国際交流基金賞50周年記念 柳家 さん喬さんからのメッセージ

柳家 さん喬さんの写真

平成26(2014)年度 国際交流基金賞

落語家

柳家 さん喬

[日本]

国際交流基金賞創設50年、世界へ日本の文化発信と、海外から日本への文化交流!多くの国へそして多くの国から!その人々の輪はどんどん広がりをみせています。
そんな活動に、自分もその一員であった事は心から感謝を致しております。
今日本語教育は世界に広まっています。私が各国で行わせて頂いた活動は、日本語を学んでいる方々に落語を聞いて頂き、それが日本語教育の教材となればと活動をしてきました。最初は日本の文化としての落語を演じさせて頂いておりましたが、やがて学習者の皆さんが日本語で人を笑わせてみたいと思う気持ちが芽生えてきました。落語を通して日本語の表現を学べれば何よりと思い、その一環として学習者の皆さんが小噺などを演じてはどうかと実験的に初めてみましたが、日本語学習者の方は積極的に参加して下さり、中には日本語で自国の昔話を落語的に作り発表する方もおいでになり、日本語で演じるという事が広がっていきました。私はやがてそれを楽しむ立場へと変わって行くのに気付きました。日本語を通しての繋がりがお互いに、こんなにも楽しいものになるのだと改めて思いました。
表現の仕方を共に探し出し、それを同じ学習者や一般の方の前で発表しました。
これは各国の国際交流基金の皆さんのご支援があったからできたことです。
アメリカでは大学での公演が多く行われました、中に参加した学生のご両親がご覧になり、日本語学習に「素晴らしい事を学んでいるんだね」と初めて理解を示して下さったそうです。
どこも公演が終わると、皆さんが色々と話しかけて下さいます。
「今日は素敵な公演有難うございます。それぞれの国の文化を知り、その国の人々を理解することができれば、争いなど起きないのかもしれませんね!」と話しかけて下さった学生さんの言葉を、今も大事にしています。

柳家 さん喬

(原文 日本語)

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