二年を振り返って

アポクイニミンク・ハイ・スクール
西田 香織

アシスタントティーチャーの仕事

アシスタントティーチャー(以下、AT)として担当した業務は、上級クラスの授業、各クラスの漢字指導、リードティーチャー(以下、LT)が授業をする中でついてこられていない学生や学習障害がある学生への補助指導でした。特に上級クラスの授業、漢字指導についてはLTの苦手分野でもあったようで、私が帰国した後も、LTが私の作成した教材をもとに授業ができるようカリキュラムや練習問題などを作成していました。
私は以前韓国で日本語を教えていました。韓国では講義形式の授業や文法習得を目的とした授業が中心でしたが、アメリカでは勉強している外国語を実際に使え、話せるようになるための授業を計画していました。学校での研修や日々の授業の組み方などを通して、日本の教育との違いを感じました。自分が学生であった時もそうですが、韓国でも会話練習をする前には文法をまずしっかり学習することが必要とされていました。韓国では大人の方が仕事で使うからという目的で学校に来られることもあり、ミスの少ない日本語を話してほしいということから、文法がしっかり定着するよう授業が組まれていたと思いますが、受け入れ機関では対象年齢が高校生、外国語の授業は卒業必須単位だったため、必ずしも全員が「日本語を勉強したい」、「日本に興味がある」という学生ばかりではないということもあり、日本語を楽しみながら勉強する、そして話せるようになるということに重点を置いていました。動詞活用練習やただ文法問題を繰り返すのではなく、教師のスキットを見て、新しい文型がどんな状況で使えるのか考えたり、実際に習った文型を使いお互いインタビューをしたり、自分たちでスキットを作ったりと、私が日本語養成講座で学んだやり方や韓国でのやり方とは違ったのでとても新鮮でした。学習者の対象年齢や学習目的にあわせ授業のやり方を工夫することは大切なことだと改めて実感しました。

授業外で

毎月一度放課後に日本語クラブを行っていました。学生たちからしたいことを募り、それをもとにプランを立てていました。浴衣を着たり、習字をしたり、正月遊びをしたりと普段授業の中ではあまり文化体験ができなかったので、授業ではできないことができ、学生たちはとても喜んでいました。語学を勉強することはもちろん、その国の文化を体験することも、相手を理解し、もっと日本について知りたいという学習意欲につながると実感しました。学校の方針もあり、授業で文化体験をなかなかさせてあげられないのですが、日本語クラブでは来られる学生と来られない学生がいるので、今後授業の中でも文化体験ができるような時間を作れるようになればと思いました。

日本とのつながり

デラウェア州は宮城県と姉妹提携があり、毎年宮城県仙台市の高校から20名程度の学生が短期留学に来ています。学生の中からホストファミリーをつのり、一緒に登校したり、放課後過ごしたりと学生たちにとって、とても有意義な時間になったようです。また、ホストファミリーをしている学生は留学生たちとのつながりがあるのですが、ホストファミリーをしていない学生はなかなか日本人の学生と話す機会もないため、授業に日本人学生を招き、みんなで話す機会を設けました。上級クラスの学生はなるべく日本語で、初級クラスの学生はできる限り日本語で話すようにしていました。その後も学生同士交流があるようでメールのやりとりをしていました。学生の中には頑張って日本語でメールを続けている学生もおり、わからない表現や言いたいことがうまく言えない時など相談されることもありました。普段なかなか日本人と会うこともないので、短期留学をきっかけに日本語で話せたこと、そして日本人の友達ができたことは学生たちにとっていい経験となりました。
このように実際日本とのつながりができることはいいことですが、日本人に会うことも少なく、日本のことをあまり知らない人が多いという場所であるからこそ、日本語を学んでいる学生に日本のことを伝えていくことも大事だと思いました。日本語、日本のことを学んだ学生がアメリカで日本について話してくれることで、日本とアメリカとのつながりが増えることを願っています。

今後派遣される方へ

広い視野を持ち受け入れる心が大事だと思います。日本に住んでいてもありますが、外国に住んでいると文化の差や、習慣など日本とは違うこと、自分とは違うことが出てくると思います。それが面白く興味を持てることもありますが、時にはお互い理解できず、悩むこともあると思います。自分の意見を押し付けるのではなく、違いを受け入れ、相手を理解しようという気持ちを持つことが必要だと思います。また、学生も自分の州のことしか知らないということもあります。外国人に会う機会がすくないからこそ、他者を受け入れる気持ち、違いを理解することを学生にも教えることが必要だと思います。そして日本人(自分)がいるからこそできることを考えて、活かして欲しいと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2

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