日本語教育通信 海外日本語教育レポート JENESYS若手日本語教師 尾関 優子(インドネシア)

派遣国:インドネシア
派遣期間:2009年2月~2009年12月
氏名:尾関 優子

日本語教師の派遣先での写真1

 私はインドネシア・メダンの北スマトラ大学というところに赴任しました。授業では主に1年生から3年生を担当しました。1クラスは45名前後の大人数で、当初はどのようにしていけば、より一人一人のモチベーションが上がるのかを考えました。その中でティームティーチングの先生方をはじめ、学科の先生方は快く相談に乗ってくださり、私の考えを理解し、温かく見守ってくださいました。そのお陰で楽しく授業を行うことができました。

 授業ではまず、学生各々の考えを把握するために授業内容についてのアンケートを行いました。また、話す機会を増やすことと、その人らしさを日本語で表現してもらうために会話文を作ってもらい、グループ発表をしてもらいました。更に一人一人の学習のフォローとコミュニケーションを図るためにテーマに沿った作文の宿題を出したり補習を行いました。授業以外でも学科主催の日本文化祭や学生組織のイベント等で文化紹介を行い、たくさんの学生達と交流することができました。

 最も印象に残っていることは、最後の授業を行った時のことです。ティームティーチングの先生と学生達の計らいで『先生と10ヶ月を共に過ごして』というテーマでそれぞれが発表をしてくれました。学生の声で「日本人の印象が良くなった」「学習のモチベーションが上がった」―ネイティブ教師がいかに現地で必要であるかを改めて感じ、自分でも役に立つことができたことを嬉しく思いました。また、「どの人に対しても公平で常に笑顔だった」―インドネシアは様々な宗教や民族があり、その中で人々は調和をもって生活しています。そしてインドネシアの人達は楽しい時はもちろんのこと、辛い時でも笑顔でいるという前向きな力強さが根底にあります。そのような素晴らしいところを教えていただき、私も心掛けていました。この発表で学生達は真っ直ぐな心でしっかりと教師としてみてくれているというのも実感しました。

 この10ヶ月での出来事や出会いは大きな財産となりました。国際交流基金の関係者の皆様、インドネシアで出会った皆様に心から感謝しております。今後に於きましても、このプログラムでより多くの方々が貴重な体験が得られますよう心から願っております。

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