国際交流基金賞50周年記念 フレデリック・L・ショットさんからのメッセージ

フレデリック・L・ショットさんの写真

平成29(2017)年度 国際交流基金賞

作家 / 翻訳家 / 通訳者

フレデリック・L・ショット

[米国]

国際交流基金賞50周年記念メッセージ

私はアメリカ、ノルウェー、オーストラリア、そして日本で育ちました。来日したのは、15歳の時でした。その結果、ずっと異文化コミュニケーションに関心を抱いてきました。 通訳者、翻訳家、そして作家として数十年間日本と仕事をしてきた経験から、日本人とアメリカ人は特に、互いに学ぶものが多いと確信していますし、微力ながら自分も力になれたのではないかとも思います。私はポップカルチャー、テクノロジー、歴史など幅広い分野で執筆活動を行い、何冊かの翻訳も手がけてきましたが、国際交流基金なしにはキャリアが軌道に乗ることもなかったかもしれません。

1983年に初の著書『Manga! Manga! The World of Japanese Comics』を完成させましたが、国際交流基金の助成がなければ、版元(講談社インターナショナル)も出版してはくれなかったことでしょう。当時、海外では漫画など聞いたことがない人が多く、漫画への関心は低かったのです。同じくニッチなテーマを扱ったもう一冊の著書も、基金の助成を受けました。『Professor Risley and the Imperial Japanese Troupe: How an American Acrobat Introduced Circus to Japan—and Japan to the West』 (Stone Bridge Press, 2012)とのタイトルのこの本も、ほぼ誰も知らないような題材でしたが、私自身は広く知られるべきだと考えていました。何冊かの著書に加えて、2016年には出版する価値があると思った伝記マンガの翻訳を手がけましたが、これも出版助成事業の支援を受けました。『The Osamu Tezuka Story: A Life in Manga and Anime』 (『手塚治虫物語』伴俊男、手塚プロダクション作)というこの本は900ペ―ジを超えるため、多額の出版費用がかかりましたが、小さな出版社であるストーン・ブリッジ・プレスが刊行に踏み切った理由のひとつは、国際交流基金の助成があったからではないかと思います。

感謝すべき理由はもうひとつあります。2017年に国際交流基金賞を受賞し、授賞式に参列するため日本を訪れることができたのですが、長年の仕事を認めて頂き、非常に光栄でした。

異文化交流を推進し日本への理解を深めるための、国際交流基金の長年の取り組みを見守ってきましたが、その活動は賞賛するほかありません。

フレデリック・L・ショット
Welcome to the World of Frederik L. Schodt (AKA Fred)!

(原文 英語)

What We Do事業内容を知る