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国際交流基金の事業

対話[日本研究・知的交流]
海外の日本研究・知的交流

海外において日本に対する理解を深めることを目指して各国の日本研究を支援するほか、国際的な課題の解決に向けて、日本と海外の人々の間の対話や協働の機会を設けたり、人的ネットワークの形成の推進等知的交流事業を実施しています。

新型コロナウイルスの拡大は、日本研究・知的交流分野の交流事業にも大きな影響を及ぼしました。研究者(日本研究フェロー)の来日は、ごく一部を除き実現には至りませんでした。また機関やネットワーク形成への支援においても、人的移動を伴う事業は延期・中止を余儀なくされました。その一方で、この人流往来の空白期間を、普段多忙でなかなか一堂に集まることのできない研究者や知識人のネットワーク再構築のチャンスと捉えて、オンラインのメリットを最大限に活用した事業を展開しました。

ポストコロナ世界における<分断と交流> ~外国人研究者が見たコロナ禍の日本~

日本研究フェローとして海外から招へいした日本研究者が、コロナ禍を日本で過ごした経験から、日本社会が新型コロナウイルス感染拡大をどう受け止め、どのように変化したのかを、各専門分野の視点から論じる動画シリーズを公開しました。動画には、新宿の多様性についての研究者、神保町の古書流通についての研究者、日本の若者のSNS利用についての研究者、オリンピックと都市計画についての研究者等、毎回さまざまな分野の研究者がゲストとして登場し、彼らが間近で見たコロナ禍の日本を紹介しました。

動画シリーズに参加した日本研究フェローの写真

動画シリーズに参加した日本研究フェロー。第1回(左上)から順に、ナサニエル・スミス氏、スーザン・テイラー氏、キンバーリー・ハッセル氏、マーヴィン・スターリング氏、キアラ・パヴォーネ氏、ルイーズ=クレール・ワーグナー氏、ナビゲーターはサヘル・ローズ氏。

次世代日本研究者協働研究ワークショップ オンライン・フォローアップ

2018年度より、アジア地域の主要日本研究機関に所属する大学院生を対象に集中ワークショップを開催しています。2020年度はオンラインで2日間のフォローアップ・ワークショップを開催し、過去の参加学生20人が顔を合わせました。日本・香港・オーストラリアからの講師による講義を通して、所在地や分野にとらわれない多様な協働研究の実践について活発に議論を交わし、最終課題では協働研究の題目発表を行いました。

講師によるラウンドテーブル中の写真

講師によるラウンドテーブル中の様子。学生からも質問が投げかけられ、双方向に議論が行われた。

北京大学現代日本研究センター30周年記念講演会

北京大学現代日本研究センター設立30周年を記念して、2020年12月、オンライン形式の講演会を北京大学と共催しました。猪木武徳氏(大阪大学名誉教授)及び劉徳有氏(元文化部副部長)による記念講演が行われ、中国各界で現在活躍する同センター卒業生のほか、日中双方の歴代教授陣等、あわせて141人が出席しました。センター設立30周年への多くの祝辞や謝辞が寄せられ、貴重なフォローアップの機会となりました。

オンライン講演会に参加した歴代教授陣や卒業生の写真

オンライン講演会に参加した歴代教授陣や卒業生

猪木武徳氏による記念講演「日本研究の意味を改めて考える」の写真

猪木武徳氏による記念講演「日本研究の意味を改めて考える」

劉徳有氏に感謝状を贈る李寒梅氏(中国側主任教授)の写真

劉徳有氏に感謝状を贈る李寒梅氏(中国側主任教授)

日独シンポジウム「クライシス・コミュニケーションの今―日独の視座」

東日本大震災から10年となる2021年春、コロナ禍が世界を席巻する中、危機的状況下における専門家、政府、メディアによるコミュニケーションの在り方について、日本とドイツの専門家が話し合いを行いました。両国の経験や文化背景の違いを共有しつつ、震災やパンデミックにおける対応の比較、フェイクニュース対策、メディアリテラシーの重要性等について、時宜にかなった、未来への示唆に富む活発な議論が行われました。

西浦博氏(京都大学教授)による基調講演の写真

西浦博氏(京都大学教授)による基調講演

日本とドイツの専門家によるオンラインディスカッションの写真

日本とドイツの専門家によるディスカッション