国際交流基金賞50周年記念 アフメット・メテ・トゥンジョクさんからのメッセージ

アフメット・メテ・トゥンジョクさんの写真

平成11(1999)年度 国際交流奨励賞

チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学 名誉教授

アフメット・メテ・トゥンジョク

[トルコ]

1999年に国際交流基金から国際交流奨励賞を拝受いたしました。今でも当時のことを思い出しますと、幸せな気持ちになります。月日の経つのは早いもので、受賞してからもうすぐ四半世紀(25年)が経とうとしています。実は、私が初めて日本を訪れたのは1970年でした。当時のトルコには日本語を学ぶコースはありませんでした。あれから既に50年以上、すなわち、半世紀以上が経過したことになります。

私が歩んだ道は間違いなく困難なものであり、そこには絶え間ない労苦がありました。私はそこで最善を尽くして参りました。しかし大切なのは、この長い道のりを歩んだのは私一人ではなかったということです。特に亡き恩師、高坂正堯教授に感謝したく存じます。そして、京都大学の講師の皆さん、日本人の学生たち、政府(文部科学省)の奨学金、そしてもちろん博士課程で頂いた研究費にも感謝しています。また、1999年には大きな賞を頂きました。そして、歴代の受賞者を送り出してきた国際交流基金の皆様は、常に私に寄り添って下さいました。このような継続的な支援のおかげで日本研究を続けることができたのです。

半世紀以上にわたり、私が成し遂げてきたことを、昨年『トルコ共和国における日本語教育と日本研究の50年』という本にまとめました。この著作は、私が設立に参加した土日基金及び帰国留学生会の協力を得て出版されました。

この本に関して特筆すべきことは、トルコ語と日本語で同時に出版されたことです。日本語での出版は私の若い同僚アリ・ヴォルカン・エルデミール教授の助力によるものです。彼はトルコにおける日本文学の第一人者であり、現在、カイセリ・エルシエス大学で日本文学を教えています。私が日本に旅立った時とは違い、 現在のトルコでは、20を超える大学に日本語や日本文学の教育コースがあり、多くの研究者が採用され、日本語・日本文学・日本研究の分野で貴重な調査・研究を行っています。これからもトルコにおける日本研究の発展と普及に多少なりとも貢献できるのであれば、光栄に思います。それは幸せなことであり、私はそれを誇りに思っております。

アフメット・メテ・トゥンジョク

(原文 日本語)

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