永田 由利子

オーストラリア
元 クィーンズランド大学言語文化研究学科
永田 由利子
NAGATA, Yuriko

私は1982年からオーストラリアで日本語教育に携わり、2013年定年で日本語教育の現場を離れました。その30年は、オーストラリアにおける日本語教育の発展過程と期を同じくしたと言っていいでしょう。初期は、オーストラリアの現状に合った教材も少なく、自転車操業で教材つくりに明け暮れた一日一日が今でも鮮明に思い出されます。幸運にも2000年に教材開発のフェローシップをいただき、それまで試行錯誤していた念願の「生の日本語」を使い、ステレオタイプから脱却した「日本」を捉えた素材の開発を手掛けることができたのです。フェローシップがなかったらこの教材は生まれなかったと思います。この教材を使ったクラスの学生のマイルズさんは、現在日本で留学中ですが、「Voices from Japanは6年前受けた授業の教科書でしたが、未だに印象に残っている教材です。他の教科書と異なり、日本人同士の会話といった生の日本語なので、授業で学んだ単語を実際にどんな場面で使えばいいかすぐわかりました。また、教材の内容も大学生の僕の興味に合ったので興味深くて、楽しく勉強できました。最初に日本語や日本の文化に興味を持たせた教科書の一つでした」と評価してくれ、嬉しく思いました。

参加した研修:2001年度日本語教育フェローシップ

永田先生の写真

永田由利子
クイーンズランド大学言語文化研究学科(当時)
日本語教師
開発教材名:『Voices from Japan:ありのままの日本を知る・語る』くろしお出版 2009年

永田 由利子【PDF:211KB】