アメリカで日本語

ブルーミントン・ハイ・スクール・ノース
前川 紘子

インディアナ州の概要と日本語

インディアナ州はアメリカ合衆国の中西部にあり、「最も平均的なアメリカ」と言われ、広大な耕作地、大らかで素朴な気質の人々、大自然に恵まれています。州の面積は94,321km2で全米第38位、人口は6,483,802人で全米第15位。州のほとんどは耕作地で、トウモロコシの栽培で有名です。また、州都インディアナポリスは、インディ500と呼ばれる年に一度の自動車レースで知られています。インディアナ州には自動車関連企業を中心に約200社の日本企業が進出しており、カリフォルニアに次いで全米2位ですが、その事実はあまり知られていません。

インディアナ州の教育水準・予算は全米において平均的ですが、近年の教育への予算カット、中国語熱の煽りを受けて、現在33校の高校、11校の大学(または相当機関)で行われている日本語教育機関でも存続が危ぶまれる所や、併合して日本語プログラムを維持したところもあります。私が配属されたブルーミントン北高校は、この地域の学区で唯一の日本語プログラムのある高校です。今年から中国語プログラムの設置もあり、学習者減がみられます。

ブルーミントン北高校

私の配属先のブルーミントン北高校の全生徒数は1600人、教師100人といった規模で、うち日本語学習者は約60人。よって日本語教員は1名。使用教材は『できる日本語』です。

学生に日本語を選択した理由を聞くと、「アニメ・ゲームが好きで、興味を持ったから」、「遠い親戚に日本人がいるから」、「日本文化とアメリカ文化はかなり違うので、ユニークだから」という回答が多く、また日本語を学んで「アニメを字幕なしで理解できるようになりたい」、「日本に旅行したい」という目標を持っている学生が多いです。

アメリカでは言語運用能力に力を入れているので、本校の授業でも日本語を使ってアクティビティをよくします。また一クラスあたり85分と長いので、ゲームや、その言語を使ってプロジェクトをさせるところがここでの教育のいいところです。

私は主に授業中の会話や発音のモデル、楽しく練習できる教材作り、日本文化紹介に力を入れてきました。文化紹介では、できるだけ写真を多く取り入れ、節分には豆まきや恵方巻を作るなど簡単に文化体験ができるようなアクティビティを用意しました。文字の情報だけでなく、実際に体験させることが大事だと感じます。

日本語クラス外の活動

アメリカでは授業はクラス内に留まらず、Japan ClubJapanese National Honor Society(JNHS)Japanese Olympiad of Indianaなど、様々な活動があります。Japan Clubでは主に授業内でできない日本文化体験のできる活動をしてきました。例えば、餅つき大会、たこ焼きパーティー、和風ピザの日、花見、日本の映画鑑賞会、校内に日本の売店設置などです。JNHSでは市立図書館や近隣小学校での紙芝居の読み聞かせや、地域イベントでの日本舞踊の発表や折り紙の紹介などに取り組みました。

私自分もその手伝い以外に、近隣小学校での日本文化紹介や、日本のゲームの紹介をしました。

地域活動はより多くの人に日本のことを知ってもらういい機会なので、これからも積極的に取り組んでいきたいです。

1年目の所感と2年目の目標

この1年間、たくさん学べたと思います。まず、アメリカでは言語運用能力に力を入れているので、指導案の作り方の違いや、アクティビティの多さに驚きました。単語を覚えるのにも授業中にゲームを用意するなど工夫が見られます。特に私が派遣された高校はマルチメディア環境がしっかりしているので、よくオンラインリソースを利用しているし、教師が常に新しいアプローチを取り入れています。教師のためのワークショップ、その為の代理の教員のシステムの充実など、日本と比べてかなり充実しているのも印象的でした。

さて、2年目を迎えるにあたって私には2つ目標があります。まず、日本語プログラムの宣伝に力を入れてより多くの人に日本文化や日本語の楽しさを伝えていくこと。「日本語は難しい、ゲームやアニメだけ」という考え方を打破して、伝統文化や日本人が大事にしている概念など、もっと素晴らしい文化を伝えていきたいです。もう一つは、今まで使ったことのない教授法やリソースにチャレンジして、教え方の幅を広げていくことです。どうしても自分が心地いい中にとどまりがちなので、少しでも多くのことを吸収し、日本に持ち帰りたいと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3

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