国際交流基金の事業
言語[海外における日本語教育]
海外における日本語教授法及び日本語学習者の能力評価の充実
日本語普及のため、新たな教授法や学習素材を提供するとともに、日本語学習者のための日本語能力試験(JLPT)に加え、外国人材受け入れのための国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)を行いました。
日本語教授法に関する情報発信と学習素材の提供
「JF日本語教育スタンダード※」の活用促進のため、ウェブサイトやSNS等を通じた情報発信を行うとともに、準拠教材『まるごと 日本のことばと文化』及び『いろどり 生活の日本語』の充実を図りました。
『まるごと』については、電子書籍版を発行したほか、中国・ミャンマーでは「入門」、インドでは「初中級」、ベトナムでは「初中級」・「中級1」、インドネシア・韓国では「中級2」を出版しました。また、まるごとサイトで提供するサポート教材の多言語化を進めました。
※ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の考え方に基づいてJFが開発した、日本語の学び方、教え方、評価の仕方を考えるための枠組みです。「相互理解のための日本語」を理念とし、「課題遂行能力」と「異文化理解能力」の育成を目指します。
オンライン授業でも使用される『まるごと 日本のことばと文化』(ベトナム)
各国で出版される『まるごと 日本のことばと文化』
日本語能力評価のための試験の実施
日本語能力試験(JLPT)は日本語を母語としない人を対象とした世界最大規模の日本語能力を測る試験で、1984年から実施しています。2020年7月試験は、受験者及び試験実施関係者の安全を第一に考え、日本国内、海外ともに全面中止としました。2020年12月試験は、チュニジア、ドミニカ共和国、トルクメニスタンの3か国、また、カルール(インド)、ペトロパブロフスク・カムチャツキー(ロシア)の2都市が新たに加わり、国内(47都道府県)を含む全世界合計29か国・地域、137都市で実施しました。
アシガバット(トルクメニスタン)での日本語能力試験(JLPT)実施
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)ロゴ
新たな外国人材受け入れのための日本語教育事業
日本での生活・就労を目指す人々の日本語能力習得を支援する取り組みを、中国、モンゴル、インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ネパールで実施しました。2019年度に開発した日本語ウェブ教材『いろどり 生活の日本語』は、2020年度は国内外から約252万件のアクセスを得ました。また、「入門」を5か国語に、「初級1・2」を7か国語に翻訳、無料公開しました。
各国では、日本語専門家と生活日本語コーディネーターが『いろどり』の紹介や『いろどり』を使用しての授業の進め方の研修等を行いました。
日本語ウェブ教材『いろどり 生活の日本語』
プノンペン(カンボジア)において日本語教師向けに『いろどり』の導入研修を行う様子