平成29年度 海外日本語教師短期研修(夏期) 参加者の声

参加者の声

(修了式・歓送会での、ご本人による日本語のスピーチから一部を抜粋しました)

修了式の写真
修了式(モンゴル、台湾、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、インド、ネパール、バングラデシュ、米国、ジャマイカ、パナマ、アルゼンチン、ペルー、アイルランド、アルバニア、ウズベキスタン、キルギス、ハンガリー、ポーランド、ロシア、トルコの24か国・地域から40名が参加)

研修参加者代表
レコさん(ディダ レコ/DIDA REKO/アルバニア/ティラナ工芸大学)

レコさんの写真 6月27日に2017度海外日本語教師短期研修に参加するため、24か国40名の日本語の先生が、研修参加者として、この日本語国際センターに参りました。 その時から私たちがセンターで過ごした時間を数えるのは簡単ですが、私たちが学んだこと、私たちが取得したスキル、私たちが共有した友情と経験を数字に置きかえることはできません。日本語教師として、私たちの実力はたしかに向上しました。これらはすべて、国際交流基金が各国の希望をすくいあげ、必要性を理解、支援し、ここに招待してくれたために可能となりました。 研修ではセンターにいらっしゃるたくさんの講師の先生方にお世話になりました。私たちは先生方の努力に、情熱で応えました。日本語を、ただの外国語としてではなく、私たちの国の学生たちに喜びと未来への可能性を与える象徴とするために、力いっぱい教授法を学びました。 今であれば、研修参加者の皆さんは、JF スタンダードの木や Can-doARCS モデル、ディクトグロス、シャドーウィング、ワークショップ、ポートフォリオ等のキーワードを聞けば、その意味を理解できるでしょう。これらの教授法は、学生が勉強する時間をより楽しく、より面白く、より多くを学べるようにするためにあります。 さらに、言語を学ぶには、文化も必要です。日本に滞在した間に、書道や歌舞伎鑑賞、夏祭りワークショップの盆踊り、茶道、ゆかた着付け、落語、朗読体験、ホームステイ、プロジェクトワーク等の充実した文化に触れ合うことができました。私たちに、これらの文化を教えてくださった皆さまに心より感謝いたします。 最後に、滞在中にセンターの講師とスタッフの皆さんには、大変お世話になりました。皆さまの絶え間ない努力のお陰で、私たちは教師として成長することができました。これからは学んだことを応用して、自分のものにしていきたいと思います。 言葉では不十分ですが、国際交流基金への感謝の気持ちを申し上げます。ありがとうございました。


1クラス
ロパさん(マレーク ロパ ムドラー/MALEK LOPA MUDRA/バングラデシュ/ダッカ大学日本研究センター)

