ハワイ州ホノルルでの1年目活動報告

アイナ・ハイナ・エレメンタリー・スクール
宮田 ゆう子

ハワイ州と日本語教育

ハワイ州は、8つの島(ハワイ、マウイ、オアフ、カウアイ、モロカイ、ラナイ、ニイハウ、カホオラウェ)と100以上もの小島からなる、アメリカ合衆国唯一、島だけで構成された州です。 面積は28,311km2、人口は1,360,301人。島によってそれぞれ特徴は異なりますが、私が派遣されているオアフ島はワイキキのような観光客で溢れかえる賑やかな場所もあれば、クアロアなど力強い自然を感じられる場所もある様々な顔を持った島です。

観光地では日本語の説明やメニューがあり、日本語の通じる店が多くありますが、観光地を離れると日本食レストランや日本のスーパーでも日本語が通じないところが多く、日系人も多いですが日本語を話せる人の割合は大変少ないように感じます。

アシスタントとしての業務

そんなオアフ島のホノルル市郊外にあるアイナハイナ小学校は、教師数約40名、学生数約600名、日本語は幼稚園から5年生までの全ての学年の必修科目です。それぞれ週1回、幼稚園のクラスが30分、1年生から5年生までのクラスが45分で行われています。教科書は使わず、低学年は歌や紙芝居、ゲーム(おてだま、かるた、すごろく、おりがみ等)などを使って学生たちが楽しみながら学べる授業を行っています。学年が上がるにつれて、そこに会話の導入や日本の文化紹介を織り交ぜ、日本語の中にある日本文化への理解をより深めてもらうという授業構成です。

アシスタントティーチャーとしての主な業務は、教材作成、授業中クラスを回って遅れている学生のサポート、クラスを二つに分けた内の一つのグループのゲームやアクティビティ担当や、会話テストの練習です。会話テストでリードティーチャーが集中的な練習が必要だと感じた学生が私のところへ集められ、苦手な部分を一緒に練習するというシステムをとっていました。

授業以外の活動

授業以外の活動は、日本語放課後クラスのサポートと日本語放課後クラスの幼稚園担当、年賀状コンテスト、放課後クラス対象の夏休み日本旅行の準備のサポートでした。日本旅行の準備では、日本のマナーや簡単な知識、会話フレーズなどを載せたしおりを作りました。参加者に日本とハワイの違いを知ってもらうと共に、私自身当たり前になりかけていた2つの文化の違いや共通点などを再確認することができました。

2年目は、放課後のクラブで日本文化(手芸、歌など)のクラブを担当します。

1年目を終えて

この1年でハワイの人や環境について感じたことは、まさにアロハ精神(他人への尊敬と愛情)です。日本を含め様々な国から運び込まれた文化が心地よく混ざり合い息づいているのも、ここに住む人々のアロハ精神のおかげではないでしょうか。そんな寛大なハワイの精神を肌で感じながら1年目を過ごしました。

ハワイに赴任する前の年、日本と文化の似ている韓国で日常会話の出来る人たちに日本語を教えていました。そんな私にとって、ハワイで文字通り日本語の「に」の字も知らない子供たちの日本語授業に参加させていただくということは、日本語教師としての根本を見直す本当に貴重な経験です。1年目、リードティーチャーをサポートしながら、どうすれば興味を持って楽しく日本語や日本文化を学んでもらえるかをたくさん体感しました。2年目はそれを活かせるよう、授業のサポートや放課後の日本文化クラブ、その他の活動を通して、自分自身ができることを積極的に増やしていくことが課題です。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3
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