カルコン美術対話委員会最終報告書【PDF:2.07MB】 / Arts Dialogue Committee Final Report 2020 【PDF:1.93MB】
目次:前書、背景、成果、ADCの未来、提言、結論
伝統的日本美術から近現代美術に至る日本の芸術交流を深化させる今後の方策を検討し、双方に有益な学芸員の協力と交流の枠組みを築くこと。
(1)2009年3月NYで開催された国際交流基金とジャパン・ソサエティの共催シンポジウム「Japanese Art in America:Building the Next Generation」において、日米間の美術交流(特に伝統的日本美術の交流)の促進をはかることの重要性が提起された。このフォローアップとして2010年3月には、国際交流基金の主催、文化庁の協力により、フォーラム『舞台芸術と美術:日米ネットワーク発展に向けて』が東京で開催され、両国の専門家による意見交換を通して、対話を継続していくためのプラットフォームの必要性が再確認された。
(2)2010年6月に開催された第24回カルコン合同会議の共同声明【PDF:124KB】において、「伝統的日本美術から近現代美術に至る日本の芸術交流を深化させるための今後の方策を検討し、双方に有益な学芸員の協力と交流の枠組みを築くために専門家のワーキンググループを設立する」と提言がなされ、美術対話委員会(ADC)が設立された。
ADCは美術専門家の間でより効果的・効率的に情報を共有し、日本美術へのアクセスの幅を広げるための議論の場となっており、日米関係が継続的に発展をしていくための重要な課題に関する意識啓発と提言を行ってきた。具体的には、設立当初からの戦略的・包括的目標設定の結果、主に(1)次世代の育成、(2)協働の促進、(3)リソースの向上、(4)広報の促進の4分野で、目に見える形で日米の美術界に貢献してきた。
ADCの目標 | 提言内容 | 達成状況 |
---|---|---|
次世代の育成 | 第12回日本美術史に関する国際大学院生会議(JAWS)の計画を支援し、将来の資金調達及び実施を働きかける。 | 進行中 |
協働の促進 | 東京国立博物館が実施する第5回(2019年)及び第6回(2020年)学芸員交流・シンポジウムの計画を支援し、将来の資金調達及び実施を働きかける。 | 達成 |
2019年にカルコンADCの会合を、北米・欧州ミュージアム日本専門家連携・交流事業と連携して開催する。 | 達成 | |
国際交流基金の日米学芸員交流など他の学芸員交流及び美術専門家プログラムの資金調達・実施の継続を働きかける。 | 達成 | |
2019年のICOM京都大会で日本美術に関する公開セッションを企画・運営する。 | 達成 | |
ADCをICOMに関連した団体として、常設の「活動拠点」を実現する提案を行う。 | 検討中 | |
リソースの向上 | International Network for Japanese Art(INJA)のウェブサイトを立ち上げる。 日米アートアーカイブに関するバイリンガル・ウェブサイト 「International Network of Japanese Art (INJA)」 国際日本美術ネットワーク (JA) International Network for Japanese Art (EN) |
達成 |
ADC共同議長による公式声明、会議の場での発表、カルコン合同会議共同声明などを通し、日本美術界及び一般の人々にリソースを宣伝する。 | 達成 | |
日米における美術専門家データベースの登録及び活用を働きかける。 | 達成 | |
INJAプロジェクトに対する長期資金調達を模索する。 | 検討中 | |
広報の促進 | Arts Japan 2020及び新進研究者のSpotlightシリーズのようなパブリック・アウトリーチプログラムの継続・拡大について支援する。 | 達成 |