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国際交流基金の事業

2020 海外事務所の取り組み

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの国で都市のロックダウンや、集会・イベント等の制限が行われ、JFの海外事務所も大きな影響を受けました。日本からの渡航が制限される中でも、各国の海外事務所では、工夫と試行錯誤を重ねて日本文化紹介や文化交流の事業に取り組んできました。そうした取り組みの一部をご紹介します。

世界地図。地図上のA~Hまでのリンクをクリックすると、本文の該当する記事にリンクします。 A イタリア B エジプト C インド D タイ E ベトナム F メキシコ G カナダ H ブラジル

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ローマ日本文化会館で展示された横浜写真の写真

(c) Mario Boccia/Istituto Giapponese di Cultura in Roma

A【イタリア】ローマ日本文化会館
横浜写真:明治期の風景・風俗をローマで紹介

2020年10月15日~2021年4月23日

明治初期に日本に滞在したイタリア人写真家アドルフォ・ファルサーリによる「横浜写真」64点と冒険家・写真家としての生涯の展示をイタリア文化会館 東京の協力のもと実施しました。新型コロナウイルスの影響により来場人数は制限せざるを得なかったものの、監修者・小佐野重利氏(東京大学名誉教授)およびR・メネガッツォ氏(ミラノ大学准教授)の講演映像に加え、自主制作による展覧会紹介ビデオをローマ日本文化会館YouTubeチャンネル上で公開し、好評を博しました。
https://www.youtube.com/watch?v=HMFBrbq4AfM 別サイトに移動します

カイロ日本文化センターにおけるオンライン日本語授業の写真

B【エジプト】カイロ日本文化センター
JF×パレスチナ オンライン日本語

2021年1月4日~3月20日

対パレスチナ日本政府代表事務所との共催で、パレスチナ自治区に住む学生ら93人を対象に、3か月間にわたりオンラインで日本語授業を実施しました。
パレスチナ自治区で初めての日本語教育事業であり、カイロからパレスチナに遠隔で日本語授業を提供するという、オンラインならではの試みに新聞等でも注目を集めました。受講者は熱心に日本語の学習に取り組み、皆勤者も多数出る等、今後の継続的な学習者支援の第一歩としての手ごたえを感じました。

ニューデリー日本文化センターによる日印コンテンポラリーダンス共同制作『-scape』の写真

C【インド】ニューデリー日本文化センター
日印コンテンポラリーダンス共同制作『-scape

2021年3月16日

アタカラリ・センター・フォー・ムーヴメント・アーツと共同で、日印二人の振付家、鈴木竜氏とヘマバーラティ・パラーニ氏よるコンテンポラリーダンスの作品を制作しました。当初はインドでの滞在制作を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりかなわず、状況を逆手に取り「実際に会うことなく"デュエット"を踊れるか」という問いを出発点にした作品となり、2021年3月にベンガルール(インド)の劇場で有観客公演を行いました。

バンコク日本文化センターによる国際シンポジウム「文化と外交」の写真

D【タイ】バンコク日本文化センター
国際シンポジウム「文化と外交」

2020年12月16日

実際の会場(バンコク・アート&カルチャー・センター)とオンライン(YouTube)の両方でハイブリッド型のシンポジウムを開催しました。ロナルド・グレーツ氏(ドイツ対外文化交流研究所事務総長)や芝崎厚士氏(駒澤大学教授)ら国際関係に関する有識者が、変化している文化や外交関係に対する洞察を提供し、文化交流の実践者が現場からの気づきを共有しました。最後に専門家と実践者で分断の深まる世界やポストコロナにおける国際文化交流の新たな可能性について議論を交わしました。
https://www.jfbkk.or.th/en/publications/reports-catalogues-en/ 別サイトに移動します(報告書)
https://www.youtube.com/watch?v=5UsKXKCr7wE 別サイトに移動します(動画)

ベトナム日本文化交流センターによる「日本人形」国内巡回展の写真

E【ベトナム】ベトナム日本文化交流センター
所蔵品活用による「日本人形」国内巡回展

2020年7月11日~8月10日(ハノイ)
2021年1月8日~1月27日(ホーチミン市)

コロナ禍により人々の往来が困難になっている状況下でも、日本文化に触れる機会を持てるよう、ベトナム日本文化交流センターの所蔵品を活用して、ハノイとホーチミン市で「日本人形」国内巡回展を実施しました。
累計約6400人が実際に来場して鑑賞し、日本人形の精巧な美しさ、可愛いらしさが人気を呼びました。今後は日本語学習者が増加傾向にある地方都市へも巡回を広げることで、さらに日本への興味や関心を喚起することが期待されています。

メキシコ日本文化センターによるメキシコと日本をつなぐオンライン展「Overworld」の写真

F【メキシコ】メキシコ日本文化センター
メキシコと日本をつなぐオンライン展「Overworld

2020年12月11日〜2022年3月31日

日本とメキシコを拠点とするアーティスト、建築家、イラストレーター、キュレーターら総勢18人が、約4か月にわたってリモートで共同制作を行い、「住まう・働く・食べる・移動する・集う」の五つのテーマを「島」に見立て、さまざまな表現方法でその風景をオンライン上の地図に再構築したオンライン展を開催しました。鑑賞者は、マウス操作を通じてインタラクティブにこの空間を訪れることで、アーティストの心象風景として再構築された日本とメキシコの都市を自由に旅することができる新たな都市体験をすることができました。
https://www.overworld.mx/ja 別サイトに移動します

トロント日本文化センターによる設立30周年記念日本カナダ文学交流の写真

G【カナダ】トロント日本文化センター
センター設立30周年記念日本カナダ文学交流

配信期間:2021年3月30日~5月15日

日本ペンクラブとの共催で、日本カナダ文学交流「日本とカナダの作家が語る―パンデミックによる社会変容と創作への影響-」をYouTubeチャンネルで開催しました。コーディネーターに佐藤アヤ子氏(明治学院大学名誉教授)を迎え、日加の著名な作家(マーガレット・アトウッド氏、キャサリン・ゴヴィエ氏、ヴィンセント・ラム氏、浅田次郎氏、桐野夏生氏、平野啓一郎氏)が参加し、コロナ禍がもたらした社会の変化と今後の創作への影響についてお話を伺いました。

サンパウロ日本文化センターによるMúsica no Castelo「お城から音楽を」の写真

H【ブラジル】サンパウロ日本文化センター
Música no Castelo「お城から音楽を」

2020年8月15日~12月20日

ブラジルと日本の演奏家による「お城から音楽を」と題する全10回のソロコンサートシリーズの配信事業を行いました。ウイルスという見えない敵から身を守るために人々が自宅に留まる状況を、象徴的に「お城」と見立て、各演奏家が、それぞれのお城(=自宅)から世界に向け、ネットを通じて自らの芸術性を表現するとともに、希望と平和のメッセージを配信することを目指しました。演奏動画や解説は、ポルトガル語、スペイン語、英語、日本語の4か国語で提供しました。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLlVXpi0uzJFaM-p9y8bgoqnFE4BtHV9LQ 別サイトに移動します