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国際交流基金の事業

言語[海外における日本語教育]
海外における日本語教授法及び日本語学習者の能力評価の充実

日本語普及のため、新たな教授法や学習素材を提供するとともに、日本語学習者のための日本語能力試験(JLPT)に加え、外国人材受入れのための国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)を行いました。

日本語教授法に関する情報発信と学習素材の提供

2021年度に出版した『まるごと』「初級1」(中国版)の写真2021年度に出版した『まるごと』 「中級2」(ベトナム版)の写真

2021年度に出版した『まるごと』 左:「初級1」(中国版)右:「中級2」(ベトナム版)

JF日本語教育スタンダード」は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の考え方に基づいてJFが開発した、日本語の学び方、教え方、評価の仕方を考えるための枠組みです。その準拠教材として、『まるごと 日本のことばと文化』について中国・ベトナムで新たなレベルの現地出版、「まるごとサイト」で提供するサポート教材の多言語化を、『いろどり 生活の日本語』についてコンテンツの拡充を、それぞれ進めました。また、日本語学習を通じて日本の社会・文化を紹介するテレビ番組『ひきだすにほんご Activate Your Japanese!』をNHKエデュケーショナルと共同で制作しました。

eラーニングの開発・運営

ブダペスト日本文化センター制作 ハンガリー語話者対象 みなと「できるA1」自習コースの画像

ブダペスト日本文化センター制作 ハンガリー語話者対象 みなと「できるA1」自習コース

オンライン教育に対する需要は引き続き高く、日本語学習プラットフォーム「JFにほんごeラーニング みなと」の総登録者数は199か国・地域の29万2400人と、前年度から7万人近く増加しました。また、「いろどり日本語オンラインコース」を開発したほか、看護・介護のための日本語学習サイト「日本語でケアナビ」に感染症関連語彙を追加する等、既存コンテンツの拡充にも努めました。

看護・介護の用語を集めた日本語学習サイト
「日本語でケアナビ」の画像

看護・介護の用語を集めた日本語学習サイト 「日本語でケアナビ」

日本語能力評価のための試験の実施

2021年度より新規に実施されたラウトカ(フィジー)での日本語能力試験(JLPT)の写真

2021年度より新規に実施されたラウトカ(フィジー)での日本語能力試験(JLPT)

日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人の日本語能力を測る世界最大規模の試験で、1984年から実施しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けながらも、2021年7月試験では新規にパプアニューギニア及びメリダ(メキシコ)で実施し、国内47都道府県、海外25か国93都市で38万7371人が応募、 33万5915人が受験しました。12月試験はラウトカ(フィジー)で新規に実施し、国内47都道府県、海外68か国175都市で42万210人が応募、 34万8992人が受験しました。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) 国内向け広報物の画像

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) 国内向け広報物

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、主に就労のために来日する外国人が遭遇する、生活場面でのコミュニケーションに必要な日本語能力の測定を目的としたコンピューターテストで、2019年に開始しました。2021年度は新たにインド、スリランカ、ウズベキスタンでテストを開始し、アジアの9か国16都市及び日本国内で3万596人(前年度1万7582人)が受験しました。

新たな外国人材受入れのための日本語教育事業

「いろどり日本語オンラインコース」の画像

ウェブ教材『いろどり 生活の日本語』をもとに開発した「いろどり日本語オンラインコース」

上記JFT-Basicを実施した以外にも、日本での生活・就労を目指す人々の日本語能力習得を支援する取り組みを9か国(中国・モンゴル・インドネシア・カンボジア・タイ・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・ネパール)で実施しました。ウェブ教材『いろどり 生活の日本語』は新たに4言語を加え計13言語となり、年間約219万件のアクセスがありました。また、同教材をもとに開発した「いろどり日本語オンラインコース」では、約5万4000人がユーザー登録をしました。各国では、日本語専門家と生活日本語コーディネーターが『いろどり』の紹介や『いろどり』教授法セミナー等を行いました。

タイの生活日本語コーディネーターによるJFT-Basicの紹介の写真

生活日本語コーディネーターによるJFT-Basicの紹介(タイ)