日本語教育通信 本ばこ 『ドラえもんのどこでも日本語』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『ドラえもんのどこでも日本語』

 

著者:稲原教子、マッキャグ五藤ゆかり、當作靖彦、ヴァージル藤本典子
出版社:株式会社小学館

ドラえもんのどこでも日本語

URLhttp://www.shogakukan.co.jp/
発行年月:2009年2月
ISBN: 978-4-09-510134-7
判型・頁数:A4判、210頁
定価:2,100円

 本教材は、初級を終え、中級に進んだ学習者のために作られました。他の中級教材の補助教材としての位置づけですが、主教材としても使うことができる一冊です。
 登場する主人公は、アメリカの高校で日本語を4年間勉強し、1年間ホームステイをする予定で来日した留学生トム・キャンベル君です。そして、タイトルや表紙からも想像できるように、ドラえもんも随所に登場し、トム君の留学生活を助けます。学習者は、トム君のホームステイ体験を通して、日本文化に触れながら日本語学習を進めていくことができます。

トム君と日本文化・日本語を学ぼう

 本教材は10章から成ります。各章のトピックは次の通りです。

ついに成田到着/日本の家/地震?台風?大変だ~!/学園祭・クラブ活動/年末年始/病気と健康/生活/メディアとテクノロジー/将来/旅行

それぞれの章は次のような構成になっています。

  1. オープニングページ・・・これから学習するトピック、語彙、言語機能、読み物の内容、作文の課題、関連事項が英語で書かれています。
  2. まんが・・・トム君の体験を紹介し、読者の関心をひきつけます。
  3. 新しいことば・・・そのトピックで必要な語彙が載っています。新しい語彙を使って文化の比較をしたり、知識の整理をしたりする活動も含みます。
  4. 思い出してみよう・・・初級で学んだ文型や表現を思い出し、使いこなせるようになる練習をします。
  5. チャレンジしてみよう・・・③④で学習した文法や語彙を使って、実際に話したり書いたりする練習をします。
  6. 読んでみよう・・・トピックに関連した読み物を読み、質問に答えた後、内容を深めるディスカッションをします。
  7. 書いてみよう・・・構成に注意しながらトピックに関連した作文を書きます。
  8. 話を作ろう・・・ドラえもんやのび太君が登場する短いマンガにせりふを入れてストーリーを作ります。
  9. ドラミちゃんコーナー・・・トピックについての補足情報や、さらに考えたり話し合ったりするための「タネ」が載っています。

受身から能動的な日本語学習へ

 教師の説明を聞いて知識を増やすタイプの中級教材と違い、学習者が自分で調べてまとめる、自分の言葉で伝える、物事を客観的・分析的に考える活動が多く取り入れられているところが本教材の大きな特徴と言えるでしょう。アメリカのナショナルスタンダーズを意識し、アメリカ人の学習者を想定した活動が多く設定されていますが、自国の学習者に合うように教師が工夫を加えれば、どこの国でも使うことができます。
 インターネットで情報収集をする活動がありますが、専用ホームページ「どこでもweb」を使えば、検索をスムーズに行うことができて便利です。

P.149 P.150

(押尾和美/日本語国際センター専任講師)

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