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国際交流基金の事業

言語[海外における日本語教育]
海外の日本語教育環境の整備

海外において質が高く安定した日本語教育が広く実施されるよう、各国・地域の状況等を踏まえつつ、現地の行政機関や主要な日本語教育機関と連携して、主に次の事業を行い、各地の日本語教育環境の整備を進めました。

日本語教育機関に対する活動助成、ネットワーク形成支援

JFにほんごネットワーク(さくらネットワーク)メンバー*をはじめとする現地教育機関による、日本語講座、教材購入、弁論大会等の日本語普及活動に対する助成を行っています。

*「さくらネットワーク」メンバーは、各国の中核的日本語教育機関・団体。2017年度末現在92か国・地域288機関。

スリランカ:パナドゥーラ・ロイヤル・カレッジのイベント「日本語の日2017年」の写真

スリランカ:パナドゥーラ・ロイヤル・カレッジのイベント「日本語の日2017年」に対する助成

各国日本語教師・学習者等を対象にした研修の実施

海外での日本語教育を担う人材のスキルアップ等のため、日本語国際センター及び関西国際センターにおいて日本語教師及び学習者等の招へい研修を実施しました。

関西国際センター日本語学習者研修の写真

関西国際センター日本語学習者研修

日本語国際センター

海外での日本語教育を総合的に支援するため1989年に設立されました。海外の日本語教師を招へいして日本語、日本語教授法、日本文化等の研修を実施しています。また、日本語教材の制作や「JF日本語教育スタンダード」の普及事業を行っています。

日本語国際センター海外日本語教師研修(短期研修・夏期)の写真

日本語国際センター海外日本語教師研修(短期研修・夏期)

関西国際センター

海外の日本語学習者を支援する日本語研修施設として1997年に設立されました。

各国の外交官、公務員や日本研究者等を招へいし、職務や研究に役立つ専門日本語の研修を行うほか、日本語学習者の訪日研修を実施しています。また、研修事業で得たノウハウを基に、日本語オンラインコース、日本語学習サイトやアプリ等のeラーニング教材の開発を推進しています。

関西国際センター専門日本語研修の写真

関西国際センター専門日本語研修
(c) Mariko Tagashira

日本語教育・学習の奨励
国別取り組み事例:ベトナム「初等中等教育段階における日本語教育の普及」

ベトナム 初等中等教育段階における日本語学習者数・機関数の推移

ベトナム 初等中等教育段階における日本語学習者数・機関数の推移のグラフ

(画像をクリックすると拡大表示されます)

ベトナムの中等教育段階で第一外国語として日本語教育が取り入れられるという計画を受けて国際交流基金は支援を開始。ベトナム教育訓練省と協力し、日本語専門家を派遣してカリキュラムの開発や教科書作成等への協力、日本語教師の招へい研修や現地でのセミナー開催等の施策を実施しています。その結果、中等教育段階では日本語学習者が1万人を超え、国定教科書を使用して日本語教育を実施している学校は2017年10月現在70校(中学校42校、高校28校)に拡大しました。

初等教育段階でも2016年9月からハノイとホーチミンの計5校の小学校で第1外国語としての日本語教育が試行的に開始されました。2017年度も前年度に引き続き、ベトナム教育訓練省から任命されたハノイ国家大学外国語大学の教師と国際交流基金ベトナム日本文化交流センターの日本語専門家からなるチームが、学年ごとの教科書作成や教師研修に取り組みました。

国別取り組み事例:英国「初等教育での日本語教育拡大」

2014年にイングランドの公立初等教育機関の3〜6年生で外国語教育が義務化されたことを受け、国際交流基金では初等教育向け教材を開発し、日本語科目導入を促すさまざまな働きかけを行いました。2017年9月には初中等教育関係者を対象にした「みなと」のオンライン日本語コースを開講。2018年3月にはイングランド中部の都市コヴェントリーで地元小学校等と共催の「子ども大使日本会議」を実施し、29の小学校から集まった約250人の児童が日本語や日本の文化・スポーツを体験しました。

「子ども大使日本会議」の写真

日本語専門家の海外派遣
国別取り組み事例:フランス中等教育の正規日本語教員誕生

海外の教育機関等に日本語教育の専門家等を派遣しています。フランスでは、中等教育の正規教員採用試験に日本語部門が新設されたことを受け、国際交流基金派遣日本語専門家の主導で日本語教師研修会や日本語教育専攻学生へのインターンシップ、訪日研修等を実施し、同試験の確実な実施に向けて働きかけを行いました。2017年6月には第1号となる3人の正規中等日本語教員が誕生しました。

フランスでの日本語教師研究会の写真

EPAに基づく訪日前日本語研修の実施

インドネシア・フィリピンと日本との二国間経済連携協定(EPA)に基づき、日本に受け入れる看護師・介護福祉士候補者649人を対象として、来日前の日本語予備教育事業(6か月間)を実施しました。候補者は来日後、更に6か月の日本語研修を受けた後、病院や介護施設に配属され、仕事をしながら国家試験合格を目指します。

インドネシアでの訪日前日本語研修の実施