日本語教育通信 本ばこ 『できる日本語 初級 本冊』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『できる日本語 初級 本冊』

著者:できる日本語教材開発プロジェクト
出版社:株式会社アルク

教科書が変わると、教師が変わる 教師が変わると学習者が変わる できる日本語

URLhttp://www.alc.co.jp/
 書籍情報:http://shop.alc.co.jp/spg/v/-/-/-/7008004/
発行年月:2011年4月
ISBN:978-4-7574-1977-3
判型・頁数:B5判、302ページ

 本教材は、「できる日本語」シリーズの中でも初級レベルを対象に作られた総合日本語教科書です。

 学習時間150時間で、OPIでは初級―上から中級―下レベルの日本語能力の習得を目指します。課は全部で15あり、1つの課は3つのスモールトピックからできています。課のタイトルは以下のとおりです。

はじめまして/買い物・食事/スケジュール/
私の国・町/休みの日/一緒に!/友達の家で/
大切な人/好きなこと/バスツアー/私の生活/
病気・けが/私のおすすめ/国の習慣/テレビ・雑誌から

 ここでは、第2課の「買い物・食事」を例に見ていきましょう。

まず日本語で言ってみよう!使ってみよう!

 第2課の行動目標は、「お店の人や友達と簡単なやりとりをして、買い物をしたり、料理の注文をしたりすることができる」です。そして、スモールトピックと行動目標は、「1.どこですか:自分が買いたい物がどこにあるか聞くことができる。」「2.いくらですか:自分が買いたい物の値段を聞くことができる。」「3.レストラン:レストランで注文することができる。また、忘れ物の持ち主が誰か聞くことができる。」となっています。教師は次のような流れで授業を進めます。

 各課は、「話してみよう」「聞いてみよう」で、これから学習するテーマをクラスで共有するところから始まります。ここでは教師は、扉ページにある「話してみよう」のイラストを一緒に見ながら、今どんな場面にいて、そこではどんなことを言えばいいのか等、学習者の自由な発話を引き出すようにします。そのあと「聞いてみよう」でモデル会話を聞かせます。モデル会話にはこれから学習する表現なども含まれていますが、ここではまだ取り上げません。次に、スモールトピックに移ります。

 「チャレンジ!」も同様に、イラストを見ながら場面を想像し、その場面で必要とされる表現を学習者が自由に言ってみる時間を取ります。いろいろなアイディアが出され、十分に動機付けができたら、CDを流し、新しく学習する表現を紹介します。表現や文型を確認したら、「言ってみよう別冊」(本冊付属)で形の練習、「言ってみよう」で簡単なやりとりの練習をします。そして「やってみよう」で、聞き取りと話す練習をします。

 この流れで3つのスモールトピックを終えたら、課のまとめとなる総合的な活動をします。2課の「できる!」では、「スーパーへ行って、買い物をしましょう」「それから、お店でご飯を食べましょう」という活動にチャレンジします。最後に、「聞いてみよう」で聞いたモデル会話をもう一度聞き(「もう一度聞こう」)、日本語力の伸びを確認します。

 「できる日本語」シリーズは、「対話力」、つまり自分のことを発信したり、相手とやりとりをしたりできる日本語力が身につくことを大切に考えています。本教材には、聞く練習や話す練習がたくさんありますが、15課を通して繰り返し練習することで、無理なく「対話力」がついていくでしょう。

測ろうとする日本語能力から考えます

 この本では、各クラスで行う中間試験や修了試験、プレースメントテストなど、多くの教師にとって身近なテストに焦点が当てられています。そして、「文法」「語彙」「文字」「作文」「会話」「読解」「聴解」のそれぞれのテストについて、作成する上で必要となる事項を整理・確認し、テストの設計図である「細目表」を作る手順が説明されています。例えば7章の「読解テストを作る」は次のような構成と内容になっています。

P.32、P.33の画像
P.32               P.33

(押尾和美/日本語国際センター専任講師)

国際交流基金の新刊教材・図書

国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第3巻 文字・語彙を教える 国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第10巻 中・上級を教える 国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第12巻 学習を評価する

『国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第3巻 文字・語彙を教える』(ひつじ書房)
『国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第10巻 中・上級を教える』(ひつじ書房)
『国際交流基金 日本語教授法シリーズ 第12巻 学習を評価する』(ひつじ書房)

<関連情報>
新規日本語教授法教材『国際交流基金日本語教授法シリーズ』

日本語国際センター図書館

「日本語教育通信」の「本ばこ」では、新しく出版された図書の紹介を行っていますが、日本語の教材や、日本語、日本語教育関連の図書についての情報がほしいときは、日本語国際センター図書館のホームページもぜひ利用してください。

日本語国際センター図書館
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