ピッツバーグでの2年間の派遣を終えて

シェラー・エリア・ハイ・スクール
岩﨑 俊二

アシスタントティーチャーとして

この2年間このプログラムを通してたくさんのことを学ばせていただきました。アシスタントティーチャー(以下、AT)としてだけでなく、一教育者として、そして一インターナショナルシティズンとして大きく成長できたと感じます。シェラーエリアハイスクール(以下SAHS)ではリードティーチャー(以下、LT)と二人三脚で日々を過ごしました。この2年間の一番の成果は、LTの日本語力がアップしたことだとLTに言っていただけたことだと思います。LTは日本語教育を受けたことがなく、日本で生活したことがあり、その時に住んでいた京都で覚えたことを基に自主勉強をして、試行錯誤を繰り返しながら日本語を教えていたそうで、関西弁と気付かずに教えているものもありました。「そういうものも無くなり、わからなかった文法もクリアになり、様々な面で上達した」と喜んでいただけました。もちろん生徒が増えたり、全体の日本語のレベルがアップしたことも成果だと思いますが、SAHSの今後に役立ったことはLTのレベルアップに貢献できたことだと思います。レッスンプランやアクティビティを今までのものから見直しながら改善していき、研修や学会等に行った際に得た新しいアイデアにどんどん挑戦していくことができました。

授業外の活動

派遣地では授業の他にも全米日本語教育学会主催の日本語優等生協会(以下、JNHS)のサポートをしたり、地域の団体の活動の手助けをしたりする機会がありました。 JNHSではJNHSの生徒役員と話し合いながらどのようなイベントをするか決め、そしてピッツバーグにある公園への桜の植林プロジェクトに参加をし、他にもクッキングレッスンや映画鑑賞、茶道体験などをしました。LTが学区の広報の方に積極的に声をかけ、校内新聞だけでなく、学区の地域新聞に何回も記事を載せていただき、ピッツバーグ市の大手新聞社にも取材をしていただき、新聞に載ることができました。JNHS所属者が1年目は20人ほどだったのが2年目では38人になり、アメリカ全体でも比較的大きな支部となることができました。
地域での活動として、カーネギーライブラリーでJ-LEAP1期生と3期生の方の後を継ぎ、日本語クラスのボランティアをしました。そのライブラリープログラムのコーディーネーターである日本人司書の方と話し合いながら、日本語教師でなくても地域に住む日本人ボランティアの方が簡単に教えられるような教材作りを積極的に行いました。そのご縁もあり、司書の方に国際交流をする日本の高校を探している高校を紹介していただき、まだ確定はしていませんが、派遣校に有益となる機会を与えていただけました。

様々な交流イベントを通して

国際交流基金によるKAKESHASHIプログラムに従事できたこと、そしてペンシルベニア日米協会でボランティアをしたことによりTOMODACHIプログラムとのつながりができ、日米の高校生の交流に貢献することができました。私が派遣された学区には日本人が極めて少なく、私以外の日本人に会ったことがない生徒がほとんどでした。日本人がわりと住んでいるピッツバーグ市中心部からやや遠いこともあり、多くの日本人と触れ合う機会をあまり設けることもできなかったので、KAKEHASHIプログラムで日本人高校生を受け入れたことは、生徒にも地域にも大変意味のあることになりました。受け入れが決まり、LTとどのように日米の生徒が意見交換をできるか、楽しい日々を過すことができるかなどを考え、実行しました。それにより密な日米交流が本当に大事なことだと実感し、LTと共にどうにかして姉妹校関係を持てる学校探しを始めるようになりました。私が就任時に確定させることはできませんでしたが、きっかけをLTと作ることができました。
TOMODACHIプログラムでは2015年度に、愛知県にある日本福祉大学付属高校太鼓部のピッツバーグでの受け入れのお手伝いをしました。ツアーガイドや通訳をし、プログラムに貢献をしました。そこで太鼓に興味が湧き、太鼓に通い、SAHSで太鼓メイキングをJNHSのイベントとしてすることができました。2016年度では帰任後ですがピッツバーグの高校生10人の日本福祉大学付属高校での受け入れのお手伝いをし、若者の国際交流の手助けをすることができました。それもJ-LEAPに参加できたことの賜物だと思います。

今後の教育のために

日本もアメリカも外国語教育を重視し始めているように思われますが、実際に中に入るとまだまだ体制が整っておらず、外国語教育が盛んなのは都市部に偏ってしまったりしていると思います。だからこそこのJ-LEAPのようなプログラムは本当に意味のあるもので、言語教育のことを考えるなら今後絶対途絶えて欲しくないですし、教師を目指している方は挑戦することを恐れず、視野を広げて活躍してほしいです。そして今回J-LEAPを通して学んだことはティームティーチングが言語教育においてとても有効的な教授法であるということです。ターゲット言語がネイティブのATがいても、うまく活用できていないことがあると聞いたことがあるのですが、教育委員会や政府がもっと現場の大変さを理解し、サポートしていくことができる社会を作り上げなければいけないと思います。そしてこれからATになる方はLTとの関係をうまく築き、アイデアが浮かべばすぐに提案し、実行できるようにしてほしいです。そして派遣校だけでなく地域の団体と積極的にふれあい、派遣校、そして自分自身の未来の糧になるように勤め上げてほしいです。私自身も得た経験を生かして、より良い国際社会を作ることに携われるようになりたいと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2

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