J-LEAPに感謝

レドモンド・ハイ・スクール
岡本 拓

LTの背中

約2年にわたり、派遣機関であるRedmond High School(以下、RHS)のリードティーチャー(以下、LT)のもとで日本語教師として、ときには教育者として、指導をして頂きながら業務にあたれたことが何より有益な経験だったと思っています。LTから与えられた業務をこなすだけでなく、自分のアイディアもしっかり提案させてくれる環境を与えてくれました。チームとしてRHSのクラスを盛り上げていこうとするアシスタントティーチャー(以下、AT)の姿勢を、LTはきちんと受け止め、支え、育ててくれたと思います。LTが授業中や保護者との面談の中で見せる言動や教育理念が、今後AT自身が日本語教師あるいは教育者として活動するうえでの基盤を作ってくれたと思っています。
具体的な業務としては、1)授業へのITの導入、2)4年生及びAPクラスの通年授業計画と教材作成です。RHSは教室の中でもIT化が進んでおり、教科を問わず、教員たちは授業の内容にIT技術を盛り込まなければならないという規則があります。そういった背景もあって、LTはデジタル教材やテクノロジーを駆使した授業スタイルの確立を望んでいました。その点、ATはテクノロジーに明るかったこともあり、需要と供給が合致し、LT満足度の高い結果を残せたと思っております。

キャンプが僕に教えてくれたこと

ワシントン州日本語教師会(以下、WATJ)が主催する日本語イマージョンキャンプに、実行委員会のメンバーとして企画・運営に携わり、多くのボランティアの方々にご協力頂き、成功裡に終わることが出来ました。このキャンプは、毎年春に約10校の高校から10名ずつの生徒が参加する大規模な日本語教育のイベントです。生徒たちは午前中の日本文化クラスの後、自分たちで作った昼ごはんを食べ、午後にはクイズ大会や運動会に参加して、丸一日、日本語だけで過ごすという経験をします。
2か月以上前から企画を練り、文化教室の先生への依頼・ボランティアの招集・当日の会場設営など、日本語教師の枠を超えた業務に携わらせて頂きました。キャンプを終え帰路につく生徒たちから「楽しかった」「来年もまた来たい」と言ってもらえた時は、準備の大変さが報われた瞬間でした。

日本代表としての自覚

「日米間の若者交流」と一口に言っても、そうそう簡単に達成されるようなものではありませんが、たった一人の個人が「日米間の若者交流」のために出来ることがあるとすれば、「日本代表」としての自覚を持ち、自分をより多くの人に知ってもらうことだと思います。地域の様々なイベントや学会に出向き、同世代の若者と知り合い、自分に興味を持って覚えてもらうことが、自分の所属するJ-LEAPという文化交流事業についても関心を抱くきっかけになるからです。派遣機関で日本語を教えているだけでなく、教室の外に出て自ら赴き、人に出会い、まず自分を知ってもらうことが大事です。そのためには、「日本代表」の名に恥じない日本人であるように日頃から心がけ、ひとつひとつの出会いを大切にしていく必要があると思います。そんな草の根レベルの交流から、本当の日米間交流に繋がっていくのではないかと考えます。

積極性と向上心を!

どんな仕事にも言えることですが、これから海外で日本語教員として活躍される方に特に必要な資質は、何でもやるという「積極性」と、常に学び続ける「向上心」だと思います。
特にアメリカで日本語教員として活動する場合には、近年アメリカの日本語教育業界がうけている厳しい現状について理解しておく必要があります。
現在米国の日本語プログラムは、他言語のプログラム数の増加や学習者数の減少のあおりを受けて厳しい状況に直面していて、決して余談を許しません。日本語プログラムのアドボカシーに、学校内はもとより、学区内、州内に向けて取り組んでいかなければ、日本語プログラムが閉鎖に追いやられることもあるのが現状です。教師の仕事だけでなく、学校・学区で日本語プログラムの存在を知らしめるために、自ら広報活動やアドボカシーのための行動を起こさないといけないのです。自分の仕事だけ、自分の学校だけが良ければいいのではないということです。
それから、教師という仕事は常に研鑽を必要とします。教師会や学会に参加し、指導法をブラッシュアップしていかなければ、時代の流れに追いつけませんし、生徒の学習意欲の維持が図れません。常に新しい教授法や授業案を研究しクラスに取り入れていくことが求められます。また、言語と文化という科目の特性上、教えているものは日々変化を遂げている『生き物』です。いまや10年前の文化は古いものとされてしまいますし、その時の生徒の日本文化の情報源も変わってきます。そういった趨勢に乗り遅れないようにアンテナを張っておかなければいけない職業の一つだと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3

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