 鈴木 暁子(朝日新聞GLOBE副編集長)
第2部の模様は、こちらからご覧いただけます。
形式 オンライン開催
視聴 無料(要事前申し込み)
言語 日本語(英語の発言には日本語字幕が付きます)
※英語字幕を付した動画をアーカイブにて公開。
主催
特別共催
朝日新聞社
国際交流基金日米センター
公式サイト 朝日地球会議2021全体のプログラム詳細や最新情報は公式サイト(http://t.asahi.com/awfcgp)をご覧ください。

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登壇者プロフィール(敬称略)

福岡 伸一(ふくおか しんいち)

生物学者、青山学院大学教授、米国ロックフェラー大学客員研究者

1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授、米国ロックフェラー大学客員研究者。サントリー学芸賞を受賞し、80万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)など、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。ほかに『世界は分けてもわからない』(講談社現代新書)、『できそこないの男たち』(光文社新書)などがある。近刊に『迷走生活の方法』(文藝春秋)、『生命海流GALAPAGOS』(朝日出版)。2015年11月からは、読書のあり方を問い直す「福岡伸一の知恵の学校」をスタートさせ、校長を務めている。

福岡 伸一氏の写真

マイケル・サンデル(Michael J. Sandel

ハーバード大学教授、政治哲学者

1953年生まれ。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。専門は政治哲学。ブッシュ政権下で大統領生命倫理評議会委員を務めたほか、米国の学術団体アメリカ芸術科学アカデミー会員。ソルボンヌ大学客員教授。主著『これから「正義」の話をしよう』『それをお金で買いますか』は30以上の言語に翻訳され、近著の『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は英ガーディアン紙、米ブルームバーグ通信で「Best Books of 2020」に選ばれるなど国際的ベストセラーとなっている。また、政治哲学講義シリーズ「Justice」はハーバード大学の授業で初めてオンライン無料配信され、日本でも『ハーバード白熱教室』(NHK教育テレビ)として放送されると大きな話題となった。

マイケル・サンデル氏の写真

長野 智子(ながの ともこ)

キャスター、ジャーナリスト

米国ニュージャージー州生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、アナウンサーとしてフジテレビに入社。夫のアメリカ赴任に伴い渡米。ニューヨーク大学大学院において「メディア環境学」を専攻し、人間あるいは歴史に対して及ぼすメディアの影響について研究した。2000年4月より『ザ・スクープ』(テレビ朝日系)のキャスターとなる。『朝まで生テレビ!』『ザ・スクープスペシャル』『報道ステーション』『サンデーステーション』のキャスターなどを経て、現在は自らも国内外の現場へ取材に出る傍ら、国連UNHCR協会報道ディレクターも務める。

長野 智子氏の写真

伊藤 亜紗(いとう あさ)

東京工業大学 未来の人類研究センター長

専門は、美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次に文転。障害を通して、人間の身体のあり方を研究している。
2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究美学芸術学専門分野を単位取得のうえ、退学。同年、同大学にて博士号を取得(文学)。学術振興会特別研究員を経て、2013年に東京工業大学リベラルアーツセンター准教授に着任。2016年4月より現職。主な著書に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社、2013年)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社、2015年)、『手の倫理』(講談社、2020年)など。

伊藤 亜紗

白井 智子(しらい ともこ)

特定非営利活動法人 新公益連盟代表理事

千葉県生まれ、幼少期をオーストラリア・シドニーで過ごす。東京大学法学部卒、松下政経塾16期。1999年沖縄でフリースクールを立ち上げ、校長を務める。2003年大阪府池田市教育委員会から委託を受け、不登校児童生徒のための日本初の公設民営のフリースクールを立ち上げた。その後、大阪府、福島県を中心に子どもたちの居場所や学びの場をつくり運営しつつ、中央教育審議会臨時委員等の公職も多数務めた。2002年からソーシャルセクター100団体等が加盟する新公益連盟の代表を務める。内閣府休眠預金等活用審議会委員、経済産業省産業構造審議会教育イノベーション小委員会委員、サステナブルイノヴェイションラボ共同代表等も務める。

白井 智子氏の写真

鈴木 暁子(すずき あきこ)

朝日新聞GLOBE副編集長

1973年、埼玉県生まれ。1998年朝日新聞に入り、鳥取と奈良総局と大阪・東京の経済部、GLOBE編集部などを経て、2016年9月から3年3か月ハノイ支局長としてベトナム、カンボジア、フィリピンのニュースを担当した。現在GLOBE副編集長、記者。

鈴木 暁子氏の写真

お問い合わせ

国際交流基金日米センター
担当:瀧田・吉村・嶋口
電話:03-5369-6072