映像事業部コンテンツ事業開発チーム 古林 莉奈(ふるばやし りな)の写真1
キャリアパス
2020年、新卒で国際交流基金(以下、JF)に入職。
総務部人事課を経て、現在、映像事業部コンテンツ事業開発チームにて勤務。

Q1.JFに就職を志したきっかけは?

幼少期に発展途上国に在住し、さまざまな社会問題を間近に見て育ちました。そのため、気づいた頃には「平和な社会づくりへ少しでも近づけられるような仕事がしたい」と思い始め、社会貢献に繋がるような仕事を軸に就職活動をしました。

社会貢献に寄与する仕事は多くありますが、JFという日本の文化外交を担う公的機関に最終的に決めた理由は、平和な社会への土台づくりができると感じたためです。国際文化交流の魅力や強みは色々とありますが、私は自分とは異なる考え方や文化的背景を持つ人同士がお互いを知り、尊重し合う大切さに気づけることだと思います。

人と人とが新たに繋がり、互いに理解し合うきっかけづくりができる国際文化交流は、外交や社会平和に直結するものではないかもしれませんが、市民間で着実に蓄積され、いずれ国と国レベルの関係構築に大きな影響を与える礎となります。「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ。」というJFのミッションにあるように、他では経験できない「国際文化交流」を通して、社会に貢献できる仕事だと思っています。

Q2.新入職員時代についての思い出について聞かせてください。

最初の配属先は人事課でした。人事課では職員採用とJF職員の海外事務所への派遣手続きの2つが主な担当業務でした。業務上、国内外問わずJFで働く多くの人と関わる機会があり、どんな職員が働いているかを一番知ることのできる部署です。

そんな人事課で最初に感じたことは、JFというのは面白い経験をしている人や、さまざまなバックグラウンドを持つ人が働く機関であるということでした。前職の経験や学生時代の専門分野から特定の国・地域、分野に詳しい人もいれば、文化交流とは異なる分野で活躍されていた人など、多種多様な人がいます。

ただ、どの人も共通して、世界中でより良い国際文化交流を行うことを目標とし、その目標に向かって部署の垣根を越えたアイディア出しや意見交換、自身の過去の経験を共有しており、風通しの良い職場だと感じました。

Q3.現在の仕事について教えてください。

現在は、日本の映画・テレビ番組を観る機会が少ないASEANを中心とする約10か国で毎年開催される「JFFJapanese Film Festival /日本映画祭)」事業を担当し、日本の映像コンテンツを発信しています。

映画やテレビは多くの人に対して馴染みやすいコンテンツであるため、今まで日本についてあまり知る機会のなかった人々にとっての「最初のきっかけ」となる点がJFFの特徴の一つです。そのため、毎年上映作品のラインナップ(約10作品)を決める際には、世界的に広く知られているアニメ以外にも、可能な限り多様なジャンルとなるように、そして日本の生活、社会や考え方が分かるような作品を含めるように心がけています。

急な上映トラブルなどの緊急事態には毎回ハラハラしますが、各JFF開催国の会場が一体となって笑ったり、感動で涙する様子を実際に見ると、1つの作品を通して国境を越え、人と人とが繋がる瞬間が生まれたと感じます。そして、楽しんでいる姿にやりがいを感じると共に、映画やテレビの持つ強い影響力にも毎回気付かされます。

JFFインドネシアで映画を楽しむ皆さんの写真
JFFインドネシアで映画を楽しむ皆さん

JFでは、JFF以外にもさまざまな方法で日本の映像コンテンツを全世界に発信しています!
https://jff.jpf.go.jp/ja/

Q4.若手育成のための制度について。

海外赴任することに興味はあるものの、なかなか想像し辛く、不安に思う方もたくさんいるのではないでしょうか。私もそのうちの1人でしたが、若手職員が対象となる海外OJT研修制度に参加し、実際に海外事務所で働く先輩のもとで現地の業務を体験することができました。

3年目の頃にカンボジアにあるプノンペン連絡事務所へ派遣され、現地での日本語教育事業や、滞在期間中に開催されたJFFカンボジアの業務に携わりました。本部からは見えない関係各所との入念な事前調整、念入りに行われる導線確認、イベントのMC台本作成やリハーサル、JFFオープニングイベントの前日深夜0:30から始まる照明機材の搬入立合いなど、実施には想像以上に「体力」が求められること、そして何よりも現地事情を熟知している現地職員の皆さんや、プロジェクト全体のチームワークがあってこそ、初めてJFFは当日を迎えられることに気づきました。

通常の出張では、事業の実施当日や直前の最終準備から現地入りすることが多いですが、本研修では事業の準備段階から携わることができました。また、普段担当していない日本語教育などにも関わることができ、今後のキャリアを考える上でも、非常に参考になりました。

JFFカンボジアでプノンペン事務所のスタッフとの写真
JFFカンボジアでプノンペン事務所のスタッフと。

Q5.どんな人にJFをお薦めしたい?

JFでは約2~3年で部署を異動するローテーション制度を取り入れています。異動先はさまざまで、管理部門や、未経験の分野や国・地域に向けた事業の担当をすることもあるので、ルーティン化された働き方を求める人よりも、新しいことへの挑戦や幅広くさまざまな経験をし、新しい発見や学びを得ることを楽しいと感じる人の方が向いているかもしれません。

私は映像事業部へ配属される前までは映画を専門的に勉強したことがなかったため、事業の開催地でそれぞれ異なる映画事情、実際の映画素材や字幕をつける作業など…最初は分からないことが多く、かつ作品や開催地によっても異なってくるため今でも毎日が勉強です。ただ、初めて出会った外部の人と一緒に何かに挑戦したり、知らなかった国・地域との交流ができたりと、刺激の多い仕事でとても楽しいと感じています

文化交流などに明るい方のみならず、職場内にはさまざまなバックグランドを持った人が多いので、多様な経験を持つ方々と、一緒に色々な経験をできると嬉しいです。

【とある1日のスケジュール】

9時30分
出勤、メールをチェック
10時30分
部署内の打ち合わせ(毎週、各事業担当者同士で進捗報告や情報共有を行います)
12時30分
昼休み
13時30分
JFF各国担当者から届いた映画祭で使用する広報物のドラフト確認
SNS投稿画像、トレイラー作成、JFFカタログなどを確認します)
16時
外部映画団体とのオンライン打ち合わせ
17時
メールチェック、書類作成
19時
帰宅

終業後は、最新の映画を観に映画館へ行ったりします。JFFでの上映に合いそうな作品に出会えた時は、上映作品候補として記録しています!