未来に繋がるJ-LEAP

マローニー・インターディストリクト・マグネットスクール
新谷 遥

日本語授業のアシスタントティーチャーとして

私は諸事情により、派遣1年目と2年目の派遣先が変わりました。1年目はメリーランド州のモンゴメリー・ブレア高校(以下、ブレア)、2年目はコネチカット州のマローニー・インターディストリクト・マグネットスクール(以下、マローニー)という小学校です。
ブレアでは、効果的に日本語を学べるようなスマートボード用のゲームやアクティビティの作成を担当しました。同じくメリーランド州の派遣校だったペイント・ブランチ高校でも、同様の日本語指導の補助を行いました。
その他、ブレアではJapan Bowl出場がありました。Japan Bowlは、毎年4月に行われる、全米規模の高校生のための日本語コンペティションです。ブレアでは、3レベル9名の学生と、昼休みや放課後の時間を使ってミーティングを開き、ウェブ教材や本番を意識したスライドを使って対策をしました。ミーティングを重ねていくうち、この学生たちが通常の授業や放課後等も積極的に日本語クラスのために動いてくれるようになり、成績も向上し、他の学生たちにも良い刺激になっていました。結果は、レベル2の学生が全米で8位となり、ほかのレベルの学生たちは順位としては悔しい結果になりましたが、よい経験になったようでした。
マローニーでは、授業の始めに毎回行う日付や数字などの練習をしたり、リードティーチャー(以下、LT)とアクティビティの見本のために劇をしたりしました。また、週に2回のPre-Kindergartenの授業では、最初の1クラスをLT主導で行っていただき、それを観察し、次の授業を同じ内容で私が主導で行いました。2回目の授業ではLTがサポートに入ってくださり、授業後にフィードバックをいただくという、本格的な教育実習のような時間があったことも、今後、日本語教師としてキャリアを積んでいくために、とても重要な経験となりました。1年で取った指導法や生徒への配慮についてのノートは、今後の私の宝物になると思います。

日本のスポーツを伝える

マローニーの5年生とその家族のためのイベントで、剣道のパフォーマンスとワークショップをしました。剣道は幼少の頃からやっていましたが、日本の武道を安全面や理念の点から、アメリカの方々に正しく理解していただくために、説明は英語で行いました。パワーポイントには説明だけでなく、ビデオやクイズも盛り込みました。また、近隣の街から来てくれた日本人の中学生のボランティアと、実際に試合をするパフォーマンスも行いました。
ワークショップでは、新聞紙の棒を用意し、私が防具をつけて、子どもたちに面・小手・胴の打突を体験してもらうという機会を設けました。その際、武道の礼儀作法についても、子どもたちに考えるよう伝えました。その後、竹刀や木刀を触ったり、剣道着を着て記念撮影をしたりしました。保護者の方々も積極的に質問してくださり、子どもたちも楽しんでくれたようでした。

アメリカと日本の架け橋、JETJ-LEAP

JETJ-LEAPは、いわば逆のプログラムで、日本大使館やワシントンDCの日米協会から、JET同窓生を紹介していただいたり、同窓生が参加するボランティアの場に誘っていただいたりする機会に恵まれ、交友を深めることができました。
そして、2014年の夏には、日本大使館で、新規JETプログラム参加者のための日本語講座の講師を務めさせていただきました。講座の内容は、ゼロ初級者向けのサバイバル日本語がメインでしたが、4回という限りある講義の中で、JET参加者たちが日本で遭遇する場面を想定し、場面からシラバスを作成しました。その中で、名刺交換や日本の住宅などの日本文化にも触れ、災害時の対応の回も設けました。私自身、このプログラムで初めて海外で生活をしてみて、様々な経験をしました。この講座では、「海外の学校でアシスタントティーチャー(以下、AT)をする私」、「外国人として海外で生活する私」、「日本で生まれ育った私」の3つの経験を生かすことができました。受講生からもよい反響がありました。

子どもたちとともに教師として育つということ

J-LEAPを通して、初めて教育の現場に立ちました。この2年間でPre-Kindergartenから12年生までの子どもたちと関わり学んだことは、「教師は、考え続けなければならない」ということです。カリキュラム作成、レッスンプランの作成、授業中の一挙手一投足など、すべての場面で、何が生徒たちにとって一番良い方法か、常に考え続けなければならないということを学びました。この2年間で、「生徒たちへの配慮が足りなかったのでは」と悩むことが何度もありました。考え続けることは大変なことですが、子どもたち一人一人の個性を大切にし、よく考え、その子たちの個性を伸ばすような授業を行うことが、生徒の学習意欲につながり、「日本語を学ぶことが好き」という子どもたちが増えることに繋がる一歩だと学びました。
J-LEAPは、私たちATを日本語教師として育てると同時に、日本語教育を通して、アメリカの子どもたちの世界に対する視点も育てます。世界と日本の架け橋となる教師と子どもたちを育成するこのプログラムの派遣で学んだことは、私のこれからの人生の財産になっていくだろうと思います。私は今後も、年少者の日本語教育に携わりたいと考えています。これからも、私自身が子どもたちとともに育つという気持ちを忘れずにいたいです。

  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3

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