日本語教育通信 本ばこ 『もっと 中級日本語で挑戦!スピーチ&ディスカッション』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『もっと 中級日本語で挑戦!スピーチ&ディスカッション』

編者:黒崎典子
著者:黒崎典子、石塚久与、高橋純子、二瓶知子、渡辺恵子
出版社:凡人社(http://www.bonjinsha.com/

もっと 中級日本語で挑戦!スピーチ&ディスカッション

書籍情報:http://www.bonjinsha.com/product/?item_id=5652
発行日:2013年1月
ISBN:9784893588449
判型・頁数:B5判・103頁

 中級から上級にかけての学習者が話す力(プレゼンスキルや対話力)を伸ばすためには、どんな授業をしたらいいだろうか、と考えている先生方に、本書は役に立つかもしれません。
 本書は、スピーチやディスカッションを通じて、クラス活動やペアワークを充実させ、「公の場でまとまった内容のことを話したり議論をしたりする」ことができるようになることをめざしています。学習対象者は、学習時間が600~750時間程度で、日本語能力試験N2合格レベルの学習者です。

本書の構成

 本書は、6つの独立したユニットから構成されていますが、全体としてはスパイラル構造になっていて、順番に進めば、後続のユニットに無理なく接続できるようになっています。

UNIT 01 自己紹介 上手に自分をアピールしよう!
UNIT 02 インタビュー 目上の人にインタビューしてみよう!
UNIT 03 スピーチ(1) 1分間で内容豊かに話そう!
UNIT 04 スピーチ(2) 新聞を読んで自分の意見を述べよう!
UNIT 05 ディスカッション(1) 大学生の就職活動
UNIT 06 ディスカッション(2) ほめて育てる? しかって育てる?

 ユニット全体の流れを見ると、自分を見つめ、聞き手にアピールすることからはじめ、インタビューで対話力をみがき、一分間スピーチですっきりわかりやすく話す練習を行います。そして、資料を用いて説得力ある意見を述べることに発展させ、さらにディスカッション(調べたことをまとめること・質疑応答をすること)やディベート(異なる意見を持つ相手との議論)に挑んでいくという流れになっています。最後のユニットでは、特に、相手の話を正確に聞いたうえで話すということも目標になっています。

各ユニットの構成

 はじめに、自己評価チェックリストを提示し、到達目標を掲げています。次に、アイディア・マップで話すことを整理し、話の流れと表現を学んで、練習します。そして、スピーチやディスカッションの準備(メモ作成、資料読解)を行った後に、発表します。
 発表の後には、自己評価チェックリストを使用して自分の発表をふりかえります。さらに、「発展」において、次のユニットに関連した活動を行います。スピーチ・ディスカッションの例はユニット最後に載っています。
 本書は『中級日本語で挑戦!スピーチ&ディスカッション』の姉妹編です。考え方、ユニット構成などは共通していますが、こちらはN3合格レベル(学習時間450~600時間)の学習者が対象になっているので、教室にあわせて選ぶことができます。

P.40の画像 P.41の画像P.40-41

(生田 守/日本語国際センター専任講師)

日本語国際センター図書館

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