日本語で学ぶこと、日本語を学ぶこと

バデューゴ・ウッドランズ・エレメンタリー・スクール
小林 未帆

カリフォルニア州における日本語教育

カリフォルニア州は、北アメリカの西海岸に位置しています。人口でアメリカ合衆国最大の州であり、面積で3番目に大きな州です。アジアや南米からの移民が多く、チャイナタウンやリトルトーキョーなど、それぞれの文化が集中している地域があります。5歳以上の住民のうち40%以上の家庭で、スペイン語、タガログ語、中国語、ベトナム語、朝鮮語などの英語以外の言語を話しています。

カリフォルニア州の日本語学習者数はアメリカ合衆国全体の約24%を占め、プリスクールから大学院まで幅広いレベルの日本語教育機関があります。外国語として日本語を学ぶ学習者以外に、日本人や日系人が多いことから、継承語として日本語を学んでいる年少の学習者も多く、州内には補習授業校も複数あります。このような学習者の数の多さに比例して日本語教師の数も多く、カリフォルニア日本語教師会(CAJLT)や南カリフォルニア日本語教師会(TJSC)、北カリフォルニア日本語教師会(NCJTA)などの地域毎に日本語教師会があり、研修会や日本語教授法についての情報交換が活発に行われています。

Foreign Languages Academies of Glendale /Japanese

受入機関のVerdugo Woodlands Elementary Schoolがあるグレンデール市は、カリフォルニア州南部のロサンゼルス郡に位置する都市です。市内には、Foreign Languages Academies of Glendaleの名のもとに、7つの言語のイマージョンプログラムをもつ公立の小学校がそれぞれあります。日本語は、デュアルイマ―ジョンの50/50モデルを採用しており、1日のうち英語と日本語で各教科を学ぶ時間が50%ずつになるよう工夫して授業が行われています。日本語の授業は教科書がないため、英語と同じカリキュラムをもとにして教師が作り替えたり、出版社が作成したブリッジマテリアルや古い教科書から適当なものを選択したりして授業を計画・実施しています。2014年度の学校全体の生徒数は約820人で、教師数は約30人でした。そのうち、日本語イマージョンプログラム(以下、JDL)の生徒数は約220人(幼稚園から第5学年まで)で、教師数は9人(英語担当4人、日本語担当4人、英語と日本語両方を担当1人)、日本語学級アシスタント数は2人(筆者含む)でした。

1年生のアシスタントティーチャー(以下、AT)として、カタカナや漢字の文字指導の授業計画作成と実施、読み聞かせ、学級図書のレベル分けと追加購入の提案、教室の掲示物の作成、ワークシートやアクティビティーの提案と教材の作成等を行いました。

J-LEAPとしての活動

受入機関で授業時間以外に行った活動は、季節に合わせた文化的行事の掲示物を作成や、アフタースクールプログラムでの日本語指導でした。

文化紹介の掲示は、自分が受け持つクラス以外のJDLの子どもたちにも日本文化を紹介したいという意図もありましたが、学校にJDL以外の先生方やスタッフ、子どもたちや保護者に対して少しでも日本文化を知ってもらいたいという意図もあり、来校者が学校に入ってまず目にするフロントオフィスの壁に掲示内容の説明とポスターを掲示しました。

また、主に日本語を話さない家庭の子どもたちを対象としたアフタースクールプログラムのレッスンプラン作成からレッスンの実施・見直しまでを一人で行いました。レッスンは、低学年クラスと高学年クラスをそれぞれ週1回ずつ行いました。一つのクラスに学年と日本語レベルが異なる子どもたちがいたため、既習事項を定着させるような内容よりも、日本語があまり得意ではない子どもたちでも楽しみながら日本語を使えるようにゲーム形式の活動を取り入れたレッスンを考えました。

その他、日本領事館やThe Japan Exchange and Teaching Program同窓生等、受入機関以外の機関が主催する日本語や日本文化に関連するイベントに参加して日本に関するプロモーション活動に協力したり、日本語能力試験の手伝いをしたりしました。

1年を振り返って

派遣前は、「イマ―ジョンプログラムで学ぶ」ということは、「日本語を学ぶ」のではなく、「日本語で学ぶ」ことだと考えていました。しかし、実際には、子どもによって日本語のレベルは様々で、全員が同じように日本語で学ぶ段階に到達しているわけではないのだと感じました。イマ―ジョン教育においては、日本語をどのように教えるかという日本語教師としての知識だけではなく、各教科と関連させてどのような語彙や文法を教えるか、どのようにして一度教えた語彙や文法を繰り返し使う機会を作るかも重要であるということが分かり、私にはこの教育方法がとても興味深く映りました。1年目の反省や経験を活かして、イマ―ジョンティーチャーとしての知識を習得し、経験を積むよう努力したいと思います。

2年目は、幼稚園のATとアフタースクールプログラムの1年生から6年生の日本語指導を担当します。受入機関に在籍する全ての学年の子どもたちを指導できることは大変貴重な機会ですが、より一層、カリキュラムを詳しく知ることと子どもの実態に合わせた教授法を取り入れるようにしなくてはいけないと感じています。そして、日本語を使うことが楽しいと感じてもらえるような活動を考えたいと思います。

今後も引き続き、受入機関で英語担当と日本語担当のそれぞれの先生の授業見学をさせていただいたり、日本語教育やイマ―ジョン教育に関するもの等、可能な限り多くの研修に参加したりして、教師としての知識と指導力を身に付けることができるように努めたいと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3

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