日本語教育通信 本ばこ 『マンガでわかる実用敬語初級編』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『マンガでわかる実用敬語初級編』

著者:釜渕優子
出版社:株式会社アルク

マンガでわかる実用敬語初級編

URLhttp://www.alc.co.jp
発行年月:2009年10月
ISBN:978-4-7574-1633-8
判型・頁数:B5判、168頁 英中韓対訳付き CD1枚
定価:2,100円

 敬語は、学習者にとって使うのはもちろん使い方を理解するのも難しい項目です。この教材は、日常生活でよく使われている表現から“敬語”というものに慣れ、学ぶことを目指しています。敬語を使い分ける上で重要な、相手との関係や状況などは4コママンガで示してあるので、とてもわかりやすくなっています。

 敬語と聞くと、「れる/られる」「いらっしゃる」「お~する」など尊敬語や謙譲語をイメージしがちですが、実際のコミュニケーションでは、そのほかにも様々な言葉や婉曲的な表現を使って丁寧さを表しています。例えば、電器店で前日に買った商品の交換を依頼するときに、「交換してもらえると、ありがたいんですが…。」と言えば、「交換してください。」と言うより丁寧ですし、場面にふさわしい表現になります。このような尊敬語や謙譲語を使わない表現も、相手や場面に配慮した表現として敬語に含めて考え、取り上げている点も、この教材の特徴でしょう。

身近な場面で「話せる」「聞いてわかる」

 全体は3部に分かれています。第1部「話してみよう!」では、目上の人とのやりとりに限らず、日常的な場面、例えば店や銀行、駅などで、依頼したり、尋ねたり、許可を求めたり、苦情を言ったりするときに使う表現を学びます。身近な場面を通して、敬語を自分で使えるようになることを目標としています。

 第2部「聞いてみよう!」では、日常的な場面で、敬語で話された言葉を聞いて意味がわかるようになることを目標としています。例えば、許可を求められて断るときに、「申し訳ありませんが、~できないことになっております。」「それはちょっと…。」「それはご遠慮いただいております。」・・・などの様々な表現があることを学びます。

 第3部「敬語の種類」では、尊敬語、謙譲語などの分類や説明、形の作り方などを簡単にまとめて紹介しています。

場面の理解と使われる表現に注目

 初級では、依頼の表現として「~ください」を最初に習うかもしれませんが、実際の場面では、相手や依頼する内容によって表現は様々です。「こういう場面では、どう言ってお願いするのが丁寧でしょうか?」と、場面と表現を結びつけて覚えるようにするといいでしょう。マンガの会話を読んだり付属のCDを聞いたりして新しい表現を覚える方法もありますが、マンガのキーフレーズ部分を消して、どのような言葉が入るか考えさせてから、CDを聞かせてもいいと思います。

P.40
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P.41
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(中村雅子/日本語国際センター専任講師)

国際交流基金の新刊教材・図書

『国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第4巻 文法を教える』
2010年3月(ひつじ書房)
<関連情報>
新規日本語教授法教材『国際交流基金日本語教授法シリーズ』

国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第4巻 文法を教える

日本語国際センター図書館

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日本語国際センター図書館
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4月のテーマ展示「『日本語教育通信』65号「本ばこ」掲載資料」
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