平成29(2017)年度 日本語指導助手レポート 活動報告

マラヤ大学
松田朋子

私は現在、マレーシアの首都クアラルンプールにあるマラヤ大学に赴任をしています。ここには日本留学特別プログラム(以下、AAJ)という予備教育コースがあり、AAJの学生は日本留学を目指しこの予備教育コースで2年間日本語を学びます。また日本語の他に数学、化学、物理を日本語で学び、日本留学試験及び修了試験を受験、合格すれば日本の国公立大学の工学系へ進学が可能となります。AAJには現在、現地教員のほかに国際交流基金より派遣された上級専門家、専門家が在籍しており、また理系教科に関しては、文部科学省より派遣された日本人教員が担当しています。

業務内容

学内の画像
学内

昨年5月に入学した1年生60名が2年生に進級をし、現在は新しい1年生を迎える準備をしています。私は昨年度に引き続き、今年も1年生の日本語を担当する予定です。昨年度、1年生のクラスは1クラス10名で6クラスあり、私もそのうちの1クラスを担任として受け持っていました。1日に2~3コマの授業を担当し、その内容はみんなの日本語の文法授業、聴解授業や会話授業、作文やテストのフィードバック授業など様々です。授業のほかにも、担任として学生指導や補講、追試の実施などが業務として加わります。またAAJでは勉強だけではなく、様々なイベントも行われます。スポーツ大会やスピーチコンテスト、日本人との交流会や日系企業訪問などです。こうしたイベントの企画・運営のサポートも大切な業務のひとつです。

AAJの学生は寮生活をしながら、朝8時から夕方6時まで日本語漬け、勉強漬けの日々を送っています。ほぼ毎時間行われる小テスト、毎日の宿題、予習・復習と学生の毎日は非常に忙しそうで、みんな睡眠時間3~4時間で頑張っています。ひらがなもわからない状態で入学してきた学生が、10ヵ月後には日本語でスピーチをするまでに成長した姿を見ると、彼らの日々の頑張りが着実に実を結んでいることを実感し、非常に嬉しく感じます。

一年を振り返って

学内に咲くハイビスカスの画像
学内に咲くハイビスカス

どんどんとカリキュラムが進んでいき、気がついたら一年が過ぎていたというのが実感ですが、学生が自分の進路を決めるという人生の大切な時期に関われていることに責任を感じるとともに、やりがいを感じています。

またマレーシアで生活することで、日本語教育に関してだけではなく、イスラムの文化をはじめとした多様な文化を学ぶことができたことも非常に大きなことでした。残りの一年も学生を精一杯サポートしていきたいと思います。

What We Do事業内容を知る