ミシガン大学教授で安倍フェロー(2010年度)のジェニファー・ロバートソン氏をお迎えし、以下のとおりコロキアムを開催いたします。

開催概要

日時 2019年6月7日(金曜日) 16時〜18時
場所 国際文化会館 レクチャーホール アクセス別サイトへ移動します
住所:東京都港区六本木5-11-16
講師 ジェニファー・ロバートソン
ミシガン大学人類学芸術史教授
安倍フェロー(2010年度)
テーマ ロボ・サピエンス ジャパニカス:ロボットとジェンダー、家族そして日本国民
概要  日本は、人間とロボットが共存の見込みを抱くことができた初めてのポスト産業社会と言えるだろう。過去10年にわたり、家庭、病院、オフィス、学校での利用のために設計された日本のヒューマノイド・ロボットは、世界中のマスメディアやソーシャル・メディアで称賛されてきた。
 しかし「ロボ・サピエンス ジャパニカス」(シカゴ大学出版会、2018年)において、著者ジェニファー・ロバートソン氏は、ロボットをSFに出てくるような多芸多才で機敏なものとして誤って伝えるプレスリリースやPRビデオを取り上げ、批判的な眼差しを送っている。同書は、日本の政界及び学術界における人間とロボットの関係をめぐる言説のエスノグラフィー及び社会文化史であり、また、実際のロボット――ヒューマノイド、アンドロイド、アニマロイド――が如何にして、日本の従来の性・ジェンダー及び政治経済の現状を維持補強するやり方で「想像操作」されてきたかを探求するものである。
 ロバートソン氏は、20世紀初め及び戦時中のロボットの誕生期を振り返りながら、ロボットに対するイメージ、その使われ方と受入れ方の変遷を辿るとともに、ロボットに市民権が与えられるべきか否かを考察し、「人間だけは例外」という主義主張に疑義を投げかける。そして、森政弘氏のよく知られながらも誤解を招きがちな「不気味の谷」理論を批判的に検討しつつ、ロボットとロボットの外骨格が如何に「ノーマル」即ち五体満足なボディの概念の刷り込みを強化しているかを論じる。
言語 発表言語は英語(日本語通訳付き)
申込 どなたでもご参加いただけます。参加をご希望の方は、氏名・所属・連絡先を以下の宛先までご連絡ください。参加は無料です。

米国社会科学研究評議会(SSRC)東京事務所
ファックス:(03)5369-6142
メールアドレス:abetokyo@ssrc.org
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

※お送り頂く個人情報は、本講演会の実施、評価調査および今後のご案内のために使用させて頂きます。

講師紹介

ジェニファー・ロバートソン博士

アートデザイン教授、女性学教授も兼任。同大学日本研究センター元所長。また同大学ロボット研究所及び女性・ジェンダー研究所にも所属する。1975年に芸術史専攻でコーネル大学を卒業後、1985年に同大学にて人類学博士号を取得。研究ジャーナル「Critical Asian Studies(アジア研究批判)」の日本編集長。これまでに発表した7冊の著書と80以上の論文や記事が扱った主題は、人類学、芸術史、17世紀から現代の日本研究まで多岐にわたる。目下、日本の優生学、バイオアート、現代アート、日本及び世界における人間とロボット間のインターフェイスについて研究、執筆活動に勤しむ。2010年度安倍フェローとして「安全、安全保障と利便性:日本のサービスロボットの政治経済」と題する研究プロジェクトを実施した。
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ジェニファー・ロバートソン博士の写真

問い合わせ

安倍フェローシップ・プログラム
米国社会科学研究評議会(SSRC)東京事務所
電話:03-5369-6085
ファックス:03-5369-6142
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