ペンシルバニア大学助教授で安倍フェロー(2017年度)のジョリオン・バラカ・トーマス氏をお迎えし、以下のとおりコロキアムを開催いたします。

開催概要

日時 2019年4月18日(木曜日) 18時〜20時
場所 国際文化会館 404セミナー室アクセス別サイトへ移動します
住所:東京都港区六本木5-11-16
講師 ジョリオン・バラカ・トーマス
ペンシルベニア大学宗教学助教授
安倍フェロー(2017年度)
テーマ 占領、戦後教育と信教の自由という難題について考える
概要  第二次大戦終結とともに連合国占領下日本に駐留した米軍は、以前にはなかった信教(宗教)の自由をこの国にもたらすという方針を建てた。1889年制定の明治憲法における信教の自由の保障は紛い物であると断じ、その代わりとして「本物の宗教の自由」を移植すると主張した。
 しかし、その時、占領軍は不都合な歴史的事実を見過ごしていた。
 日本では占領以前、何十年にも渡って信教の自由の意味が議論されてきたのである。GHQ(連合国軍総司令部)の記録を紐解くと、米駐留軍が宗教の自由をどのように守るべきかについて確信をもっていたとは到底いえない状況だったことが、戦勝者によるレトリックにはっきりと表れている。1940年代後期にGHQが影響力のある日本の学者の協力を得て策定した宗教の自由の概念とその運用が、現在でも学者、ジャーナリスト、政策決定者が宗教の自由について考えるところを決定している。例えば、誰が宗教の自由を享受するに値するか、どのような政治的行為が宗教的自由を侵害するのか、あるいは宗教の自由を保護する責任は誰にあるのか、といった問題についてである。ジョリオン・トーマスは、どのように宗教が定義されるべきかについての意見の不一致が、今日の日本における政治的生活を理解する上で中心的な問題であると論じる。
言語 発表言語は英語(質疑応答は日本語でも可能)
申込 どなたでもご参加いただけます。参加をご希望の方は、氏名・所属・連絡先を以下の宛先までご連絡ください。参加は無料です。
米国社会科学研究評議会(SSRC)東京事務所
ファックス:(03)5369-6142
メールアドレス:abetokyo@ssrc.org
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

※お送り頂く個人情報は、本講演会の実施、評価調査および今後のご案内のために使用させて頂きます。

講師紹介

ジョリオン・バラカ・トーマス博士

 ペンシルバニア大学宗教学助教授。グリネル大学を卒業後、ハワイ大学にて修士号、プリンストン大学にて博士号を取得。現在行う安倍フェローシップ研究プロジェクト「日米における宗教・道徳・公教育」では、誰が、どのような政治的努力によって、宗教的自由を定義し得るのか、また、日米の戦後の公教育に関する議論において「宗教」と「世俗」の概念がどう扱われてきたのか、また宗教、資本主義、セクシャリティ間の関係について調査している。
 トーマス博士は、既に2つの著書を出版しており、目下、3冊目の執筆に取り組んでいる。
 Drawing on Tradition: Manga, Anime, and Religion in Contemporary Japan(伝統を踏まえる:現代日本の漫画・アニメと宗教)University of Hawaii Press(2012年9月)、Faking Liberties: Religious Freedom in American-Occupied Japan(自由の偽装-アメリカ占領下日本における信教の自由)University of Chicago Press(2019年3月)、The Problematic Subject of Religious Education: Debates over Morality, Patriotism, and Security in Postwar Japan and the United States(宗教教育の難題―道徳、愛国主義、と戦後日米の安全保障)(執筆中のため仮題)

リオン・バラカ・トーマス博士の写真

問い合わせ

安倍フェローシップ・プログラム
米国社会科学研究評議会(SSRC)東京事務所
電話:03-5369-6085
ファックス:03-5369-6142
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