【取材のお願い】「丹下健三と隈研吾」展 オリンピックの開催を控えたパリにて5月2日開幕

2024年4月30日

国際交流基金(JF)は、2024年5月2日(木曜日)から6月29日(土曜日)にかけて、国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会と共催で、フランス・JFパリ日本文化会館において「KENZÔ TANGE – KENGO KUMA Architectes des Jeux de Tokyo」(邦訳「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」を開催します。

1964年と2021年の2回にわたり、東京においてオリンピックが開催され、多くの競技施設が建設されました。本展覧会は、2024年のオリンピックの開催を直前に控えたパリで、東京オリンピックを象徴する競技場を設計した日本を代表する建築家丹下健三と隈研吾の足跡をたどります。
キュレーターの豊川斎赫は、(1)代々木競技場と国立競技場を比較、両競技場の魅力を国内外に伝えること、(2)二人の建築家の共通点と差異を明解に示すこと、(3)二人の建築家がフランスから受けた影響やフランスでの活動をコンパクトに紹介すること、という3つの課題を念頭に置きつつ、本展の企画にあたりました。 これらの課題は、本展を構成する各章のテーマと呼応しており、本展では二人の建築家の魅力を様々な角度から紹介されます。

丹下健三が設計し、二度のオリンピックの舞台であり、そのレガシーを代表する建築となった国立代々木競技場。そして隈研吾が設計し、2021年オリンピックのメイン会場(陸上競技や開会式・閉会式)として新たなレガシーとなるであろう国立競技場。どちらもオリンピック施設である点では共通するものの、キュレーターの豊川は全く異なる時代背景で建設された二つの競技場を比較対照することの難しさを認めます。しかしながら、巧みに織り込まれたキーワードを通して、本展来場者が代々木競技場の現代性を再認識すると同時に、国立競技場に秘められた魅力を発見することができるよう構成しています。
また、本展は、競技場と最も対極にあるとも言える住宅にもフォーカスを当てています。意匠・構造・設備の高度な統合が必要とされ、巨大な公共建築である競技場と対比して、施主の個性や設計者の感性が反映されやすい住宅を通して、二人の建築家の共通点と差異を明らかにしているのも本展の見どころの一つです。
さらに、丹下と隈がフランスから受けた影響やフランスでの活動を振り返ることも試みます。丹下がル・コルビュジエやシャルロット・ぺリアンらから受けた影響、また隈がフランスで手掛ける多様なプロジェクトを俯瞰することで、この試みは、本展の来場者が二人をより身近に意識するきっかけとなるのみならず、戦後日本建築の黎明期から現代までのプロセスを辿ることに繋がるでしょう。

本展には、数多くの建築模型とともに、日本を代表する写真家らが撮影した写真が展示されており、これによって来場者は二人の建築家の軌跡を手に取るように感じることができます。本展が、フランスのみならずパリを訪れる世界中の人々にとって、オリンピックが遺すレガシー、ひいては建築が未来に遺すメッセージについて考える契機となることを期待します。

  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景
    「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景 2024年 撮影:瀧本幹也 提供:国際交流基金、G.Y.S.C.

■展覧会概要

会期:2024年5月2日(木曜日)~6月29日(土曜日)
※内覧会:4月30日(火曜日)15時~21時
オープニング記念シンポジウム:
4月30日(火曜日)14時30分~
JFパリ日本文化会館 大ホール
登壇者:隈研吾、Bénédicte Gandini(ル・コルビュジエ財団)、丹下憲孝、宮本洋一、長谷川香、豊川斎赫、山名善之(モデレーター)
会場:JFパリ日本文化会館(101 bis Quai Jacques Chirac, 75015 Paris, フランス)
キュレーター:豊川 斎赫(千葉大学准教授)
主催:独立行政法人 国際交流基金(JF)、JFパリ日本文化会館
共催:一般社団法人 国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会(G.Y.S.C.)
協賛:株式会社大林組、清水建設株式会社、大成建設株式会社、三井不動産株式会社

