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国際交流基金の事業

その他の取り組み
国際文化交流への理解と参画の促進

国際交流基金では、「国際交流基金賞」及び「国際交流基金地球市民賞」により、国際文化交流を通じて日本と海外の相互理解の深化に貢献した個人・団体や、地域に根ざした優れた国際交流を行っている団体を顕彰しています。

国際交流基金賞

学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に特に顕著な貢献があり、引き続き活躍が期待される個人・団体へ国際交流基金賞を授与しています。45回目となる2017年度は、71件の候補の中から3件の受賞者を決定しました。

▼2017年度受賞者および授賞理由

アレクサンドラ・モンロー氏の写真

アレクサンドラ・モンロー[米国]
(ソロモン・R・グッゲンハイム美術館アジア美術上席キュレーター/グローバル美術上級アドバイザー)

戦後から現代までの日本美術を美術史の一貫した立場から実証的に研究し、展覧会を企画してきた。日本文化への深い知識と理解に基づき、欧米中心の視点に偏ることなく日本の前衛美術を自立的なものとして海外に示し、日本の現代美術家たちの国際的な評価を高めるとともに、革新的な展覧会を通じて国際相互理解に貢献している。

Alexandra Munroe at Guggenheim Museum, 2016.
Photo (c) David Heald

フレデリック・L・ショット氏の写真

フレデリック・L・ショット[米国]
(作家/翻訳家/通訳者)

40年にわたり活躍してきたマンガ評論と翻訳のパイオニアであり、1983年の最初の著作『Manga! Manga! The World of Japanese Comics』で、日本のマンガについての豊富な情報だけでなく、100ページにのぼるマンガの翻訳も読者に提供した。その他の過小評価されていた表現分野にも関心を寄せ、多面的な文化交流へ貢献してきた。

アンドレイ・ベケシュ氏の写真

アンドレイ・ベケシュ[スロベニア]
(リュブリャナ大学名誉教授(日本研究))

1995年に新設されたリュブリャナ大学文学部アジア・アフリカ研究学科の初代学科長を務め、スロベニアの日本研究の発展、人材の育成に尽力した。日本研究者の欧州広域ネットワーキングにおいて中心的役割を果たしてきた、日本とスロベニア、日本と欧州を架橋する研究者・教育者である。

地球市民賞

日本と海外の市民同士の結びつきや連携を深め、互いの知恵やアイディア、情報を交換し、ともに考える先進的で独自性のある活動に取り組む日本国内の団体を顕彰しています。33回目となる 2017年度は、149件の候補の中から3件の受賞団体を決定しました。

▼2017年度受賞団体および授賞理由

芝園団地自治体の写真

芝園団地自治会(埼玉県 川口市)

芝園団地は1980年代から外国人住民が暮らし始め、2009年には約4割が外国人となり、日本人住民との摩擦が生じた。通訳の常駐、交流イベントの開催など、さまざまな取り組みを行い、共生の意識が根付く活気にあふれる団地となった。日本人住民と外国人住民が手を携えて相互理解の試行錯誤を重ねてきた本自治会の取り組みは、これから日本全国のコミュニティが直面する課題に対応するモデルとなるものである。

Nagomi Visitの写真

Nagomi Visit(東京都 港区)

Nagomi Visitは、海外から訪れる人々に「ホームビジット」体験を提供している。ホームビジットにおいては、家庭料理を囲んで2、3時間の国際交流を行っている。一歩を踏み出しやすい気軽な国際交流ができ、ゲストは全世界から、ホストは日本全国でという地域的拡がりがある。WEBを活用した、先進的な取り組みである。

黄金町エリアマネジメントセンターの写真

黄金町エリアマネジメントセンター(神奈川県 横浜市)

初黄・日ノ出町地区は特殊飲食店が軒を連ねる街であった。2005年県警が一斉摘発をし、2008年アートを生かした街づくりがスタートした。地域一帯が舞台の「黄金町バザール」の開催や、アーティスト・イン・レジデンスなどの国際交流も積極的に行い、外国につながりを持つ住民も多数暮らす同地域で、アーティストが人々の交流の橋渡しをしている。人と地域をつなぎ地域の可能性を模索してきた、文化交流と街づくりの取り組みである。