JFT-Basicとは
1. テストの目的
国際交流基金日本語基礎テスト(Japan Foundation Test for Basic Japanese, 略称:JFT-Basic)は、主として就労のために来日する外国人が遭遇する生活場面でのコミュニケーションに必要な日本語能力を測定し、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」※があるかどうかを判定することを目的としています。このテストは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR:Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)および、CEFRに沿って国際交流基金が「相互理解のための日本語」を理念とする日本語教育のための枠組みとして開発した「JF日本語教育スタンダード」(JFスタンダード)の考えに基づき、「日本語で何がどれだけできるか」を測ります。
JFT-Basicは、2019年4月1日から開始された在留資格「特定技能1号」を得るために必要な日本語能力水準を測るテストとしても活用されています。特定技能制度についての情報は、こちらをご覧ください。
※平成30年12月25日閣議決定「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」並びに平成31年2月法務省入国管理局「特定技能にかかる試験の方針について」により規定される
2. テストの対象
このテストは、日本語を母語としない外国人を対象とします。その中でも、主として就労のために来日する外国人を対象としています。
3. テストの形式
このテストは、コンピューター・ベースト・テスティング(CBT: Computer Based Testing)方式により行われます。各国のテスト会場でコンピューターを使用して出題、解答します。ブースで、コンピューターの画面に表示される問題やヘッドフォンに流れる音声をもとに、画面上で解答します。
コンピューター画面の中央のエリアにテストの問題、および選択枝が表示されます。また、画面の周辺にはセクション名、テスト名、残り時間や解答状況などが表示されます。
このテストでは、設問は英語で表示されています。Your Languageボタンをクリックすると、現地語*で設問を読むことができます。**
設問を読み、状況や場面を把握して問題に解答します。聴解では、再生ボタンを押すと音声が再生され、2回まで聞くことができます。解答する際は、選択枝をクリックしてください。選択した選択枝の色が変わります。
*現地語とは以下のとおり。
Your Language 1:英語、中国語、インドネシア語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、タイ語、ベトナム語
Your Language 2:ウズベク語、ベンガル語、ラオス語、マレー語
**コンピューターの画面サイズによっては、問題画面と、設問の現地語ポップアップが横に並んで表示されます。
- 関連情報
- テスト画面の実際の操作について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
4. テストの構成
このテストは、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成されています。このテストの構成と各問題のねらいは、表1の通りです。
表1 テストの構成とねらい
セクション | セクションのねらい | カテゴリー | カテゴリーのねらい |
---|---|---|---|
文字と語彙(約12問) | 生活場面で使用される日本語の文字が読めるか、基本的な語彙を持ち、使えるかを測る。 | 語の意味 | 語の意味を問う。 |
語の用法 | 語の用法を問う。 | ||
漢字の読み | 漢字で書かれた語の読み方をひらがなで問う。 | ||
漢字の意味と用法 | 漢字で書かれた語の意味と用法を問う。 | ||
会話と表現(約12問) | 生活場面の会話に必要な文法や表現を使えるかを測る。 | 文法 | 会話の文脈に合った適切な文法が使えるかを問う。 |
表現 | 会話の文脈に合った適切な表現が使えるかを問う。 | ||
聴解(約12問) | 生活場面において、会話や指示などを聞いて、理解できるかを測る。 | 内容理解(社交的なやりとり) | 情報交換や社交的なやりとりを聞いて、内容を理解できるかを問う。 |
内容理解(店や公共機関でのやりとり) | 店や公共機関でのやりとりを聞いて、内容を理解できるかを問う。 | ||
内容理解(指示、アナウンス) | 指示やアナウンス、音声メディア等を聞いて、内容を理解できるかを問う。 | ||
読解(約12問) | 生活場面において、手紙や掲示、説明などを読んで、理解できるかを測る。 | 内容理解 | 手紙やメッセージなどの短い簡単なテクストを読んで、内容を理解できるかを問う。 |
情報検索 | 日常の看板や掲示、資料などから必要な情報を探し出せるかを問う。 |
約50問が出題され、受験時間は60分間です。セクションごとの解答制限時間はありません。同じセクション内であれば、いつでも見直し、再解答することができます。ただし、次のセクションに移動してしまうと、前のセクションに戻って解答することはできません。また、聴解セクションでは、前後の問題に移動して、見直し、再解答することはできません。
5. レベルの目安
A2レベルの一定程度の日本語能力を持っているかどうかを判定します
総合得点が判定基準点(250満点中200点)以上のとき、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力」(A2レベル)があると判定されます。このテストにレベル区分はありません。
このテストでは、CEFR、JFスタンダードのA1-A2レベルのCan-doに基づいた問題が出題され、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションから総合的に日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を測定します。A2レベルの目安は、表2の中段にあたります。
レベル | レベルの目安 |
---|---|
B1 |
|
A2 |
|
A1 |
|
6. テスト結果の通知
テスト結果は、以下のとおり受験者に通知されます。
- テスト当日
- テスト終了時の画面に総合得点と判定結果が表示されます。
- 受験後5営業日以内
- 予約ウェブサイトにログインすると、正式な判定結果通知書が表示され、印刷できるようになります。
判定結果通知書では、総合得点と、それに基づく判定結果がわかります。総合得点は正答数そのままの素点ではなく、等化と呼ばれる統計処理によって算出された尺度得点で表示されます。総合得点の得点範囲は10~250点です。総合得点が判定基準点(200点)以上のとき、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準に達している」と判定されます。また、参考情報として、セクションごとの正答率が表示されます。
判定結果通知書2ページ目では、日本語能力水準の考え方を説明しています。内容については、「5.レベルの目安」をご覧ください。
7. テスト説明資料
上記までの内容をまとめた、JFT-Basicの概要を知っていただくためのスライド形式の資料です(日本語)。ご自由にダウンロードし、ご利用ください。