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国際交流基金の事業

アジアセンター
日本語学習支援

アジアで日本語を教える教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントや日本文化の紹介を行う“日本語パートナーズ”を現地の教育機関へ派遣しています。2017年度は591人をASEAN10か国と中国・台湾の492機関の中学・高校・大学等に派遣しました。2017年度に帰国した“日本語パートナーズ”は、日本語授業を通じて約14万人の生徒とふれあいを生み出すとともに、課外活動やイベントなどで約28万人に対して日本文化の紹介を行いました。

日本語学習支援“日本語パートナーズ”経験者の声

互いに伝え合い、学び合う

“日本語パートナーズ”として地域や学校に密着した生活を送る中で、たくさんの出会いと発見がありました。いつも困ったことはないかと心配し、食事や遊びに誘ってくれるカウンターパートの先生。どこで会っても笑顔で話しかけてくれる生徒。皆に共通することは、私や日本のことに興味を持ってくれるだけでなく、たくさんのことを教えてくれるホスピタリティがあることです。タイの高校に派遣されてから、生徒たちが日本の文化や食べ物に興味津々なことや、タイの人たちに先生や年長者を尊敬するという文化が強く根付いていることを知りました。日本を伝えるだけでなく、タイのことも学ぶことができる素晴らしい10か月間でした。

タイに派遣された藤原正大氏の写真

藤原正大 タイ5期(2017年5月〜2018年3月派遣)

日本の魅力を発信し、日本をもっと身近な存在に

現地の大学へ派遣されて私が感じたことは、日本人がいることで学生たちにとって日本や日本語が身近な存在になったということです。最初は照れて日本語を使わなかった学生たちも日本語で挨拶をしてくれるようになりました。派遣先校で創設した日本クラブで、お寿司や白玉だんごを作ったり、筆を使って漢字で自分の名前や好きな言葉を書いたりすると、学生だけでなくカウンターパートの先生も喜んでくれました。“日本語パートナーズ”派遣事業を通じて日本とカンボジアの文化・習慣を相互に学び合ったことで、日本の文化を外国の方々に伝えていくことの楽しさを知ることができました。これからも学ぶ姿勢を大切に日本の魅力を海外に伝えていきたいと思います。

カンボジアに派遣された松岡香央里氏の写真

松岡香央里 カンボジア1期(2016年9月〜2017年8月派遣)

現地に溶け込んで日本を伝える楽しさ

“日本語パートナーズ”としてベトナムの中学校・高校等の教育現場で実践的な活動をする機会が得られました。カウンターパートの先生や生徒たちに教わりながらベトナム語でコミュニケーションをとると、彼らとの距離が一気に縮まった気がしました。出身地・沖縄の三線を実際に触ってもらい、ベトナムの楽器との共通点を紹介すると、とても興味を持ってくれました。生徒たちの歌声に合わせて三線を演奏した経験は、忘れられない思い出です。日本語教育の重要性を強く感じた私は、現地での思い出を胸に、日本語教師としての一歩を踏み出しました。

ベトナムに派遣された上運天宏子氏の写真

上運天宏子 ベトナム4期(2017年8月〜2018年6月派遣)

“日本語パートナーズ”の経験を活かし、サポートを実践

帰国後、私は、経済連携協定(EPA)に基づいて日本で国家資格の取得を目指すインドネシア人看護師候補者の日本語学習と看護師国家試験対策をサポートしています。看護師や診療情報管理士を務めていたので、以前から、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ事業に関心がありました。“日本語パートナーズ”としてインドネシア人と交流し、現地の生活を体験したことで、インドネシアの看護師候補者たちとも親交を深めながら指導することができます。

“日本語パートナーズ”としての経験を活かし、これからも彼らの理解者となってサポートしていきたいと思います。

インドネシアに派遣された島田富子氏の写真

島田富子 インドネシア4期(2015年10月〜2016年3月派遣)