オレゴン州での二年間

タイガード・ハイ・スクール
米田 仁美

業務内容

授業の形態は主にティームティーチングで、リードティーチャー(以下、LT)とアシスタントティーチャー(以下、AT)は教室の前に立ち、一緒に授業をします。授業外では授業の準備(レッスンプラン、プリントの作成、コピー、テスト・クイズの採点など)です。文化行事紹介はATが中心となり行いました。その他には教室の飾り付け、保護者懇談会の参加、日本庭園への遠足、大学での語学フェアなどに参加しました。どの業務も学生達の反応がすぐに見られ、とても有意義でした。特に、日本の文化行事・年中行事はパワーポイントとプリントで紹介・説明し、実際に体験する二段構想での授業を心掛けました。例えば、「こどもの日」にはパワーポイントで写真を見せながら詳しく説明をし、クイズ形式のプリントで概要を確認します。その後、大きくカラフルな模造紙で兜を作り、兜をかぶりながらこいのぼりの歌を歌いました。また、実際の兜を見せたり、こいのぼりに色を塗って、教室前の廊下に掲示したりしました。文化の授業は他の授業にも増して楽しそうでした。

地域も巻き込むジャパンナイト

受入機関では日本語優等生協会に所属する学生が中心となる年次イベントが様々あり、その全てのイベントのサポートをしながら携ることができました。それらのイベントの目的は日本や日本文化を地域の人々に広めることです。主なイベントとして、ホームカミングのパレード参加、老人ホームにバレンタインデーカードの配布、東京の高校生の学校訪問などがあります。その中でも、最も印象深かった活動はジャパンナイトです。日本語プログラムに使う資金調達の為に始められたこのイベントは、地域や日本語を履修していない学生などに日本の文化を紹介する良い機会です。舞台では太鼓演奏、剣道デモンストレーション、着物デモンストレーションなど、ブースでは金魚すくい、ヨーヨー釣り、書道、茶道、アニメ、ゲーム、日本語、ラッフル(くじ引き)、おりがみなど様々な日本特有の文化が紹介されました。イベントでは現地に住む日本人や日系人の方々にも様々な形で協力していただき、学生達は地域の住民だけでなく、現地で活躍する日本人とも交流できました。

折り紙の力

オレゴン州にはポートランド総領事館・日米協会・商工会などによる日本に関する様々な年次イベントが開催され、様々な形でボランティアとして参加しました。例えば、春に行われるさくらフェスティバルでお箸の使い方を教えたり、日本語スピーチコンテストでタイマー係をしたり、西海岸のビーチに東日本大震災によって流れ着いたゴミ清掃活動のお手伝いをしたり、年始の餅つき大会で領事館ブースのお手伝いをしたり、日系スーパー宇和島屋主催のフェスティバルジャパンでたこ焼き売りや折り紙ワークショップをしたりしました。全てのイベントでたくさんの若者も交えた日本に関心がある方々と話し、交流がありました。特に、折り紙ワークショップではたくさんの人とお話する機会がありました。日本で折り紙は子供の頃に一度は体験し、ほとんどの人が飛行機や鶴が折れるというイメージですが、派遣国では自ら折ったことのない若者や大人が大半で、折り紙ブースは大変人気のブースでした。また、日本の伝統遊びの一つと知らない若者がいることにも驚きました。多くの人が私たちボランティアスタッフの作った繊細なサンプルを見て、日本のテクノロジーは折り紙から来るのではないかと言っていました。老若男女問わず多く人に折り紙を通して、日本を少しでも知ってもらえる機会となりました。

100%の準備と120%の柔軟性

何事も万全の準備が大切です。どんな状況でも対応できるように様々な状況を想定し、前もって支度する必要があります。例えば授業では、授業前にレッスンプランを入念に頭に入れますが、その時の授業の進行や生徒の反応によってやむ終えなく授業内容を変更したり、考えていたアクティビティを次のレッスンプランに組み込んだりすることがあります。レッスンプランを考える際にどんな状況があり得るかを考え、準備する必要がありますが、それに加え、何事にも柔軟に対応する必要があります。これは授業だけでなく、派遣先での生活においても同じ事が言えます。一つの準備だけでなく、それが上手く行かなかった時のオプションをいくつか作っておくと、パニックにならなくて済みます。
また、派遣される地域によって日本文化の浸透率や日本関連機関の有無は様々です。現地の人たちやインターネットから色々なコミュニティーを探し、出来るだけたくさんのイベントに参加し現地に住む多くの人たちと交流をもつことは、派遣校での仕事に加えとても大切です。これから本プログラムまたは類似プログラムにて派遣される若手日本語教員には固定観念を捨て日本人代表の一人であることをしっかりと心にとどめ、発言・行動に責任を持って楽しく日本を広める大使となることを期待します。

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