株式会社イトーキ、LVMHウォッチ・ジュエリージャパン株式会社 ショーメ、LVMH モエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン株式会社、鹿島建設株式会社、クリスチャン ディオール合同会社、一般財団法人日本建築センター、小松マテーレ株式会社、株式会社佐藤秀、住友林業株式会社、大光電機株式会社、大日本印刷株式会社、太陽工業株式会社、大和ハウス工業株式会社、大和リース株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社丹青社、東急グループ、東急建設株式会社、戸田建設株式会社、株式会社乃村工藝社、野村不動産株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、前田建設工業株式会社
助成:公益財団法人大林財団
特別協力:内田道子、丹下都市建築設計
協力:隈研吾建築都市設計事務所、高知県立美術館 石元泰博フォトセンター、瀧本幹也写真事務所、TOPPAN株式会社、独立行政法人日本スポーツ振興センター、日本デザインセンター、パリ日本文化会館支援協会
後援 :在フランス日本国大使館

■関係者略歴
●丹下健三(たんげ・けんぞう)
建築家、都市計画家。1913年大阪府生。東京帝国大学工学部建築学科卒。東京大学建築学科助教授として、丹下研究室内で独自の都市解析を進める傍ら、数々の公共建築の設計を手がけた。この間、丹下研究室から槇文彦、磯崎新、黒川紀章、谷口吉生といった著名な建築家を輩出。
1974年東京大学を定年退職後、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、シンガポールなどで広大な都市計画、超高層計画を実現し、「世界のタンゲ」と呼ばれるに至った。
代表作に広島平和記念公園、香川県庁舎、国立屋内総合競技場、東京カテドラル聖マリア大聖堂、山梨文化会館、ナイジェリア新首都計画などが挙げられる。主著に『丹下健三:一本の鉛筆から』(日本図書センター1997)など。

●隈研吾(くま・けんご)
建築家。1954 年⽣。東京⼤学⼤学院建築学専攻修了。1990 年隈研吾建築都市設計事務所設⽴。東京⼤学教授を経て、現在、東京⼤学特別教授・名誉教授。
1964 年東京オリンピック時に⾒た丹下健三の代々⽊屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を⽬指す。⼤学では、原広司、内⽥祥哉に師事し、⼤学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断して、集落の調査を⾏い、集落の美と⼒にめざめる。コロンビア⼤学客員研究員を経て、1990 年、隈研吾建築都市設計事務所を設⽴。これまで40を超える国々で建築を設計し、(⽇本建築学会賞、フィンランドより国際⽊の建築賞、イタリアより国際⽯の建築賞、他)、国内外でさまざまな賞を受けている。その⼟地の環境、⽂化に溶け込む建築を⽬指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、⼯業化社会の後の建築のあり⽅を追求している。最新の著書は、『日本の建築』(岩波新書)。

●豊川斎赫(とよかわ・さいかく)
建築家・建築史家。1973年宮城県仙台市生。
東京大学大学院工学系建築学専攻修了。現在、千葉大学大学院融合理工学府地球環境科学専攻都市環境システムコース准教授。主著に『丹下健三 戦後日本の構想者』(岩波書店2016)、『国立代々木競技場と丹下健三』(TOTO出版2021)など。

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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景。明治神宮内苑·外苑の建築模型と俯瞰写真など
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景。国立代々木競技場建築模型と外観写真、国立競技場建築模型と外観写真
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景。写真や模型など
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景。写真や解説文
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景。テーブルとソファ、建築写真
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  • 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」会場、JFパリ日本文化会館入口とエッフェル塔
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  • 明治神宮内苑·外苑
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  • 国立代々木競技場第一体育館
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  • 国立競技場
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  • 桂離宮 新御殿東面と芝庭
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  • 丹下自邸
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1–6: 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展示風景 2024年 撮影:瀧本幹也 提供:国際交流基金、G.Y.S.C.
7: 「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」会場建物入口 2024年 撮影:瀧本幹也 提供:国際交流基金、G.Y.S.C.
8: 《明治神宮内苑·外苑》 2023 年 撮影:瀧本幹也 © G.Y.S.C.
9: 《国立代々木競技場第一体育館》 1964年 撮影:石元泰博 高知県立美術館蔵 ©高知県,石元泰博フォトセンター
10: 《国立競技場》 2023年 撮影:瀧本幹也 © G.Y.S.C.
11: 《桂離宮 新御殿東面と芝庭》 1953-1954年 撮影:石元泰博 高知県立美術館蔵 ©高知県,石元泰博フォトセンター
12: 《丹下自邸》 1953-1954年 撮影:石元泰博 個人蔵 ©高知県,石元泰博フォトセンター

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