世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) もっと多くの人に!

国際交流基金ニューデリー日本文化センター
伊勢田 涼子・竹村 徳倫・徳間 望

初中等教育の先生たちが大活躍しています

中等教育の子どもたちと先生たちの写真
中等教育の子どもたちと先生たち

 北インドでは多くの初中等教育機関で日本語クラスが行われていますが、がんばって日本語の勉強をしているのは子どもたちだけではありません。中等教育の日本語の先生たちもがんばっています。

 現在ニューデリー日本文化センター(以下、JFND)では初中等教育の日本語の先生たちを対象に教師研修を行っていますが、たくさんの先生たちが毎週JFNDにやってきます。

 今年2月から3月にかけて行った初中等教育の新教師養成研修では、現場を知る先生たちが初中等教育での授業のノウハウを受講者に教えました。また、先生たちは新しく日本語を導入したい学校に出向いて日本語のプロモーション活動などへの協力も積極的に行っています。

 2006年に始まったインドの初中等日本語教育は、現場の先生たちの大活躍でますます活気づいていきそうです。

教師研修でe-Learning対応クラスを始めました

 インドはとても広いので、デリーで活動しているとどうしても他の地域まで手がまわらないということがあります。上記の教師研修についても、参加したくても距離の問題で参加できない、家事や仕事に追われて参加できないという声が先生方から聞こえてきました。そこでこの距離と時間の問題を解決するために、JFNDでは今年2月からe-Learningコンテンツを使った教師研修を開始しました。まだまだ始まったばかりなので課題は山積みですが、IT大国インドでのe-Learningにご期待ください。

JF講座、新規開講です!

まるごとの受講生の方々の写真
まるごとの受講生の方々

 JFNDでは、2011年12月にJF講座を新規開講しました。JFNDの講座は、「学校」ではなく「カルチャーセンター」をイメージしています。いつでも気軽にちょっと立ち寄れて、みんなが楽しくハッピーな気持ちになれる、そんな講座運営を心掛けています。受講生は大学生から80歳のお年寄りまで、バックグラウンドも様々です。多言語多文化国家であるインドの人たちは、語学学習の達人です。日本語、という全く知らない言葉で話しかけられることにちっとも物怖じしません。ヒンディ語ですらインド全土では通じないという彼らの日常が、「わからないと不安」という私たちの語学学習の常識に対して、「わからなくて当たり前」という180度違った常識を生み出しているようです。

 JFNDの講座の主要テキストは、『まるごと 日本のことばと文化A1(活動編)』(以下、『まるごと』)です。「あいうえお」を書くことから始めるのではなくて、音から学ぶこと。文法を教えず、受講生の既習知識や推測能力を最大限引き出しながら学んでもらうというスタイルは、インド人の語学学習スタイルにぴったり合っているようです。あっという間に音を覚えてしまい、正確に発音できる受講生たちにはいつも驚かされます。

 今、力を入れて取り組んでいることの1つは、講座を担当する現地の先生方の為の『まるごと』について理解を深める勉強会や研修です。先生方は新しいことにチャレンジしたい、もっと上手に教えられるようになりたいという向上心でいっぱいです。勉強熱心でユーモアたっぷりの先生方と学び合い協働しながら、インドの日本語教育を盛り上げていくことが、何よりも楽しいことです。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
The Japan Foundation, New Delhi
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
インドおよび周辺の南アジア諸国における日本語教育支援・普及を目的としている。具体的な業務としては、(1)インド国内外での巡回セミナー、勉強会、コンサルティングなどを通じた日本語教師や日本語教育機関への支援・協力(2)初等・中等学校への新規日本語導入のためのプロモーション活動、行事への参加(3)初等・中等学校に所属する現職教師の研修および新教師養成、日本語教育へのe-Learning導入推進(4)初等・中等教育用の試験問題の作成(5)JF講座の運営、講座担当講師の育成 など多岐にわたる。
所在地 5-A, Ring Road, Lajpat Nagar-IV, New Delhi, 110024, India
国際交流基金からの派遣者数 専門家:3名
国際交流基金からの派遣開始年 1999年

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