国際交流基金の事業
言語[海外における日本語教育]
海外の日本語教育環境の整備
コロナ禍によるさまざまな影響を受けつつも、引き続き質の高い日本語教育が広く実施されるよう、次の事業を行い、世界各地の日本語教育環境の整備を進めました。
日本語専門家の海外派遣
海外の大学や教育機関に対し日本語教育の専門家や指導助手(41か国119ポスト)が、オンラインも活用しながら現地日本語教師への研修、教材作成・日本語教授法等の助言、教師間ネットワーク形成支援、教育機関への巡回指導等を実施し、コロナ禍により生じた課題やニーズに対応した支援に努めました。
ハンガリー最大級のアニメ・漫画・ゲームの祭典「MondoCon」の特設ステージにてブダペスト日本文化センターが日本語ミニレッスンを実施
パレスチナの日本語学習者を対象に、カイロ日本文化センターがオンラインにて日本語学習機会を提供
日本語教育機関支援
長引くコロナ禍に対応しつつ教育活動に尽力する世界各国の日本語教育機関に対して、電子書籍購入を含むオンラインでの事業展開も積極的に支援する助成を行いました。
また、各国の中核的日本語教育機関・団体である「JF にほんごネットワーク」(さくらネットワーク)について、新たなメンバーを迎えて102か国・地域の357機関に拡大し、特別助成を実施しました。
第36回カラチ日本語弁論大会(パキスタン)
小中学校での日本語・文化学習発表イベント(ケニア)
海外の日本語教師に対する研修
日本語国際センターが実施した特定技能制度による来日希望者のための日本語教授法研修
新たな公募プログラムとして、海外の日本語教師を対象に複数テーマを設定してオンライン研修を開始し、前年度に試行したオンデマンド教材も活用して、教授法の理論や指導のための基礎知識を学ぶ機会を提供しました。また、特定技能制度による来日希望者に対して日本語教育を行っている機関・団体の日本語教師を招へいし、生活や就労のために必要な日本語の教授能力向上を目的に研修を行いました。
海外の日本語学習者に対する取り組み
関西国際センターが実施したバーチャル日本ツアー
訪日が難しい状況が続く中でも学習意欲を維持してもらうため、各国・地域の日本語学習者へ向けて、さまざまな日本語学習機会を提供しました。海外事務所では日本語講座をはじめとして弁論大会や日本文化体験のワークショップ、関西国際センターではオンライン関西弁講座やバーチャル日本ツアーに加えて、周辺地域の協力を得てオンラインでの一般家庭へのホームビジットも行いました。
海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育
BMCN年次大会 海外継承日本語教育オンライン・フォーラム
海外に移住した邦人の子孫、外国人と日本人を両親に持つ子どもに対する日本語教育について、バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN)の年次大会の一部を共催しました。また、同分野の課題等に関するアンケート調査を行い、その結果に基づき、海外の継承日本語教育団体に対して幼児番組DVDや日本児童図書を提供しました。カナダ、韓国、豪州、シンガポール、ドイツ、ブラジル、メキシコでもセミナー等の実施やネットワーク構築に努めました。