日本語教育通信 本ばこ 『まねして上達!にほんご音読トレーニング』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『まねして上達!にほんご音読トレーニング』

著者:松浦真理子、福池秋水、河野麻衣子、吉田佳世
出版社:アスク出版(http://www.ask-books.com/

まねして上達!にほんご音読トレーニング

書籍情報:http://www.ask-books.com/books/?p=6447
発行日:2014年3月
ISBN:978-4-87217-888-3
判型・頁数:A5判 176頁、CD2枚付

 "文法や語彙の力はあるのに声に出して話すのは苦手""長い文になると口がうまく動かずスムーズに話せない"そんな日本語学習者におすすめしたい1冊です。本書は口を動かして声に出しながら文を読む中で、日本語のリズムや相手に聞きやすい話し方を身につけていくことを目的に作られた音読教材です。初級後半の学習者から使うことができます。

本書の構成

 口慣らしのためのウォーミングアップから始まり、全部で30ある音読練習用の本文(音読Unit)へと続いていきます。その間には、日本語のリズムを楽しむ練習として早口ことばやことわざに挑戦するページ、日本の文学作品も紹介されています。
 音読Unitの内容には大きく2つの種類があります。一つは、「人に向けて話す」もので、簡単な自己紹介や留守番電話といった日常的な場面から、スピーチ、プレゼンテーションやインタビューといったアカデミックな場面まで、さまざまなトピックがあります。もう一つは、「文章を読む」もので、日本の文化や行事、自然、歴史などについてのエッセイがあります。
 このような様々なトピックの文章を、次の5つのステップに沿って練習していきます。

STEP1: 音声を聞いて、どんな内容か考える
STEP2: 意味を確認して、本文を見ながらもう一度聞く
STEP3: 本文の音声を少しずつまねる
STEP4: 本文を見ながら音声と一緒に読む
STEP5: 本文を見ないで音声と同時に言う

繰り返し声に出して、リズムに慣れる

 音読Unitには、「きほん」「ゆっくり」の2種類のスピードの音声と、区切って練習をするための「1行ずつ」があり、学習者の力に合わせて音声を選ぶことができます。繰り返し音声を聞いて、声に出してまねながら、日本語のリズムに慣れていきます。

すきま時間を活用して、簡単に取り組める

 毎回の授業の始めの10分間を使ったり、活動と活動の間の気分転換にしたりと、授業に取り入れやすい教材です。特に、海外のような日常的に日本語に触れる機会や発話する機会が少ない日本語教育現場においては、気軽に楽しく日本語のリズムに触れ、自然な話し方に慣れる機会を提供することができるでしょう。さらに、付属のCDやWebでダウンロードできる音声データや本文訳(中国語・ベトナム語・英語)を活用して、授業時間以外にも自宅や移動中に練習することも可能です。

 カラオケで大好きな歌を繰り返し練習するように、好きな詩を何度も口ずさむように、楽しく日本語の音とリズムに触れる活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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P.26-27

(尾関 史/日本語国際センター専任講師)

日本語国際センター図書館

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