国際交流基金賞50周年記念 三浦 尚之さんからのメッセージ

三浦 尚之さんの写真
photo: Yuhka Miura

平成13(2001)年度 国際交流奨励賞

ミュージック・フロム・ジャパン理事長、芸術監督

三浦 尚之

[日本 / 米国]

国際交流基金賞創設50周年記念

国際交流基金賞創設50周年、誠におめでとうございます。このような機会にメッセージを寄せることができますのは、本当に光栄です。 ミュージック・フロム・ジャパン(MFJ)の仕事により、私は2001年に国際交流奨励賞を受賞しました。MFJは、1975年創立当初より貴基金からのご支援を得て、現在までその事業を継続できており、長年のご支援を深く感謝しております。

創立20周年記念事業の一部、1995年春ブラジル五都市邦楽演奏旅行、および、25周年の第1弾、1999年秋中央アジア邦楽演奏旅行は、貴基金の主催事業として開催していただきました。

加えて、2016年音楽祭より開始の企画、アーティスト・レジデンスの一環として日米音楽交流会を継続して2020年音楽祭まで、貴基金ニューヨーク日本文化センターにて開催させていただきました。日本から招聘した委嘱作曲家、音楽学者たちと米国の作曲家や北米音楽批評家協会メンバーなどが集い、情報や意見、芸術的アイデアの交換などを行ってきました。その延長として2018年夏には、「音楽による出会い:日本・米国・カナダ」という企画で、米国とカナダから10名の音楽批評家と2名の作曲家を日本へ招聘し、日本の音楽、伝統文化に直接触れる機会を提供。また、両作曲家の作品を東京シンフォニエッタ定期演奏会にて日本初演し、過去のMFJ委嘱曲も同時に紹介し、音楽批評家の一人が北米現代音楽について講演するなど、様々な交流を図りました。

他のハイライトは、創立20周年に三島由紀夫原作、黛敏郎作曲のオペラ『金閣寺』をリンカーンセンター、NYCオペラの秋期シーズンに、キャスト全てが米国人により4回の公演。35周年には芝祐靖率いる伶楽舎をカーネギー・ザンケルホール、ケネディーセンター他に巡演。また、40周年には日中韓音楽祭:笙、ピパ、コムンゴの三重奏曲を米国の作曲家に委嘱し、ニューヨーク、ワシントンDC、福島市、東京へ巡演しました。

このように、MFJは誠に小さな団体ですが、1975年以来引き続いて日本の音楽文化紹介の事業を、ニューヨークから世界へ向けて発信しております。現在までに97名の日本の作曲家の委嘱曲を世界初演し、2025年には50周年を迎えようとしています。

これからも国際交流基金が日本文化の世界との交流促進のために、基金賞も含めてその大切な活躍を続けられますよう祈念し、お祝いのメッセージと致します。

ミュージック・フロム・ジャパン
理事長 三浦 尚之

(原文 日本語)

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