日本語国際センターについて

第17回海外日本語教育研究会 報告

2012年3月3日(土)に、第17回海外日本語教育研究会「JF日本語教育スタンダード準拠教材『まるごと 日本のことばと文化』−その理念と概要−」が、100名以上の参加者を得て、日本語国際センターのホールで開催されました。一昨年の「JF日本語教育スタンダード−その活用と可能性−」、昨年の「Can-doに基づいた授業の組み立て−JF日本語教育スタンダードを利用して−」に続き、本研究会でJF日本語教育スタンダードに関連するテーマを取り上げるのは今回で3回目となります。

始めに安藤敏毅(国際交流基金日本語事業部長)が国際交流基金(以下、基金)の日本語事業を①日本語普及事業概観、②海外の日本語学習・教育環境の変化、③日本語普及に関する政策提言、④日本語普及事業の基本方針とそれに応じた事業の実施の順で話し、『まるごと日本のことばと文化』(以下、『まるごと』)の制作背景とその特徴を基金の日本語普及事業という大きな枠組みの中で明らかにしました。

続いて、『まるごと』制作担当の来嶋洋美、八田直美、柴原智代の3名の専任講師が、①『まるごと』の開発理念と開発の枠組み、②『まるごと』を使った教え方と海外の教室での試用、③『まるごと』における異文化理解、④『まるごと』を使用した学習者や教師の声を柱に話を進めました。
『まるごと』がどのような考え方に基づいて作られ、どのような内容になっているのかを具体的に理解していただくために、ハンドアウトの他に『まるごと』入門(A1)試用版の活動編、理解編、語彙帳のサンプルを用意し、それを見ながら話が聞けるようにしました。また、北京、クアラルンプール、マドリードの各基金日本文化センターで『まるごと』を使用して行われている授業風景や口頭試験の様子も紹介しました。

休憩を挟んでの質疑応答では、「『まるごと』の出版の予定はどのようになっているか」、「『まるごと』と日本語能力試験との関係」、「非母語話者教師が『まるごと』を使って教える場合の配慮」、「どのような基準で9つのトピックを設定したのか」などの質問を受け、より踏み込んだ説明がなされました。質問の内容から参加者の関心の高さを窺うことができました。

終了後のアンケートでは、「『まるごと』のもとになった理念と具体的な内容が詳しい説明とサンプル版でよくわかった」、「教材のサンプルや実際の授業風景なども紹介され、具体的なイメージが把握できた」、「JFスタンダードに基づいたコースや教材がどのようなものかよくわかった」などの声が寄せられました。

なお、当日は、図書館を開放し、JF日本語教育スタンダードやCEFRに関連する資料を展示しました。

日本語事業部長の挨拶と講演の写真

日本語事業部長の挨拶と講演

『まるごと』作成担当講師による講演の写真

『まるごと』作成担当講師による講演

研究会の写真3

『まるごと』入門(A1)・初級1(A2)試用版

『まるごと』を見ながら講演を聞く参加者の写真

『まるごと』を見ながら講演を聞く参加者

当日のプログラムと資料

13:00
開会(あいさつ、趣旨説明)
13:10-13:30
「海外における日本語教育の状況と国際交流基金の日本語事業展開−研究会テーマの意義との関連で−」
安藤敏毅(国際交流基金日本語事業部長)
13:30-15:15
「『まるごと 日本のことばと文化』−その理念と概要−」
来嶋洋美・八田直美・柴原智代(国際交流基金日本語国際センター専任講師)
15:15-15:30
休憩
15:30-15:50
質疑応答
15:50-16:00
閉会
参加者との質疑応答の写真

参加者との質疑応答

図書館での資料展示の写真

図書館での資料展示

当日配布した資料はこちら 【ZIP:1,595KB】からダウンロードできます。
また、本教材の開発については『国際交流基金日本語教育紀要』 8号「JF日本語教育スタンダード準拠コースブックの開発」に詳しく書かれています。