国際交流基金賞50周年記念 五嶋 みどりさんからのメッセージ

五嶋 みどりさんの写真1
(c)Timothy Greenfield-Sanders

平成8(1996)年 国際交流奨励賞

ヴァイオリニスト、認定NPO法人 ミュージック・シェアリング理事長

五嶋 みどり

[日本]

1972年に「特殊法人国際交流基金」として設立されて以来、数々の日本文化センターを設置され、日本文化を世界に認知させるツールにとどまらず、全地球に共通した未来志向に必須ともいえる人間らしさの真の成長を促す団体として歴史を刻んで今日の設立50周年をお迎えになり、国際交流基金賞も50周年とのこと、心よりお祝い申し上げます。

五嶋 みどりさんの写真2
(c)Timothy Greenfield-Sanders

平成8年に「みどり教育財団理事長、ヴァイオリニスト五嶋みどり」が国際交流奨励賞を受賞し、浮かれ気分で周りを見回しますと、基金賞に千宗室、武満徹各氏のお名前が連なり、若気の至りで、「よし、私も頑張るぞ」と意気込んだのが昨日のことの様でございます。アメリカを拠点としながら、演奏活動と社会活動を両輪に、己に与えられた音楽の道を精進し、「NPOミュージック・シェアリング (旧みどり教育財団東京オフィスを2002年に特定非営利活動(NPO)法人ミュージック・ シェアリングへ組織変更、改称)」があらゆる人々に寄りそう本物の音楽を届ける財団で ありたい、と走り続けられているのは、常に皆様の叱咤激励とご支援が在ったからでございます。今後も、かつての奨励賞受賞者の名に恥じない全力投球の活動をお約束致します。

予想だにしなかったコロナ禍や目まぐるしく発展するITの負の片鱗、不安定な世界情勢に影響されてか、子どもたちの自殺率が上がり、また、孤独に追いやられる人間の残酷さが露呈する事件が増え、広く社会を見る余裕がなくなる傾向の近年、今こそ文化の力が見直され、世界が隣人であることを見直すべき時期、国際交流基金 の真の価値が増して必要とされているのをひしと感じつつ、改めて貴基金のご繁栄 とご発展をお祈り申し上げます。

五嶋 みどり

(原文 日本語)

※受賞者のご意向により、和文と英文で掲載内容が異なります。

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