ロパさんの写真 私たちは約2か月、海外日本語教師短期研修に参加しました。この2か月はあっという間に過ぎました。今、日本語国際センターの先生とスタッフ、研修参加者の皆さんと別れるときが来て、寂しく感じています。 1クラスのメンバーは全部で9人、それぞれ、インドネシア、ロシア、アイルランドとバングラデシュから来た日本語の先生たちでした。さまざまな文化から来ているので、教え方もさまざまでした。でも、1クラスは皆、こんなに素晴らしい友達になって、授業も毎日どんどん面白くなりました。 例えば、インドネシアの先生たちが「アメを食べたい」と言ったことがあります。それを聞いた時、「雨をどうやって食べるのかな」と私は思いました。インドネシアの先生達が持つ「アメ」のイメージは、甘い食べ物の「飴」で、私の頭にあるイメージは、降る「雨」でした。だから、それを聞いて、私は少しびっくりしました。世界のいろいろな国から来たので、言葉へのイメージもそれぞれが違っていて、最初は話が分かりにくいところもありましたが、その間違いも面白かったです。 授業がはじまった当初は、日本語の発音は、あまり良くなかったと思います。でも、毎日、センターの先生たちに教えてもらったので、私たちの日本語もだんだん良くなりました。例えば、総合日本語の授業で作ったポートフォリオや、文法の授業で教えてもらったディクトグロスは、とても役に立ったと思います。最初は話すことに自信がなかったけれど、今は間違いがあっても、話したいという気持ちが強くあります。 この研修期間中、センターの先生たちの教え方だけでなく、いろいろな国から来た研修参加者の教え方を聞いて、自分の教え方の考えが変わりました。例えば、教授法発表会で、私はひらがなの活動を考えましたが、他の研修参加者も、私と違う角度から発表をしていました。それらの発表はとても面白かったです。自分の国へ帰ったら、私も授業で他の研修参加者の活動を取り入れてみたいです。 この2か月で、さまざまな日本の文化も体験しました。そして異文化についても、よく考えました。私にとって印象的だったのは、朗読のクラスで聞いた「大きな木」という話です。この話は、一本の大きな木が、子供がおじいさんになるまで、果物や枝など、ずっと自分のものを与え続ける話です。この話を聞いたとき、教師と学生や、両親と子供の関係を考えました。そして、この関係は、世界中で似たものがあると考えました。私も大きな木のように、学生にしてあげられることは、全部したいです。 最後に、帰国したあとも、センターの先生や研修参加者の皆さんと連絡し続けたいです。皆さんのことは、いつまでも忘れません。皆さん、いつかチャンスがあったら、このセンターに来て、ぜひまた会いましょう。ありがとうございました。


2クラス
ケイさん(ピアグリン スィリンヤー/PIAKLIN SIRINYA/タイ/タクシン大学)

ケイさんの写真 2か月間、夏の短期研修に参加させていただき、本当に感謝しております。 研修期間中、2クラスでは、日本語のコミュニケーション能力をレベルアップするための「総合日本語」の授業、また、文法の理解を深めるための「文法」の授業を楽しく、いつも大笑いしながら勉強しました。センターの先生方は、私たちの日本語を上達させるため、何回間違えても、優しく指導してくださり、本当にありがとうございました。 特に、自分たちの教え方を振り返り、改善する「教授法」の授業では、色々なことを学んで、勉強になりました。私たちが担当している学生は初級レベルなので、学生のやる気をアップするために、とても参考になりました。具体的な教室活動も学ぶことができました。帰国後、学んだ活動をぜひ実践したいです。 また、日本文化体験や異文化理解能力を向上させる活動も、印象に強く残りました。例えば、書道ワークショップや、国立劇場で歌舞伎を見に行ったこと、夏祭りワークショップもとても楽しかったです。他にも、「タバコを吸ってもいいですか?すいません。」「えっ、吸わないの?」といった面白いやり取りをした落語のワークショップなど、一つひとつの活動が、本当に良い経験になりました。この経験を自分たちの生徒に伝えようと思います。 最初、2か月は長いと思いましたが、あっという間に時間が過ぎていきました。もうすぐ帰国しますが、夏の短期研修プログラムのこと、センターの先生方、2クラス、そして研修参加者の皆さんのことは、一生忘れられません。 最後に2クラスを代表して、センターの先生方とスタッフの皆さま、2か月間、大変お世話になり、どうもありがとうございました。


3クラス
ガビさん(オキョネロ ガブリエラ ヴェロニカ/OCCHIONERO GABRIELA VERONICA/アルゼンチン/語学大学センター)

