日本語専門家 派遣先情報・レポート
ケニヤッタ大学

派遣先機関の情報

派遣先機関名称
ケニヤッタ大学
Kenyatta University
派遣先機関の位置付け及び業務内容
専門家は多岐にわたる業務を行う。国立ケニヤッタ大学では2004年から日本語の授業が開始、現在は、観光学科の学生には必修選択科目である第二外国語の選択肢のうちの一つとなっている。それ以外の学生には、自由選択科目の入門日本語コースと、その上の日本語副専攻コースが開講されている。専門家は同大学における日本語の授業、現地日本語教員に対する助言の他、在ケニア日本国大使館広報文化センターにおいても各種日本語講座を担当する。ケニア日本語教師会を支援し、日本語能力試験、日本語弁論大会、日本語教育会議の運営に携わり、ケニア及びサブサハラ・アフリカ全域におけるネットワーク形成促進、各種調査等に従事する。
所在地
P.O.BOX 43844-00100 Nairobi Kenya
国際交流基金からの派遣者数
専門家1名
日本語講座の所属学部、学科名称
ケニヤッタ大学人文社会学部 文学・言語学・外国語学科
日本語講座の概要

再始動:コロナの制約を経て、以前の日常への新たなスタート

ケニヤッタ大学
井手玲奈

ケニアでは私が着任した2022年9月からはすっかり元の生活に戻っていると言えます。
本レポートでは、一斉対面授業が再開されたケニヤッタ大学の様子と、第15回ケニア日本語弁論大会についてご報告します。授業も弁論大会もコロナによる制約された不安な時期を経て、2023年5月現在、全てが通常通り対面で開催できています。

ケニヤッタ大学

2022年9月ジャカランダの花が芽吹く構内に多くの学生が戻ってきました。私が派遣されているケニヤッタ大学では、コロナ以降オンラインと対面の混合で授業が行われていました。2022年9月からは学生が待ち望んでいた一斉対面となり、日本語講座の登録の朝、通常より多い300名もの学生が集まりました。ついに元のキャンパスライフが戻ってきたのです。自由選択で受講している学生が多いケニヤッタ大学では、希望すれば日本語講座を無料で受講でき、専門の授業の合間を縫って勉強しています。日本語を勉強している理由は?と尋ねると、「日本文化が好き」「日本語が好き」「日本に留学したい」との答えが多く、日本から遠く離れたここケニアで、学生たちが日本・日本語に関心を持ってくれることは非常に嬉しいことです。またコロナの間、活動を休止していた日本語クラブの再開の動きもあります。日本語の本や教材も手に入らない、また日本語の授業以外に日本語を使う機会がほとんどない学生が、授業や日本語クラブを通じて、学習動機を維持し、成長できるように、さまざまなサポートをしていきたいと思っています。

ジャカランダの写真
日本語教室のそばのジャカランダ

第15回ケニア日本語弁論大会

2023年3月にケニア日本語弁論大会を開催いたしました。2020年はコロナで中止、2021年はオンライン開催、2022年は無観客開催であったため、実に4年ぶりの通常の形式での開催です。会場では17名の弁士がスピーチを披露し、100名のエンターテイメントの参加者、250名の観客が集まりました。弁士は日本や日本語への熱い想いを語り、エンターテイメントでは、日本語の歌や踊りが披露され、会場の一体感を高めてくれました。弁士たちは、それぞれ日本語を勉強している機関が違い、中には独学で勉強している人もいました。そのため、対面での開催はお互いの情報共有、いい刺激の場になっていると確信し、コロナ以前は当たり前だった対面での交流や学びの尊さを再認識しました。
こちら、弁論大会のリンクです。
https://youtube.com/watch?v=ATineNKxSEc&feature=share9
優勝した弁士は、2023年度の日本語学習者訪日研修(各国成績優秀)にも選ばれました。将来マサイ族の村に日本語学校を作りたいそうです。ぜひ聞いてみてください。

ケニヤッタ大学での日本語教室の写真
ケニヤッタ大学での日本語教室の様子

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