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国際交流基金の事業

文化[文化芸術交流]
日本の豊かな文化芸術を海外へ紹介

伝統芸能から現代アートまで幅広く、舞台公演、展覧会、翻訳出版、映画、テレビ等さまざまな形で魅力的な事業を行い、豊かな日本の文化芸術を世界に向けて紹介します。人と人が顔を合わせて交流することも、人が集う催しを行うことも難しいコロナ禍が続く中、感染対策を講じながら、できる限り事業の実現を追求しました。また同時に、オンライン等を活用し、より広い層に日本の文化と芸術を届け、各国の人々との交流を深めることにも努めました。

コロナ禍中、大型展覧会を実現

「集団と個の狭間で―1950年代から60年代の日本の前衛美術」展の写真

「集団と個の狭間で―1950年代から60年代の日本の前衛美術」展 ザヘンタ国立美術館(ワルシャワ)2021年photo: Jakub Celej / Zachęta Archive, CC BY-SA. 40 International

ポーランドで初めて日本の戦後前衛美術をまとまった形で紹介した「集団と個の狭間で―1950年代から60年代の日本前衛美術」展は、事業の実施が難しい時期にもかかわらず、2度の延期を経て開催にこぎつけ、4万人近い来場者がありました。共催したザヘンタ国立美術館のキュレーター、マリア・ブレヴィンスカ氏の2019年度「石橋財団・国際交流基金日本美術リサーチフェローシップ」による来日調査の成果が、展覧会として実を結びました。このほか、コロナ禍後初のヴェネチア・ビエンナーレ(第17回建築展)で17万人を超える来場者を得た日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」と、日独交流160周年記念「Rimpa feat. Manga」展も開催しました。

舞台芸術国際共同制作

「8つの国際共同制作を振り返る-オンライン座談会-~プロセスオブザーバーの視点から~」の写真

「8つの国際共同制作を振り返る-オンライン座談会-
~プロセスオブザーバーの視点から~」(2022年2月)
撮影:桧原勇太

前年度に新設した舞台芸術国際共同制作プログラムでは、2021年度事業として、演劇、音楽劇、オンライン劇、ダンス等多様な舞台芸術作品8件の制作に取り組みました。
日本と海外のアーティストが新たな表現を共に模索する「国際共同制作」のプロセスを広く伝え、今後企画される国際的なコラボレーションに役立つよう、第三者がオブザーバーとして各事業の制作過程を記録し、その報告書を一般公開する新しい試みを始めました。オブザーバーによるオンライン座談会では、各プロジェクトに関する考察と国際共同制作のあり方についての議論が行われました。

本を通じた国際交流

2021年度翻訳出版助成図書の一部の写真

2021年度翻訳出版助成図書(一部) 撮影:桧原勇太
東野圭吾『聖女の救済』フィンランド語版(Kustantamo Punainen Silakka)、柏葉幸子『帰命寺横丁の夏』英語版(Restless Books)、三島由紀夫『金閣寺』越語版(Nhã Nam Publishing and Communications)、大江健三郎『取り替え子』葡語版(Estação Liberdade)、柳美里『JR上野駅公園口』伊語版(21lettere)、小酒井不木『死体蝋燭 他』亜語版(Mahrousa Center for Publishing, Press and InformationServices)、小林エリカ『トリニティ、トリニティ、トリニティ』仏語版(Éditions Dalva)、川上未映子『夏物語』インドネシア語版(Moooi Pustaka)、夏目漱石『吾輩は猫である』アルバニア語版(OMBRA GVG)、谷崎潤一郎『細雪』ジョージア語版(Diogene Publishers

日本の図書の海外での翻訳出版への支援を継続しています。2021年度は21か国で30件を助成し、このうち『帰命寺横丁の夏』英語版(著:柏葉幸子、訳:エイブリー・フィッシャー・ウダガワ)は、傑出した翻訳児童書に贈られる全米図書館協会バチェルダー賞を受賞して話題を呼びました。
また、世界各国での翻訳出版につなげるべく、「国際交流基金翻訳推薦図書リスト」に、新たに児童図書セクション“LifelongFavorites”を設け、日本の子どもの本59冊を追加しました。このほか、日本と海外の人気作家のペア3組が、コロナ禍の日常、創作に対する想いを綴り合う文通形式の書き下ろしエッセイを、ウェブサイトで公開。断絶の時代における作家たちの心の交流に、国を越えて共感の声が寄せられました。

世界各地での日本映画上映事業

マレーシア日本映画祭 オープニングセレモニーの写真

マレーシア日本映画祭 オープニングセレモニー

「トルコにおける日本映画祭」会場内の写真

トルコにおける日本映画祭

コロナ禍の影響が引き続き大きい中、47か国・地域において日本映画の上映会を開催し、のべ9万3000人の観客に日本映画を届けました。コロナ禍により長期間にわたり閉鎖されていた映画館で、再開後初の上映会として実施されたプログラムもあり、各国で多数のメディアで取り上げられ、来場者や共催機関からは感謝の声が寄せられました。

シンガポールでの日本映画祭

「シンガポール日本映画祭」会場内の写真

シンガポール日本映画祭会場にて。

山崎純駐シンガポール日本国特命全権大使とケネス・タン シンガポール・フィルム・ソサエティ会長の写真

山崎純駐シンガポール日本国特命全権大使(左)とケネス・タン シンガポール・フィルム・ソサエティ会長(右)

日本・シンガポール外交関係樹立55周年を迎えたシンガポールでは、2020年度に続き、映画館での上映とオンライン配信とを組み合わせたハイブリッド型の「日本映画祭(JFF)」を開催しました。上映終了後に、Zoomを活用し、作品関係者をスクリーンに招いてQ&Aセッションを行ったり、ウェビナー機能を活用してプログラマー・トークやマスタークラスを開催したりと工夫を凝らし、ニューノーマルに対応した新しい映画祭のありようを追求しました。

日本映画発信ウェブサイト「JFF+」

日本映画発信ウェブサイト「JFF+」のトップ画像

日本映画発信ウェブサイト「JFF+」のトップ画像

日本映画発信ウェブサイトJFF+では、「オンライン日本映画祭」での映画や関連イベントの配信に加え、日本映画に関わる特集やインタビュー記事を日本語と英語を中心に多言語で掲載し、さまざまな角度から日本映画の魅力を発信しました。2021年度にウェブサイトを訪問したユニークユーザー数は101万人を超え、ページビュー数は約297万回、サイトのニュースレターの配信登録者数は約12万人に上りました。 https://jff.jpf.go.jp/ja/

テレビ番組紹介

日本のコンテンツが放送・配信されにくい国・地域を対象に、日本理解のきっかけとなるようテレビ番組を紹介する事業を実施。
2021年度はドラマ、アニメ、バラエティ、映画、ドキュメンタリー等、76か国・地域で、のべ489番組が放送されました。

ドラマ『なつぞら』の広瀬すず氏の写真

『なつぞら』

『ハクション大魔王2020』の画像

『ハクション大魔王2020』

『日本のおもてなしに挑戦 ~ドラマ「花嫁のれん」番外編~』の画像

『日本のおもてなしに挑戦 ~ドラマ「花嫁のれん」番外編~』