国際交流基金賞50周年記念 黒沼 ユリ子さんからのメッセージ

黒沼 ユリ子さんの写真

平成4(1992)年度 国際交流奨励賞

ヴァイオリニスト、元 アカデミア・ユリコ・クロヌマ校長

黒沼 ユリ子

[日本 / メキシコ]

国際交流基金賞50周年記念へのメッセージ

「国際交流基金賞」の授与が始まって今年で50周年とのこと、おめでとうございます。「国際交流」のために日本政府が「基金」を設けたという事実は疑いもなく「おめでたい」ことでもあるからです。

そもそも「国際交流」という言葉が普通に使われる様になってから、一体、何年ぐらいになるのでしょうか?無論それは「第2次世界大戦後」からだろうとは思いますが、「国際」という2文字が今日ほど巷に溢れる様になったのは、それほど昔のことではないようにも思います。小学生たちが、この「国際」という語を学校でどの様に習っているかを知りたいです。何故なら、この地球上には独自の言語と文化芸術を持つ「民族」が「国」の数よりも遥かに多く存在するからです。よって「国際」と並んで「民際」という「語」も共存させるべきではないでしょうか?

「人類」は当然、誰もが「平和な暮らし」を希求していることに疑う余地はありませんが、それを実現するための「一つの鍵」となる重要な言葉があります。それは、羊飼い少年から祖国の大統領にまでなったメキシコ人、ベニート・フアレスの残した次の一節です。
『他人の権利を尊重すること。それ即ち平和なり』
つまり世界中の人々が平和共存するために不可欠な「他人の権利を知り、それを尊重する」ことができるように、あらゆる分野で活躍・貢献された世界中の方々に「国際交流基金賞」が授与され続けてきた事には、全世界から大きな拍手が贈られて「当然」とも言えるでしょう。よって改めてもう一度「おめでとうございます!」を申し上げ、私からのメッセージに代えさせていただきます。

黒沼 ユリ子

(原文 日本語)

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