海外生活=日本を学ぶ

ワイパフ・ハイ・スクール
樋口 佳苗

ワイパフでの活動

ワイパフ・ハイ・スクールでは主に二つの役割がありました。一つは日本人としてアメリカ人のリードティーチャー(以下LT)を授業面でサポートすること、もう一つは日本の学校との交流事業のサポートをすることでした。授業では、日本語の基礎はLT、発音や漢字、難しい表現などは私が担当するなど、お互いの得意分野を活かすような形で進めました。授業は日本人がなぜこのような表現をするのか、それはアメリカ人にどのように聞こえるのか、日本人の私と日本に住んだことがあるアメリカ人のLT、あまり日本人と交流したことのない学生と意見を交換することも多く、多角度から日本を考えることができとても面白い経験になりました。交流事業では広島県福山市にある姉妹校と昨年度より学生の短期留学プログラムが始まりました。また、他の高校からも修学旅行生の受け入れを行うなど、ワイパフ・ハイ・スクールでは学生の国際交流を積極的に行っています。アメリカ側の立場から日本の高校生を見ることができ、日本の教育についても考える良い経験となりました。

アメリカのクラブ活動

アメリカには全米優等生協会を始めとする一定の条件(成績、ボランティア活動歴など)を満たした学生だけが所属できる全国規模のクラブがあります。その中でLTが担当していたワイパフ・ハイ・スクール全米日本語優等生協会(以下NJHS)の手伝いをし、学生とホノルルフェスティバル(日本の祭り)に行ったり、日本人留学生や他校のNJHSメンバーと交流したりしました。その中で、私も学生も一番好きだった活動はキャンプでした。ハワイには多くのキャンプ場があるにも関わらず意外とキャンプを経験したことがない学生が多く、一緒にテントを立てたり、飯盒を使ってご飯を炊いてみたり、とても楽しかったです。また、NJHSとは別にテニス部のボランティアコーチをしていました。テニス部では日本語を取っていない学生との交流の機会になったり、アメリカではどのようにスポーツ/運動部が指導されているのか学ぶ良い機会になりました。ボランティアコーチをするにあたり、コーチングやスポーツ事故による脳震盪についてオンラインでクラスを取って学びました。これら二つのクラブ活動を通して感心した日本のクラブ活動との違いは、活動費を学生が自分たちで集めるということでした。学校でお菓子を売って利益を活動費にしたり、みんなでファーストフードやレストランで数時間働き、その間のお店の利益の一部をクラブに寄付してもらったり、自分たちで作り上げるクラブ活動ということがとても印象的でした。

アメリカ人との生活

せっかくアメリカに行くなら“アメリカ人”と共同生活をしてみたい!と9ヶ月のホームステイの後、クレイグリストというサイトを利用して20代のアメリカ人3人とルームシェアで暮らしました。ルームメートがホームパーティーをして20人近いアメリカ人が一気に家に遊びに来たり、日本の友人が遊びに来た時はルームメート交えて夜中までおしゃべりしたり、アメリカの料理を作ってくれたり、私も日本食の作り方を教えたり、生活の中で楽しくお互いの文化を紹介し合うことができて、とても楽しかったです。しかし、共同生活、すべてが上手くいったわけではなく、掃除の仕方にお互い不満をもったり、光熱費の問題が起きたり、1人のルームメイトの引っ越しで新たな人が入ってきて生活のリズムを少し変えなければならなかったり、夜に話し合いを持つこともありました。最初は、何に対しても相手を怒らせてしまうんじゃないかということばかり気にしてしまいましが、そんな心配を“日本人だね”と冗談で笑い飛ばしてくれたり、時にはケンカになってしまったり、それでも対話を続け、最後まで一緒に暮らせたことはとても良い経験です。

海外にでるということ

私は、今回のJ-LEAPを含め2回海外の高校で働かせて頂く機会に恵まれました。どちらの派遣が決まった時も、現地での生活・仕事に期待し、胸躍らせたことを覚えています。しかし、どちらも期待通りの環境で期待通りの活動ができたわけではありません。それでも、どちらの国でも新たな気づき・学びがありました。私たちは‘学びたい’と思っていることを自ら行動し学ぶことができます。でも、それまで考えもしなかったこと、興味がなかったことを学んでみることはなかなかしません。それをさせてくれるのが新たな環境に飛び込むということなのだと、これまでの派遣生活を振り返っています。海外派遣に挑戦する人はみなそれぞれ目標や夢、新たな世界への期待があると思います。実際にその世界へ飛び込むとその期待を裏切られるようなことが多くあります。でも、そんな時こそ新たな気づきと学びがある時だと信じてあきらめないでほしいです。また、学びに貪欲になり、’何がしたいか’もっとLTや同僚にしっかり伝えることが大切だと思います。時には反対されたり、思うようにさせてもらえなかったりすると思います。その時、なぜ受け入れられないのか、考えることも学びになります。私は、「海外の教育を見てみたい!」と思い、派遣プログラムに参加するようになりました。いざ海外に出てみて意識したのは自分が日本人であること、日本について何も知らないということ、日本の為に何かしたい、ということでした。これから暫くは日本で教員をしながら日本の子供たちと向き合ってみたいと考えています。

ページトップへ戻る