サンフランシスコで一年日本語教育を経験して

プレシディオ・ミドル・スクール
河野 力也

カリフォルニア州

カリフォルニア州の面積はアメリカで第3位の42.4万平方kmで、日本全体の面積より少し大きいくらいです。ロサンゼルスやシリコンバレーなどの大都市が多数あり、ショービジネスやGoogleFacebookなどのIT企業が盛んで、とても経済力の強い州でもあります。人口は約3920万人で、アメリカの州の中で人口がもっとも多く、人種のるつぼであり、様々な民族、人種の人たちが住んでいます。カリフォルニア州はみなさんが思い浮かべる、まさに“melting potのアメリカ”というイメージにふさわしい州だと思います。街を歩いていても様々な言語があちこちから聞こえてきます。それゆえにそれぞれの言語教育が活発におこなわれているのもカリフォルニアの特徴です。サンフランシスコではスペイン語に加え、中国語話者も多いので、中国語教育がとても盛んです。日本人や日系アメリカ人も多く、日本語教育もかなり盛んで、日本町などに日本語学校などが複数あります。子供の頃から公立の小学校で日本語を勉強できる選択肢もあり、週末には日本語補習校などもあるため、とても充実しています。そういうところでは多くの継承言語話者の学生や、日本に関心のある学生達が日本語を勉強しています。最近ではアニメの影響で日本語を勉強し始める人も多いようです。カリフォルニアの義務教育はkindergartenから高校卒業まで合計12年間あります。

プレシディオ中学校

受入機関であるプレシディオ中学校は、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジのすぐ近くに位置するリッチモンド地区にある学校で、サンフランシスコの金融街から西に車で20分ほどいけば着く、とても立地の良い場所にある公立の中学校です。ITバブルの影響で急激に家賃が高騰していっている地区でもあります。住民はアジア系と白人系の住民が大半を占めています。学校の教師数は約50名、生徒数は約1000名で、半分以上をアジア系、主に中国系の学生が占めており、次に白人系の学生が多く、その他の人種の学生はごく少数です。プレシディオ中学校では外国語の授業は選択科目として扱われています。リードティーチャー(以下、LT)とアシスタントティーチャー(以下、AT)の私、二人で1クラス10人から20人程度の6年生から8年生までの学生を教えています。主にプランニング、学生の成績相談、採点やクラスマネジメントに協力しています。全部で4クラス教えており、来年度から5クラスに増える予定です。その内半分以上の学生は小学校で日本語に触れたことのある学生、もしくは日本語を話す親を持つ学生です。同じクラス内でも学習者の日本語のレベルがかなり異なるので、授業内活動をする時にクラスを二つに分けて行ったりしています。

サンフランシスコでのコミュニティー活動

プレシディオ中学校はサンフランシスコ市内で唯一日本語のクラスがある公立の中学校なのですが、それ以外にサンフランシスコ市内で日本語を教えている小学校と高校があり、それらの学校に授業見学に行かせていただいたり、茶会や餅つき大会などの文化的な行事などにも参加させていただいたりしました。その度にJ-LEAPのプログラムについてお話しする機会をいただいたほか、他の日本語教育関係者の方々と繋がることができました。加えて、フィールドトリップの時には自分たちが卒業した小学校に8年生を連れて行って、中学校の日本語プログラムについてプレゼンテーションをしたり、その小学校の卒業式に呼んでいただいたりもしました。他にも、高校の先生からお呼びいただき、サンフランシスコの日本町で一年に一度ある大規模なお祭りである“桜祭り”でその高校のブースのお手伝いをしたり、その後お神輿を担がせていただいたりしました。そのほかには、近くのバイリンガルスクールの幼稚園でサマースクールを手伝うことになり、二週間ボランティアをしました。いつも接している中学生とはとても異なり、アクティビティーやクラスマネジメントの仕方も全てが新鮮でとても勉強になりました。サンフランシスコ含むベイエリアには本当に日本語を教えている方々が多く、学校外でも勉強させていただく機会が多く、この恵まれた環境に感謝したいと思います。

一年目が終わり

この学校に来る前は、生徒達はみんな私を日本からはるばる来たスペシャルゲストとして出迎えてくれ、色々私に興味を持ってくれるだろうと思っていました。しかしながら、サンフランシスコ自体に日本人が多く、生徒も全員バックグランドが様々なので、自分は特に特別な存在として扱われませんでした。結局、自分自身に教師として学生を惹きつける何かがないと生徒達は自分に興味を持ってくれないと気づきました。一年目は環境に慣れるのにも苦労しましたし、生徒との関係性、そして自分はどうLTの授業に貢献できるかを模索し続ける日々でしたが、 LTは一人で教えていた頃の既存のやり方で授業は進められるようにしてくれていたので、私はクラス内を歩き回り、それぞれ生徒のサポートをしつつ、入れるところで入りクラスをリードするということを続けているうちに、それぞれの生徒との距離を縮めることができました。徐々にクラスマネジメントも率先してできるようになってきたので、2年目はさらに自分でリードしていける力をつけたいと思います。そして何よりも日本語を学ぶ楽しさを伝え続けることができるようになりたいと思います。そして、今までと同様、LTと仲良く楽しく、より良いコンビネーションを築けるように頑張りたいと思います。

  • 派遣先での写真1
  • 派遣先での写真2

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