ガビさんの写真 短期研修に参加する機会を与えて頂いて、心から感謝しています。 私たちのクラスは、10か国11人、全員女性のクラスでした。この中には、初めて日本に来る方もいれば、私のように何回も来日している方もいます。 この2か月で、たくさんの出来事があったと思います。日本語や教授法の勉強だけではなく、異文化をつなぐためにお互い様々な活動をしてきました。3クラスは女性だけのクラスなので、先生方はうまくいくか、最初は少し心配していたようですが、結果的に、皆とても仲良くなりました。私たちは一人ひとり、自分の国や民族を紹介して、習慣や考え方など、色々なテーマについて深く話し合うことができました。これは、私たちの宝ものになったと思います。他のクラスの研修参加者も同じだったと思います。 授業の中では、様々なテーマで学びました。一つ例を挙げると、日本の最新事情として習ったコンビニです。私たち外国人にとって、コンビニはとても便利な店です。自分の国にも、日本のコンビニのような店がほしいと思います。授業では、日本のコンビニができたきっかけや、誰が作ったか、またどんな苦労があったか、そして、どのように右肩上がりで成長したかを学びました。これからも、どう成長していくのか楽しみです。私も、コンビニと同じ年齢ですので、どのようにこれから成長していくのかを楽しみにしていて下さい。 今回、このプログラムに参加することは、自分のためだけではありません。学校や大学の代表として、自分の生徒たちのために、日本語の力や日本文化を理解する窓口に、私たち一人ひとりがなり、このネットワークを世界中に広げたいと思います。 国に帰ったら、日本のことやこのセンターで会った様々な国の研修参加者を思い出しながら、自分にしかできないことをやっていくつもりです。 これからも私たちの使命は、異文化をつなぐ架け橋となることだと思います。 最後になりますが、センターのスタッフの皆さん、先生方、お世話になりました。心からお礼を申しあげます。帰国しても、よろしくお願いします。


4クラス
レズキさん(レズキ ファジュリアンヌール/REZKI FAJRIANNOOR/インドネシア/ジャカルタ日本文化センター(EPA特別枠))

レズキさんの写真 2017年8月7日、総合日本語の最後の授業で、4クラス全員で谷川俊太郎の「生きる」という詩を読みました。心の奥まで深く響く素敵な作品です。その時、読み終わった私は何も言わずに、窓から空を眺めました。「皆さんと一緒にいる時間は、こんなに短かったなぁ」と心の中で呟きました。2か月は本当に短い間でしたが、この研修に参加させていただいて、皆さんと出会って、本当に良かったです。 砂川所長をはじめ、センターの先生方、それから、この研修を最後の最後までサポートしてくださった皆さまのおかげで、貴重な経験ができました。本当に心から感謝を申し上げます。 はじめて4クラスに入ったとき、同じ国から来た人は一人もいないことを知り、様々な文化や考え方を持っている人たちと仲良くできるか、とても不安でした。しかし、この2か月でいろいろな事を一緒に行い、助け合ったり、お互いに応援したことで、問題を乗り越えました。全員が仲良くなって、やがて、笑顔や冗談たっぷりのクラスになりました。 この2か月で、日本文化に関する様々なテーマを扱う「総合日本語」の授業や、新しいアイデアや方法が豊富な「教授法」の授業、日本語を深く分析する「文法」の授業、日本文化体験などの充実したプログラムに参加したおかげで、自分の日本語のレベルが向上したと感じています。 そして、授業だけではなく、ほかのクラスの参加者や日本人の大学生と一緒にプロジェクトワークや発表などもして、他人の意見を尊重したり、受け入れたり、自分の思ったことを相手に伝えたりすることが、すごく大事だと自ら感じました。また、経済連携協定(EPA)の日本語研修に関する特別枠の参加者である私たちは、日本の介護福祉の施設などを見学させていただいて、本当に貴重なチャンスをいただきました。これからは、センターで学んだことを生かして、より良い授業をアレンジするために、いろいろなことを参考にして取り入れたいと思います。 来週からはそれぞれ国に帰って、皆がバラバラになります。しかし、バラバラになっても、この大好きなセンターで一緒に作った思い出を一つも忘れないでください。「一期一会」、人と人との出会いは一度限りで、大切なものだという言葉のように、これからも結んできた絆で、皆とのコミュニケーションを大切にし、お互いにサポートし合って、より素晴らしい日本語教師を目指していきましょう。

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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