『北斎漫画』初編の出版から200周年、70年に及ぶ画業生涯の約700点をパリで展示 「北斎」展 フランス国立美術館連合グラン・パレと共催の構成

北斎の生涯を6期にわけ、日本国内及び欧米の貴重なコレクションによって北斎の画業を振り返ります。また、北斎の才能に欧州の芸術家が注目するきっかけとなった『北斎漫画』については、独立した展示室を設け概観します。

春朗期

1779年(安永8年)に勝川春朗の画名で画界にデビューし独立する1794年(寛政6年)頃までは、春朗時代と呼ばれています。この時代は、役者絵を中心に、黄表紙の挿絵、絵暦、子供絵、おもちゃ絵、名所絵など幅広い題材の作品を発表しています。この部屋では北斎のデビュー作といわれている役者絵、版画シリーズの下絵、春朗時代の数少ない肉筆画等珍しい作品を通して、北斎が勝川派の弟子として活躍しつつ修行し学んだ様子をうかがうことができます。

宗理様式期

勝川派から離脱した北斎は、琳派と呼ばれる装飾性の強い作品を発表した一派を継ぎ、俵屋宗理と号しました。この年代に、摺物や狂歌絵本の挿絵などで活躍した北斎は高い評価を得て、また宗理様式と呼ばれる独自の様式を確立しました。ここでは典型的な宗理様式といえる肉筆画や狂歌本等々多数の作品を展示します。

北斎期

最も著名な葛飾北斎を号したこの時代、北斎は絵師としての地歩を固めました。浮世絵版画や肉筆画で絶大な人気を得た北斎は、長編小説の読本挿絵に力を注ぐようになり、それはおよそ1810年(文化7年)頃まで続きます。読本や多数の浮世絵版画に加え、日本の貴重な肉筆画コレクションも出品されます。

『北斎漫画』と多彩な絵手本

『北斎漫画』の全編はもちろんのこと、『北斎漫画』発売時の袋や初編の版木、そのほか絵手本などを紹介します。

戴斗期

1810年(文化7年)頃から1819年(文政2年)までの約9年間、戴斗の号を用い活動しました。この時期、絵手本に傾注し、多く手がけたことで知られています。北斎ならではの視点で描かれた鳥瞰図、摺物をはじめ多数の肉筆画が出品される予定です。

為一期

1820年(文政3年)頃に為一と号してから年を経るごとに浮世絵版画に傾注し、風景画や花鳥画、妖怪画、戯画、武者絵などの著名なシリーズが集中して出版されたこの時期は、北斎の約70年にも及んだ作画活動の中で最も華々しい時代です。北斎の代表作「冨嶽三十六景」、「諸国瀧廻り」等有名な浮世絵版画シリーズを中心に、為一時代の魅力を存分に味わえる構成になっています。

最晩年 画狂老人卍期

1834年(天保5年)頃に北斎は最後の画号卍を号してから、北斎は浮世絵師という立場から離れ、日本や中国の故事古典、宗教画、動植物などを対象とした作画活動に移行していきました。ここでは晩年も活躍し続けた北斎の多数の肉筆画が展示されます。また、貴重な資料である書簡類も特別に出品されます。

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国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 欧州・中東・アフリカチーム
担当:森、永田
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