国際交流基金賞50周年記念 ハイファ博物館ティコティン日本美術館からのメッセージ

ハイファ博物館ティコティン日本美術館のロゴ画像

平成12(2000)年度 国際交流奨励賞

ハイファ博物館ティコティン日本美術館

[イスラエル]

国際交流基金賞50周年に当たり、イスラエルのハイファにあるティコティン美術館より心からお祝い申し上げます。

Etty Glass Gissisさんの写真

ティコティン美術館は、ハイファ市内の風光明媚なカルメル山の頂きに位置し、当館の収蔵物は、熱心な美術収集家であったフェリックス・ティコティンのコレクションを中心としています。ティコティン(1893-1986年)は1956年に初めてイスラエルを訪れ、その訪問中、二度にわたる散逸から奇跡的に回収されたコレクションをイスラエルに寄贈することを決めました。ティコティンは、当館最初の展示棟の建設を支援し、Kisch Houseを購入。1960年にはティコティン日本美術館が開館し、のちに著名な日本人建築家である吉村順三の設計で当館を拡大する計画が立てられました。2003年、イスラエル教育文化省の展示コレクション品質評価委員会は、ティコティン日本美術館にイスラエル博物館に次ぐ第2位の評価を与えました。2009年には日本の外務省が、数々の展覧会を開催し日本とイスラエルの関係を強化してきたティコティン日本美術館の功績を称えました。

ハイファ博物館ティコティン日本美術館の外観

当館は、日本との文化交流に大きく貢献した個人と団体に対し、国際交流基金理事長から毎年贈られる国際交流奨励賞を2000年に受賞しました。当館を代表して授賞式に出席した元主任学芸員のイラナ・ズィンガーは、天皇皇后両陛下のご接見を賜る栄誉に浴しました。

国際交流奨励賞を授与頂いたことに対し、ここに深い謝意を表明いたします。この受賞は当館にとって大きな意味を持ち、栄誉ある賞の受賞者に名を連ねたことを光栄に思います。

私たちは、イスラエルにおける日本の芸術と文化の普及に真摯に取り組んでおり、この賞は、両国の架け橋を目指す当館の取り組みが評価されたものです。当館は1959年の設立以来、イスラエル市民が多様で豊かな日本美術の世界を学び堪能する場を設けることに尽力し、展覧会やイベント、教育プログラムを通して、日本美術の美しさ、複雑さ、奥深さへの理解促進に貢献してきました。

当館の活動に対し国際交流基金の支援が続いていることに感謝いたします。イスラエルにおける日本の美術と文化の普及に向けた当館の取り組みにおいて、国際交流基金はかけがえのないパートナーとなってきました。展覧会や教育プログラムへの助成、専門家による指導とアドバイスなど、基金の支援は当館の成功に欠かせないものとなっています。

この賞は、当館の職員、ボランティア、支援者の努力と熱意の証でもあります。この美術館をすべての来館者にとって、活気ある魅力的な場にするため粘り強く活動してきた当館のチームのたゆみない努力なしには、この賞を獲得できませんでした。彼らのおかげで、イスラエル屈指の日本美術館としての名声を確立できました。

イスラエルと日本の関係の根底には、互いへの敬意と賞讃があります。たとえ距離は離れていても、私たちは美術への深い理解や文化交流・文化理解の推進への思いを共有しています。この伝統に加わることを誇りに思い、今後も当館の活動を通じて両国の架け橋となることを願っています。

最後に、この素晴らしい栄誉を与えて下さった国際交流基金に感謝いたします。この受賞は、日本の美術と文化の普及への、私たちの共通の取り組みを証明するものです。これからも協力を続け、美術への愛を通してイスラエルと日本の関係をさらに強固なものにできるよう願っています。

ハイファ博物館ティコティン日本美術館
キュレーター
Etty Glass Gissis

(原文 英語)

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