日本語教育通信 本ばこ 『漢字たまご 初中級』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『漢字たまご 初中級』

監修:嶋田和子
著者:有山優樹・落合知春・立原雅子・林英子・山口知才子
出版社:凡人社

漢字たまご 初中級

URLhttp://www.bonjinsha.com/
書籍情報:http://www.bonjinsha.com/product/?item_id=5701
発行日:2013年4月
ISBN:9784893588326
判型・頁数:B5判・191頁・CD1枚付き

漢字の学習といえば、書いて覚えてまた書いて、それぞれが静かに学習する、そんなイメージはないでしょうか。本書は、そのような漢字学習の考え方を越え、漢字学習を中心にコミュニケーションの練習もできる漢字の教科書です。

漢字学習のための「三つの柱」

 本書の漢字学習は、「三つの柱」をもとに組み立てられています。一つ目の柱は、その課の漢字を勉強したら何ができるようになるかが示されていることです。「スーパーの広告などから、肉の種別がわかり、読むことができる」のように、各課に漢字学習を通した実際のコミュニケーション上の目標が示されています。二つ目の柱は、「日常生活場面の活用」です。各課のタイトルは「第8課引越し」「第13課学校で」のように、その課で学ぶ漢字が日常生活のどのような場面で使うのかがわかるようになっています。また、「学校の掲示板」「アパート探しの物件情報」「ブログ」など、日常生活の中での「漢字との接触場面」がたくさん取り上げられています。三つ目の柱は、「漢字学習ストラテジー」です。漢字の部首をはめ込むクイズや、音読み・訓読みを利用した漢字パズルが各課に設定され、クイズやパズルを解くことを通して「漢字には共通のパーツがある」などの漢字学習ストラテジーに気づくことができるようになっています。

漢字項目は「三つのグループ」に

 各課の学習漢字をA「読んで書く必要がある漢字」、B「読めればいい漢字」、C「サインとしてわかればいい漢字」の三つのグループに分けているところも本書の特徴です。学習漢字を三つに分けて考えることで、学習する漢字が多すぎてやる気を失うことがないように配慮されています。
 本書は2012年に出版された初級版に続く初中級版です。初級版で162字、初中級版では164字の漢字が学べます。また、本書は『できる日本語』i という総合日本語教科書の準拠教材です。ただし、本書の漢字学習を通してでも十分にコミュニケーションが「できる」ようになるための活動が可能です。この教科書を使うことで、静かなイメージのある漢字の授業が、学習者の声であふれるわいわいにぎやかなものになるのではないでしょうか。

i 2011年5月27日更新の「本ばこ」をご覧ください。(http://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/tsushin/bookshelf/201105.html

P.88の画像P.89の画像
P.88-89

(菊岡 由夏/日本語国際センター専任講師)

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