ワシントン州シアトルより一年目の活動報告

ガーフィールド・ハイ・スクール
西島 阿弥子

シアトルの概要と日本語教育

シアトルと聞いて多くの方がイメージされるのは、「イチローとスターバックス」ではないでしょうか。しかし、シアトルマリナーズにもはやイチロー選手は在籍しておらず(今は岩隈選手が活躍)、スターバックス1号店は確かにシアトルにあるものの、シアトルを代表する唯一の企業ではないようです。

シアトルはワシントン州最大の経済都市ですが、ワシントン州には、スターバックスだけではなく、コストコ、マイクロソフト、アマゾン、米国ニンテンドー等の本社があります。

日本はワシントン州にとって、第一の輸出相手国です。かつてシアトル市内には日本人街もありました。現在では中華街となっていますが、日系スーパー、日本料理店は市内にいくつもあり、人気を誇っています。

ワシントン州は日本語教育が盛んで、小学校から大学まで日本語を学ぶことが出来ます。日本語のみで授業を行うイマージョン校もあれば、外国語の選択科目の一つとして学べる公立中学、高校も多く存在します。学習目的としては、日本のサブカルチャーへの興味が挙げられます。最近の傾向としては、予算カットの煽りを受け、日本語学習者数が減少傾向にあるという話を耳にします。

勤務校とアシスタント業務

派遣先のガーフィールド高校は、学生数約1700名の公立高校です。アフリカ系、アジア系移民が多く、学生のバックグラウンドは様々です。多くの学生は大学進学を希望していますが、英語が母語ではない学生や個別指導が必要な学生も200名以上いるため、それぞれの学生に合わせた指導が求められています。

2014年度には、バスケットボールチームが、ワシントン州1位に輝き、ジャズの名門校としても知られています。

ガーフィール高校では外国語はスペイン語、フランス語、ラテン語、日本語から選択することが出来ます。日本語履修者数は、180名弱で、1,2,3年生が2クラスずつ、AP(Advanced Placement)が1クラスあり、日本語が母語ではない日本語教師二人で担当しています。アシスタントとしては、日々のクラスのサポート並びに、日本文化の紹介、昼休みや放課後の時間を使った学生のフォロー、教材の作成等を行っています。

日本語授業以外の活動

日本語授業以外に、主に以下の二つの活動を行いました。

  1. 1.ワシントン州スピーチ&スキットコンテストのサポート
    ワシントン州スピーチ&スキットコンテストとは、ワシントン州で日本語を学習している高校生を対象として、年に一度行われる、日本語によるスピーチと劇のコンテストです。なお、今年度の最高レベル一位への賞品は、日本旅行(ホームステイ体験、日本の学校訪問等)でした。

    このコンテストに、ワシントン州日本語教師会(WATJ)の一員として準備段階から携わりました。この活動を通じて、ワシントン州における日本語教育の広がりと、学生の日本語にかける想いを感じることが出来ました。派遣先の学生もスピーチ、スキットそれぞれに参加し、日本語学習へのモチベーションを高めることが出来たようです。
  2. 2.イマージョンキャンプ参加
    イマージョンキャンプとは、日本語だけを使って、日本文化を体験する日帰りのキャンプのことで、シアトル市内、近郊の中学生、高校生を対象として年に一回開催されています。参加者は、和菓子作り、生け花、和太鼓、切り絵、習字などのアクティビティを体験することが出来ます。このキャンプにボランティアとして参加し、派遣先以外の学校の先生方、学生と接することで、視野が広がり、今後の活動の参考となるアイディアを多く得ることが出来ました。

1年目の振り返りと2年目に向け

赴任後、日本との違いを一番感じたのは、「多様性」です。派遣先の日本語クラスでも、中国、台湾、韓国、日本、ベトナム、カンボジア、南米、イギリス、ソマリア、エチオピアといった様々なバックグラウンドを持つ学生がいることに、驚きました。違いを尊重し、多感な高校生が違いをどう受け入れていくのか、日々学生の姿から学ぶことが多くありました。

また、米国の学校現場において大切なのは、ただ日本語を使えるようになるということだけではなく、日本語を通じて、学生の「生きる力」、ライフスキルを磨くことが必要であるということを痛感しました。

2年目は引き続き、一人でも多くの学生に、日本語学習の楽しさを感じてもらえるよう、学生の視野を広げる一助となれるよう、日々の授業、活動に励みたいと思います。

  • 派遣先での写真

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