平成19(2007)年度 受賞者プロフィール

2007年 国際交流基金賞・国際交流奨励賞

国際交流基金賞


ロイヤル・タイラー(Royall TYLER) 【オーストラリア】

元オーストラリア国立大学アジア研究学部日本センター所長・教授

ロイヤル・タイラー氏は、コロンビア大学(米国)においてドナルド・キーン氏の指導のもと、1966年に修士号(日本史)、1977年に博士号(日本文学)を取得。オハイオ州立大学(米国)、ウィスコンシン大学マディソン校(米国)、オスロ大学(ノルウェー)などで日本文学を教える。1990年よりオーストラリア国立大学で教鞭をとり、1992年から2000年の退官まで同大学アジア研究学部日本センター所長。

ロイヤル・タイラー氏の写真

名訳と評される多数の謡曲の翻訳・出版を通し、能を海外に紹介したほか、約8年の歳月をかけて2001年に『源氏物語』の全訳本The Tale of Genjiを完成させた。この翻訳本は、原文に忠実かつ現代英語としても優れており、また、詳細な解説・図版など物語の理解を助ける工夫がなされている。同書は、2001年の日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞した。

また、中世説話集の翻訳Japanese Tales(1987年)も非常に評価が高く、多数の読者を獲得している。


現在は、最もよき理解者である夫人とともにキャンベラ郊外にてアルパカ牧場を経営する傍ら、世界各地で開催されるシンポジウムやセミナー等で講演を行うなどの活動を行っている。


国際交流奨励賞文化芸術交流賞


北川フラム (KITAGAWA Fram) 【日本】

アートディレクター、アートフロントギャラリー主宰 、(財)直島福武美術館財団総合ディレクター、新潟市美術館館長、女子美術大学教授

東京藝術大学美術学部卒業。1978年「ガウディ展」の全国11カ所での巡回、「アパルトヘイト否! 国際美術展」の全国194カ所での巡回等、これまであまり知られていなかったアートの紹介に始まり、多岐にわたるアートプロジェクトを手がけてきた。「ファーレ立川アート計画」や、1998年メセナ大賞を受賞した「代官山ヒルサイドテラス」など、まちづくりに関わる活動も高い評価を得ている。

北川フラム氏の写真

2000年、2003年、2006年の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」では総合ディレクターを務め、アートによる地域再生に大きな業績を上げた。

フランス共和国文化勲章シュバリエ受勲、ポーランド共和国文化勲章受勲、平成18年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞等受賞歴多数。 現在は、直島や犬島などの島々を舞台とする「瀬戸内国際芸術祭」(仮称)に参加する等、新たなプロジェクトの進展が期待されている。

国際交流奨励賞日本語賞


リービ英雄 (LEVY Hideo)【米国】

小説家、法政大学教授

リービ英雄氏の写真
撮影:稲越功一

西洋出身者として初めての日本文学作家。1950年米国カリフォルニア州に生まれる。少年時代を台湾、香港などで過ごし、16歳から日本に住む。以降、日米往還を繰り返し、その間、プリンストン大学大学院博士課程修了。プリンストン大学、スタンフォード大学で日本文学教授を務める。現在は東京在住。

リービ英雄氏著書の写真

1982年、「万葉集」の英訳で全米図書賞を受賞。1992年、『星条旗の聞こえない部屋』で作家でビューし、野間文芸新人賞受賞。

1994年より法政大学教授。 他の著書に、『天安門』『国民のうた』『ヘンリーたけしレウィツキーの夏の紀行』『日本語の勝利』『新宿の万葉集』『アイデンティティーズ』『最後の国境への旅』『日本語を書く部屋』『我的中国』『英語でよむ万葉集』などがある。2005年、小説『千々にくだけて』で大佛次郎賞を受賞。


国際交流奨励賞日本研究賞

アイシェ・セルチュク・エセンベル (Ayşe Selçuk ESENBEL) 【トルコ】

ボスポラス大学教授、日本研究学会会長

アイシェ・セルチュク・エセンベル氏の写真

国際基督教大学およびジョージワシントン大学(米国)にて歴史学学士号取得後、1969年にジョージタウン大学(米国)にて修士号(日本語及び言語学)、1981年にコロンビア大学(米国)にて博士号(日本史)取得。1982年~1985年ボスポラス(ボアジチ)大学助教授、1997年より同大学教授(1994年~2003年は歴史学科長)として若手研究者の指導にあたるほか、日本の大学との学術交流にも熱心に取り組んでいる。


アイシェ・セルチュク・エセンベル氏著書の写真

「日本研究学会」の設立(1993年)に尽力し、役員として基盤を強化し、2002年からは同学会の3代目会長を務め、会議・講演会等の企画・開催、日本とトルコの研究者の交流など活発な活動を行っている。

また、アンカラ大学の日本語学科の設立(1986年)、ボスポラス大学での日本語教育プログラムの開設(1988年)及び日本研究修了認定(Certificate)プログラムの開設(2002年)にも尽力した。

主な著書として、Even the Gods Rebel: The Peasants of Takaino and the 1871 Nakano Uprising in JapanThe Rising Sun and the Turkish Crescent(共著)。また、日本語論文は、『近代日本とトルコ世界』、『異文化理解の視座―世界から見た日本 日本から見た世界』などに、英語論文は、Bulletin of the School of Oriental and African Studies (英国)やAmerican Historical Review (米国)に収録されている。

2007年 秋の叙勲「旭日小綬章」を受章。


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